NO!ミサイル防衛、PAC3を沖縄に運ぶな!


日本国首相様 防衛大臣様                
2012331

浜松基地司令様                 NO!AWACSの会・浜松

 

      破壊措置命令と「ミサイル防衛」発動の中止を求める要請書 

 

2012330日、野田政権は破壊措置命令を出し、自衛隊は「ミサイル防衛」による部隊の展開を始めました。私たちはこの動きに強く抗議し、その中止を求めます。

私たちは「ミサイル防衛」がアメリカのグローバルな戦争政策によるものであり、それが予防先制攻撃とセットのものであって、核とミサイルによる軍拡にほかならないとし、導入に反対しています。朝鮮の「ミサイル開発」を口実とした日本の軍拡とその発動は、北東アジアの平和形成に反するものであると考えます。日本国憲法第9条の精神からみれば、核とミサイルに加担するのではなく、それらを廃絶するような努力がなされるべきです。

今回の「ミサイル防衛」による部隊の展開はつぎのようになります。空自の航空総隊司令部を米軍横田基地に移転し、日米共同統合運用調整所をつくる(防空指揮関係で800人の移動)。ミサイルの情報は最初に米軍の衛星が得ますから、この調整所は米軍指揮下での米日共同軍事司令部の形成となります。浜松基地のAWACSも監視行動に動員され、米軍の情報システムに統合されていきます。

海自のイージス艦は舞鶴の「みょうこう」、横須賀の「きりしま」、佐世保の「ちょうかい」が動員され、「みょうこう」は日本海、他は沖縄方面に展開します。空自は那覇などのF15でイージス艦を警護します。空自のPAC3は滋賀(高島)、岐阜(各務原)、三重(白山)の高射部隊から沖縄へと派兵されます。配置先は石垣島、宮古島、沖縄本島(那覇と知念の基地)の4カ所です。PAC3は、宮古島・石垣島には陸路と呉からの海自の輸送艦で輸送し、沖縄本島には名古屋港から民間船による輸送がおこなわれ、弾薬部分は空自の輸送機を使うといいます。首都圏にも市ヶ谷・朝霞・習志野にPAC3を配置します。また、さらに陸自は宮崎や熊本などから沖縄本島、宮古島、石垣島、与那国島に派兵され、化学防護車も配置するといいます。これらは陸海空の3軍統合による大展開です。

アメリカのグローバルな戦争の特質は、宇宙の覇権による予防先制攻撃と「ミサイル防衛」、情報戦と平時の戦時化にありますが、今回の米軍指揮下での日本の軍事展開は、この特質を示すものです。このような軍事展開は本当に必要なのでしょうか。

「ミサイル防衛」はアメリカが日本に売りつけた数兆円の商品ですが、射程20キロのPAC3は落下する物体を破壊できるのでしょうか、もし破壊しえたとしても逆に多数の破片の雨が降ることになるのではないでしょうか。「原子力の平和利用」による原子力発電も数兆円の商品でした。これもアメリカが売りつけた商品で、福島事故のマーク1型炉はアメリカ製とそのライセンス生産品です。破損したマーク1型炉の放射能はいま、世界を汚染しています。

原子力発電も「ミサイル防衛」も平和的な生存を破壊するものです。マスコミを利用しての情報戦によって「ミサイル防衛」の宣伝がなされていますが、それは政治ショーにすぎません。数兆円の「ミサイル防衛」などはもう止めて、費用は被災地救済、原発事故対策に回すべきです。これ以上の核汚染を止めるべきです。北東アジアでの平和友好政策をすすめ、沖縄の非軍事化を進めることが求められます。日米の核密約を廃棄し、「ミサイル防衛」騒ぎは中止し、核とミサイルの廃絶に向けて国内外での行動をすすめるべきです。

 

