10月18日浜松市秘書課に市長あての以下の書面を渡しました。

浜松市長様                         
20121018

人権平和・浜松

原発震災がれきの広域処理にともなう浜松市での焼却の中止を求める要請書 

                              

2012926日、浜松市長は原発震災がれきの広域処理にともなう浜松市での受け入れを表明しました。今日1018日以降、浜松、静岡、島田、裾野などで焼却処理がおこなわれようとしています。わたしたちはこの焼却処理の中止を求めます。

原発震災にともなうがれきの多くは放射能で汚染されています。それらの汚染がれきを広域処理することは核汚染の拡大につながります。汚染の可能性がある物質は移動させないことが原則です。現地での処理をすすめる方向をとるべきです。すでに福島事故により、浜松市でも天竜のお茶をはじめ大きな被害が出ています。これ以上の汚染の拡大につながる政策をとってはいけません。震災がれきによる利権やがれき量の水増しについての指摘もあります。広域焼却処理自体を見直すべきです。

浜松市は「安全」を強調し、最終処分場がある平松町自治会で住民に投票させて実施を決めましたが、受け入れ賛成は四分の三といいます。四分の一は明確に反対ですし、賛成票を投じた人にも不安を感じる方が多いのです。少数であっても根強い反対の声をふまえて、実施は見送るべきです。セシウムの数値は示されても、ストロンチウムやプルトニウムの汚染値は示されていません。まず第1に原発震災がれきに含まれる様々な有害物質についてきちんと調査をして公表すべきです。それをおこなわずに、空間線量のみを公表して「安全」としても納得できません。一般ごみと混ぜて焼却し線量を下げるやり方も不当です。焼却場のフィルター能力への疑問、そこでの労働者の被曝、周辺住民の被曝、焼却灰の梱包袋の劣化、地下水への汚染など、未解決の問題がたくさんあります。現時点では「安全」ではないといわざるをえません。

さらに、市長は「責任をとる」と発言しています。しかし、広域処理による汚染問題の発生については誰も責任をとれません。処理による汚染の責任は、放射性物質による被曝でガンなどの病気にかかるというかたちで地域住民、特に子どもたちに転嫁されるのです。市長は放射能汚染への責任をとりえないのです。政府は原発震災自体を今も認めようとせず、誰もこの事故の責任をとっていません。事故の収束もできていません。東電に至っては放出した放射性物質を「無主物」とまで、法廷で語っています。浜松市は放射線対策をおこなうと言いますが、いちど放出された汚染物質は元には戻せないのです。

現時点でも、福島原発からは1日2億4千万ベクレルという放射性物質が放出されているといわれ、深刻な海洋汚染などもすすんでいます。また、福島の女子生徒の44%で甲状腺に嚢胞・結節の発見が報告されています。このような深刻な事態がつづくなかで、今なすべきは、早急な避難です。がれきの広域処理ではなく、人間の広域避難の受け入れをこそ、浜松市はおこなうべきです。汚染がれきを燃やすな、子どものいのちを守れ。