「フクシマの報道されない真実」
浜岡原発運転終了廃止等請求訴訟弁護団集会
2011年8月7日、浜岡原発運転終了廃止等請求訴訟弁護団の主催で「浜岡原発を考える講演会1として「フクシマの報道されない真実−福島第1原発事故がもたらした悲劇」集会が静岡市内でもたれ、150人が参加した。静岡県弁護士会の113人が中心なって123人の弁護団が結成され、7月1日の提訴がおこなわれ、それ以来、最初の市民集会である。
集会ではいわき市の渡辺淑彦弁護士が「フクシマの報道されない真実−福島第1原発事故がもたらした悲劇」、郡山市の渡邊純弁護士が「個人的な原発事故体験」、浜岡訴訟団の青山雅幸弁護士が「浜岡原発の危険性」の題で話し、パネルディスカッションをおこなった。また、原告団からの意思表示もなされた。集会には下田市長が参加し、袋井市長は祝電のメッセージを送った。原告のひとりである湖西市長も参加した。
渡辺淑彦弁護士は、はじめに生まれ育った浜通りの体験、いわきで弁護士事務所を開設した経過、原発への無関心の罪などを語り、少年事件の青年や刑事事件の被告が再就職先として原発の下請けの派遣会社に雇われ、そこで危険な作業に送り込まれ、地域には東電を頂点に接待と搾取がある実態を示した。そして、原発事故後の大量の人口流出、農業破壊、学校の再開と父母間の対立、母親たちの脅え、失われた海と大地の現実、幼稚園や産婦人科の閉鎖、販売マーケットの喪失などの深刻な地域社会の破壊の事例を示し、愛する福島を取り戻したいという思いを語った。
渡邊純弁護士は、弁護士業までの経過、郡山での震災体験、家族の選択、法曹団としての相馬・南相馬での調査報告などを話した。そして、原発事故は地域の基盤そのものを破壊し、それが金では解決しえないものであること、原発事故が利益を追求して放射能汚染をもたらしたものであり、公害問題であること、賠償だけでなく、健康管理と汚染物質の除去をおこない、住民の救済を考えるべき問題とした。
浜岡訴訟団の青山雅幸弁護士は浜岡原発が液状化と津波に耐えられないことを話した。青山さんははじめに、地震により原発の配管が破断する危険性を示し、そのうえで浜岡原発の敷地は戦後の米軍写真では川であり、川を付け替えた上に原発が建設されている事実を示した。そのため、地震によって液状化が起こりやすいし、側方流動によって地盤が海のほうに流れるという状態も起きやすいとした。また、津波については、大地震では11メートルの津波が浜岡を襲うという想定があるが、津波は防波堤を上にあがって行くものであり、中電の津波の防波堤では耐えられないとした。企業はすでにスズキのように撤退を具体化している。青山さんは、浜岡原発の立地は悪く、技術も古く、安全は確保できない、お金で危険なものを押し付けてはならないと締めくくった。
最後に弁護団長の鈴木敏弘弁護士が、原発の安全性・5つの壁は嘘だった。危険な浜岡原発を廃炉にしよう。老朽原発から止めていこう。福島事故の教訓に学ぼうと決意を述べた。
第1回の口頭弁論は、10月13日の10時30分から静岡地裁で行われる。弁護団では裁判サポーターも募集している。
詳細はhp http://www.hamaokaplant-sbengodan.net/
訴状は以下(206ページ分)。 http://www.hamaokaplant-sbengodan.net/wp-content/uploads/2011/07/8279375bb9ffef1ac18128d3cf9ca9c7.pdf
(T)