力を合わせて日本の過去の清算を!

日本の過去の清算を求める東京集会開催

2010年12月12日には日本の過去の清算を求める東京集会がもたれ、150人が参加した。集会では日本の過去清算にむけて意見交換がなされた。午前は、強制連行・強制労働、「慰安婦」・BC級・被爆者・細菌戦、遺骨・文化財返還の3つの分科会で討論し、午後は各国報告、分科会報告、教科書問題報告などがなされた。

集会ではさまざまな報告がなされたが、ここでは主なものを地域ごとにまとめておこう。

中国では、2010年9月16日に山東省被害者会議が山東省高等裁判所に三菱セメントと三菱商事(青島)を被告にして訴訟をおこした。受理されるかは未定である。2011年には済南市で国際シンポジウムを予定している。三菱鉱業(三菱マテリアル)は中国人を日本各地に連行した。この企業との問題解決が焦点となっている。南京・平頂山などさらに多くの被害問題があり、どう決着をつけるのかが課題である。全体的解決にむけて、補償基金をつくって解決するという大まかな合意ができてきた。中国国内でのNGOの結成と活動の強化が求められる。 

台湾の台北市婦女救援基金会は1992年から活動している。心身の治療をおこない、ワークショップを持ち、被害者と人生をともに歩む活動をすすめている。博物館・資料センターを立ち上げ、次世代に伝える活動をすすめている。

韓国では、実現可能なものからと、サハリン問題に取り組んだ。サハリン韓国人に関して日本政府に情報公開を求める決議、ロシアに対しても同様な決議をあげ、敗戦後に日本人がおこなったジェノサイドに対して国連の調査を求める決議もあげた。サハリン関係ではサハリン韓人の支援に関する特別法案も発議されている。強制労働被害者への基金をつくる法案も出されている。

ポスコについては第2次裁判がすすみ、2年前から会社のまえで籠城し、集会をひらいている。光州では三菱自動車の販売店前での抗議行動によって閉店に追い込み、このような活動のなかで三菱側は協議に応じるようになった。

日本では、市民団体の側から朝鮮人強制労働被害者補償のための財団設立法案、韓国人旧日本軍軍人軍属動員被害者法案などを作成した。「慰安婦」や強制連行被害者の尊厳回復にむけて立法による解決をすすめる時期である。文化財返還については協定で実現することができる。日韓弁護士が連帯して解決にむかうという時代にもなった。

靖国神社には朝鮮甲冑が展示されていた。この甲冑の歴史的価値は計り知れないものであるが、盗んできたものとみられる。文化財は原産国に戻す時代である。

 教科書問題については、歴史修正主義者は自国の歴史の解釈権を取り戻すとし、中韓隷属史観・植民地暗黒史観などと非難し、「日韓併合は日本の誇り」などと宣伝している。また、領土ナショナリズムを煽り、国境・領土を記した教科書の採択を要求している。歪曲教科書のゼロ採択をめざそう。以上が、各国からの発言の要約である。

 最後に東京集会アピールが採択された。その内容は戦争被害者への謝罪と賠償、企業も歴史を直視し積極的な対応をすること、遺骨や文化財の返還をすすめること、歴史の歪曲を許さないというものである。日本の過去の清算に向けて力を合わせることを確認し、集会を終えた。