参考、以下に反対声明などをあげておきます。

宮古平和運動連絡協議会と平和運動センター宮古島の緊急声明
  

 宮古島への地上発射型迎撃ミサイルパトリオット(PAC3)の配備に反対す
る緊急声明

  田中防衛大臣は、19日の参議院予算委員会で、朝鮮民主主義人民共和国(以
下「北朝鮮」という)による「人工衛星打ち上げ」発射が実行段階に入った場
合の対応について「弾道ミサイル破壊命令を検討する」との考えを明らかにし
ました。
  さらに、このミサイルを迎撃するために政府が地上発射型迎撃ミサイルパト
リオット(PAC3)を宮古島に配備するとの新聞報道がありました。
  北朝鮮の「人工衛星打ち上げ」が仮に「長距離弾道ミサイル」の発射であれ
ば、近隣諸国に徒に緊張を惹起し、北東アジアの平和に危機をもたらすと考え
られるので、直ちに中止すべきです。
  一方、これに対して、地上迎撃型ミサイルパトリオット(PAC3)を配備
し、ミサイルを迎撃する態勢をとることは、相手国にすれば「戦争行為」とみ
なされます。
  現に、2009年4月の北朝鮮のミサイル発射に対して、当時の麻生内閣はPA
C3による大々的な迎撃態勢をとり、北朝鮮が「迎撃は戦争行為とみなす」と
宣言して、一触即発の危機を招きました。このようなことは、戦争への危機を
招く危険性をもっています。
  国際平和は、外交的手段で構築するものであって、武力によって解決すべき
でないとするのが日本国憲法の精神であり、世界の趨勢となっています。
  PAC3の命中度は極めて低いだけでなく、万が一命中したとしても、空中
で爆発・飛散した猛毒の有害物資が私たちの頭上に降り注ぎ、甚大な被害を被
る危険性すらあります。
  PAC3の配備の総額は1兆円、MD配備費の総額は約6兆円とも言われてい
ます。これほどの財源があれば、東日本大震災の復興、被災者の救済にあてる
べきです。
  北朝鮮の予告通りなら日本領土に落下する可能性は小さいといわれています
が、それでも政府が迎撃態勢をとるのは、「北朝鮮に厳しく対応し、防衛に積
極的な姿勢を内外にアピールするねらいがあり、巨費を投じたミサイル防衛
(MD)システムを活用しなければ『無用の長物』と批判をうけかねない懸念
もありそうだ。」(3月20日付「琉球新報」)からとの報道もあります。
  政府は、「ミサイルの脅威」や危機感を煽り国民に不安を抱かせることなく、
外交努力を尽くし、冷静な対応をすべきです。
  PAC3発射システムは、トレーラー移動式のシステムであり、パトリオッ
ト発射中隊によって運用され、発射トレーラーなど10台以上の車両により構成
され、自走して野外サイトに設定後、射撃態勢をとることになっています。
  平穏な宮古島の日常に、このような軍事用車両が公道を走行し、発射装置が
設置されるような事態がひき起こされることは断じて許すことができません。
宮古島の平和を希求する私たちは、このような地上発射型迎撃ミサイルパトリ
オット(PAC3)の配備に断固として反対し、政府がただちに計画を中止す
ることを求めるものです。

   2012年3月22日
                     宮古平和運動連絡協議会
                     平和運動センター宮古島



 入れるな核艦船!飛ばすな核攻撃機!ピースリンク広島・呉・岩国(28団体)の抗議文                         
2012年4月1日 

内閣総理大臣 野田佳彦様様
防衛大臣 田中直紀様

<抗議声明>破壊措置命令と「ミサイル防衛」発動の中止を求める

2012年3月30日、野田政権は「破壊措置命令」を出し、自衛隊は「ミサイル防
衛」による部隊の展開を始めました。31日には三重県の航空自衛隊白山分屯基地か
ら約30台の車列を連ねて陸路、海上自衛隊呉基地にPAC3が搬入され、4月1日
輸送艦おおすみが沖縄の宮古島に向け出港しました。さらに続けて輸送艦しもきたも
石垣島に派遣されるということです。私たちは、物々しい警戒の中、呉を「出撃基
地」とするがごときの、こうした一連の動きに強く抗議し、その中止を求めます。
私たちは「ミサイル防衛」がアメリカのグローバルな戦争政策によるものであり、そ
れが予防先制攻撃とセットのものであって、核とミサイルによる軍拡にほかならない
として、導入に反対しています。朝鮮のいう「人工衛星」を「ミサイル開発」と決め
つけ、それを口実とした日本の軍拡とその発動は、北東アジアの平和形成に反するも
のであると考えます。日本国憲法第9条の精神から言えば、核とミサイルに加担する
のではなく、それらを廃絶するよう努力がなされるべきです。

 日本政府は「ミサイル」の本体や部品が日本の領土や領海に落下する場合、それを
迎撃して破壊するとしています。海上自衛隊のイージス艦搭載・艦対空ミサイルSM
3を用いて大気圏外で破壊を試み、それが失敗した場合は地対空ミサイル・パトリ
オット(PAC3)で迎撃するといいます。そして「ミサイル」は沖縄・先島諸島
(宮古・八重山)の上空通過が予想されるとして、PAC3配備先として、首都圏と
宮古島、石垣島、沖縄(本)島が挙げられています。「基地のない平和な島」である
ことを強く望んでいる沖縄に、日本政府はPAC3ミサイルを持ち込むべきではあり
ません。

