7月19日、木村裁判控訴審で勝利判決

 

 7月19日13時20分、東京高裁前は歓声に包まれた。「勝訴」の垂れ幕が掲げられた瞬間だった。その日、第717法廷での控訴審判決を聞こうと100人近くの支援者が傍聴券抽選のために列を作った。24席の傍聴席のため入廷できたのは5人に1人だった。2004年、磐田市の新任小学校教員・木村百合子さんが学級運営に悩み死を選んでからほぼ8年の月日が流れていた。

 判決は、昨年12月15日の静岡地裁判決を継承し、木村さんの「公務外認定」を取り消す原告勝訴の判決を改めて追認するものだった。その上、公務員の業務の過重性について弱者基準説をさらに強く支持し、「うつ病」発症以後の精神的負荷についても事実認定した。弁護団も「地裁判決よりもさらに進んだ判決」と評価し、この判決が新たな基準となって全国各地の精神疾患に苦しむ教員たちの救済に役立ててほしいと述べた。

判決後、地方公務災害基金静岡支部は、最高裁への上告をあきらめた。判決は確定し、原告への謝罪と救済をすすめることになった。