4.10「福島原発事故の真相」浜松集会報告
福島原発事故から1ヶ月の2011年4月10日、たんぽぽ舎の坂東喜久惠さんを講師に、浜松市民協働センターで学習会を持った。集会では、講師からの報告を受け、福島原発の現状をめぐって討論がなされ、最後に浜岡原発に反対して活動する掛川の仲間からの報告を受けた。
こんにちは、坂東です。日本では4枚のプレートがせめぎあっていますが、今回の地震はプレートの境界線での海溝型巨大地震でした。また、3つの地震がドミノ倒しのようにおきました。福島原発の事故は第1に電源の喪失が原因です。交流電源が止まり、津波で非常用ディーゼル電源も止まりました。
福島第1原発の1号機から4号機までもぐら叩きのような原子炉対策が採られています。ひとつでもだめになったら、他の3機には近づけません。危ういものからひとつづつ、対応していくしかないという状態です。スリーマイルの事故は16時間で収束し、チェノブイリでも14日間でとりあえずのめどが付いています。しかし、福島は1ヶ月以上がたち、今も汚染が続いています。海、空、土のすべてが汚染され、食品汚染の危機が進行しています。放射能汚染は今後深刻なものになっていくとみられます。特に海洋汚染が問題です。
一号機の核燃料の70パーセント、2・3号機の25〜30パーセントが露出し損傷していると推定されています。一号機で燃料が圧力容器の底を破壊して格納容器へと落下して水蒸気爆発を起こす危険も指摘されていますし、再臨界を起こしているのではという指摘もあります。水蒸気爆発になれば、関東圏まで避難対象になるでしょう。2号機では格納容器の下部のサプレッションプールが破損したとみられ、汚染水が流出しています。原子炉の配管にも損傷があるようです。
しかし、情報が十分に公開されていませんから研究者は外国の報告から資料を得て分析しているという状況です。
水素爆発が起きていますが、(燃料の鞘管と水が反応すると出ますが)この水素がどこから流出したのかもはっきりと判明しているわけではないのです。
自衛隊員や消防隊員は被曝量が多くなったら交替できますが、現場の技術を持つ労働者の数は限定されていますから、被曝したら交替というわけにはゆかないと思います。現地の現場で働いている労働者の多くは福島現地の協力会社(下請けや孫請け)の人々です。これから何ヶ月かをかけて壊滅を防ぐための作業が続くでしょう。
計画停電は地域や時間の指定が不十分でしたから無計画停電と呼ばれました。けれども、原発がなくても電気は大丈夫です。リスクを抱えるよりは原発のない社会を展望すべきです。
原発震災が実際に起き、3・11は世界の見方を変えたのです。福島の事故を体験することで一人ひとりの意識が変わりつつあります。浜岡原発は世界で一番危険なところにあります。浜岡原発はすぐにとめるべきです。原発のない社会に向けての取り組みが求められます。