9・24浜松基地自衛官人権裁判勝利報告のつどい
2011年9月24日、7月の勝訴判決と判決の確定をうけて、原告・弁護団・支える会の共催による勝利報告のつどいが浜松市内でもたれ、60人ほどが参加した。
報告集会では、弁護団の塩沢弁護士が勝訴判決の分析をおこなった。塩沢弁護士は裁判の経過、勝訴の理由、判決の到達点と限界の順に話をすすめた。そこでは、判決がNの加害行為の違法性、その違法行為と自殺との相当因果関係を認定し、国側の過失相殺主張を認定せずに100パーセントの賠償を認めたこと、しかし、ここでの違法行為の認定は自衛隊自身が認めていた懲戒処分の事由のみに限定され、Nの個人責任と上官の安全配慮義務違反は認定されなかったという点を批判した。そして、今回の勝訴が各地の裁判での勝訴につながることを希望した。その後、栗田、吉原、西ヶ谷弁護士からも挨拶がなされ、照屋、外山弁護士からのメッセージも紹介された。
報告集会ののち、勝利のつどいがもたれ、はじめに詩の朗読と支える会代表の桑山さんの献杯の読経がなされた。つどいでは、裁判の勝利を祝し、たちかぜ裁判の弁護士・原告、前橋裁判の弁護士、命の雫裁判を支援する会(東京)、さわぎり裁判事務局、静岡県平和運動センター、西部地区労連などから連帯の挨拶がなされた。その後、原告が発言し、参加者とともに勝訴を祝った。最後に、報告集の出版に向けての提起と「涙そうそう」が演奏された。
この間の議論を聞いていて思うことは、憲法9条を維持し自衛隊の海外派兵に反対する活動と隊内の自衛官の人権を守る活動は、反戦と平和の運動の両輪であるということである。戦争を防止することと隊内でのいじめなどの人権侵害をなくすことは自衛官という兵士の生命を守ることにつながるものであり、そこでの兵士との人間的な連帯の地平から平和を展望したいと思う。 (T)