北東アジアの平和は現在、なお一層の危機に瀕しています。本年1月オバマ米大統領
が発表したアジア・太平洋重視の「新国防戦略」は中国を名指しで批判しており、無
用の緊張をアジア・太平洋全域にもたらすものです。そのうえ日本政府は米「新国防
戦略」に深く加担する姿勢を隠していません。私たちは、日本政府が外交力によって
朝鮮に「ミサイル」発射の中止を働きかけるのではなく、SM3やPAC3などのミ
サイルで対応するのは戦争挑発行為であると考えます。
 また、マス=メディアを操作して「北朝鮮の脅威」を煽って国民を不安に陥れ、ド
サクサ紛れに沖縄の島々にPAC3を持ち込もうとする野田政権・防衛省の企みに断
固として反対します。日本の周辺諸国は、日本の核武装と日本が開発するロケットが
ミサイルに転用されることを危惧しています。そのような疑惑を解消し、アジア・太
平洋地域に揺るぎない平和を確立するためには、日本が率先して日本国憲法に基づき
その非武装を実現することが不可欠であると私たちは確信します。

入れるな核艦船!飛ばすな核攻撃機!ピースリンク広島・呉・岩国(28団体)


市民有志による共同声明

●日本政府に沖縄へのPAC3ミサイル配置の中止を求める市民の共同声明


 
朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)は3月16日、「4月12日から
16日までの間に人工衛星を打ち上げる」と発表した。
 宇宙を平和利用する権利はどの国にもある。しかしその権利の行使は他の国々
に脅威を与えない方法でなされるべきである。今回予定されている打ち上げで
はロケットの一段目は韓国沖の黄海に落下し、二段目はフィリピン沖の太平洋
に落下するとされている。それゆえ両国は計画の中止を求めている。さらに打
ち上げが北東アジアの平和を脅かすという懸念から中国やロシアも北朝鮮に自
制するよう働きかけている。また今回の打ち上げは長距離弾道ミサイルの開発
を目的としているのではないかという疑惑を招いているが、北朝鮮はその疑惑
を解消していない。打ち上げ計画中止の要請は今や国際世論である。私たちは
北朝鮮に自制を求めたい。

 日本政府は衛星を運ぶロケットの本体や部品が日本の領土や領海に落下する
場合、それを迎撃して破壊するとして、田中防衛相が3月30日、自衛隊に
「破壊措置命令」を発令した。防衛省が進めている準備は、海上自衛隊のイー
ジス艦搭載・艦対空ミサイルSM3を用いて大気圏外で破壊を試みるが、それ
が失敗した場合は地対空ミサイル・パトリオット(PAC3)で迎撃するとい
うものである。
 政府は北朝鮮のロケットが沖縄・先島諸島(宮古・八重山)の上空を通過す
ると予想されるとして、沖縄へのPAC3配置を計画している。配置先は、宮
古島、石垣島と沖縄(本)島の航空自衛隊の2基地である。防衛省はまた首都
圏(市ヶ谷・朝霞・習志野)にもPAC3を配置する。

 北東アジアの平和は現在、危険な局面に突入している。本年1月オバマ米大
統領は中東と朝鮮半島の2正面に同時に対応する軍事戦略を転換し、米国を
「太平洋国家」と位置づけてアジア・太平洋を最重視する「新国防戦略」を発
表した。それは中国を名指しで批判し、無用で深刻な軍事的緊張をアジア・太
平洋全域にもたらすものである。
 また一昨年末策定・公表された「防衛計画の大綱」(新防衛大綱)は中国と
北朝鮮を戦略正面とし「島嶼防衛の強化」を掲げているが、それは具体的には
南西諸島に自衛隊を常駐させ、沖縄を最前線基地化することにほかならない。
いうまでもなく米「新国防戦略」は防衛省・自衛隊のこの動きを重要な前提と
して含み込んでいる。
 それゆえ「新国防戦略」と「新防衛大綱」を基軸とする日米両政府にとって、
今回の北朝鮮の予告は願ってもない好機であり、防衛省はそれを最大限政治利
用しようとしているのである。 
 私たちは日本政府が外交力によって北朝鮮に衛星打ち上げの中止を働きかけ
るのではなく、SM3やPAC3などのミサイルで対応するのは、許すべから
ざる戦争挑発行為であると考える。

 私たちはマスメディアを操作して「北朝鮮の脅威」を煽り、ドサクサ紛れに
沖縄の島じまにPAC3を持ち込もうとする野田政権・防衛省の企みに断固と
して反対する。日本の周辺諸国は日本の核武装と日本が開発するロケットがミ
サイルに転用されることを危惧している。そのような疑惑を解消し、アジア・
太平洋地域に揺るぎない平和を確立するためには、日本が率先して日本国憲法
が鮮明に規定している完全非武装を実現することが不可欠であると私たちは確
信する。
  
  日本政府は「基地のない平和な島」であることを強く望んでいる沖縄にPA
C3ミサイルを持ち込むべきではない。私たちはそのことを重ねて強く要求す
る。