5・3 「改憲論のトリックを斬る」長峯信彦浜松講演
2011年5月3日、浜松憲法9条の会の主催で長峯信彦さんが「改憲論のトリックを斬る」の題で講演し、150人が参加した。
長峯さんは、憲法は水や空気のように必要不可欠な存在であるとし、その解釈や運用にあたってはその助けを本当に必要としている人々の「痛み」をきちんと理解できる心や想像力が必要とし、人権や民主主義、平和主義の普遍的価値の重要性を語った。そして改憲論のトリックを「押し付けられた憲法」「9条を現実に合わせて変える」「普通の国ではない」「アメリカ憲法は27回も変えた」「権利ばかりで義務が少ない」「新しい人権が必要」の6点にまとめて批判した。講演では、近代憲法はそもそも市民にではなく権力者に対しての「押し付け」であること、戦争によって利益を得る者たちが望む「現実」と市民の現実とは異なること、「普通」ではないという言い方で心理的圧力をくわえているが普遍的な価値が大切であること、近代憲法は人権や権利の体系であること、新しい人権は立法で対応できるものであり、新しい人権をあげて改憲の口実にしていることなどがあげられた。
長峯さんは最後に、日本国憲法は近代立憲主義の歴史が満載されたものであり、憲法9条は日本全体を戦争から遠ざけてきたとその歴史的意義を語った。 (T)