ピースサイクルが浜松市と浜松基地に要請

2013年7月25日、ピースサイクルが浜松市と浜松基地に要請した。
 浜松市に対しては
、中部電力浜岡原子力発電所の全機廃炉の要請、浜松城公園などの汚染された芝生の撤去、航空自衛隊浜松基地の撤去を国に対して要請、AWACSとPAC3の廃棄を市民とともに訴えること、空襲死亡者の氏名を刻んだ追悼碑を建てることなどを求めた。市側の回答は全くやる気のないものであり、全て他人事のような対応だった。特に市民生活課長の対応は、市民の要望への誠意のなさを示すものであった。要請後、公園管理課に行き、汚染芝生の即時撤去を求めた。
 浜松基地に対しては、AWACSを撤去すること、PAC3を撤去すること、夜間飛行訓練を中止し、静かな夜を市民に返すこと、市民運動への監視を中止すること、 防衛省は人権侵害・隠ぺい体質を改めることなどを要請した。政府が、憲法を改悪して、国防軍や軍法会議を置こうとしているが、それが、自衛官の人権を侵し、生命をいっそう軽くしていくものであることを指摘し、活動への支持を求めた。

 

浜松市長 鈴木康友 様                 ◎ ピースサイクル浜松

                                 ◎NO!AWACSの会浜松

            平和行政の確立を求める要請書

 

 私たちピースサイクル全国ネットワークは、自転車で全国の人とつながり、反戦・反核、平和、人権、環境保護を訴えてきた平和運動です。平和や脱原発の想いなどを市民や市民団体、自治体等からピースメッセージとしてお預かりし、到着地のオキナワ、ヒロシマ、ナガサキ、六ヶ所村へ届けています。そのために、地域での交流会や自治体訪問などを重ね、原発や基地等への申し入れ行動も行っています。

 

原子力発電は「核の平和利用」と言われてきましたが、あらゆる生物の生存をおびやかす放射能をもたらすエネルギー手段であることが、福島の原発震災ではっきりとわかりました。

 福島第一原発の事故は2年4ヶ月余りを経過しましたが、いまなお収束が見えず、放射能は大気や海を汚染しています。汚染水問題、除染作業の遅れと被ばく問題、子どもを中心とした癌多発の疑い、遅々と進まない賠償問題、大事故を起こした東電の刑事責任など、事態はいっそう深刻なものになっています。福島のこどもたちは被曝の危険の高い環境に放置されています。多くの人々が家や田畑から引き離され、先祖から受け継いできた故郷を強制的に放棄させられました。

菅前首相が東海地震の危険性を考慮して浜岡原発の全機の停止を中部電力に要請し、電力側もこれを受け入れました。しかし、中電は18mの防波壁を建設するなどの対策を講じた後は運転の再開をねらっています。使用済み核燃料プールに保管されている燃料体の危険性は、福島4号機の事故からも明らかです。国会の事故調査委員会の報告書では、地震による原子炉の損傷について「ないとは確定的には言えない」と指摘しました。第2の『フクシマ』を防ぐために、浜岡原発全機廃炉の方針を打ち出すよう中部電力に要請してください。

また、浜松城公園などに移植された芝生の放射能汚染が問題になっています。汚染された芝生はすぐに撤去してください。

 

航空自衛隊浜松基地には、98年のAWACSの配備、さらにPAC3(新型ペトリオットミサイル)配備など、アメリカの軍事力と一体化するような基地の増強が続いています。浜松市は、浜松基地は「教育訓練基地」であると言い続けていますが、すでに浜松基地は警戒航空隊やPAC3を持つ最前線の実戦基地になっています。市長は、航空自衛隊浜松基地の撤去を国に対して要請してください。

 

浜松市は、一昨年の7月1日「浜松市平和都市宣言」を行いました。私たちが長年要請し続けてきたことがやっと実現しましたが、この間何を行ったのか市民に見えてきません。宣言の中で「昭和20年の大空襲により、多くの市民の尊い命を失いました」とあります。大空襲は浜松に軍需工場と軍事基地が存在していたからです。平和都市を語るのであるのならば、軍事基地をなくすために行動すべきです。また、空襲で亡くなった人々の名前を碑に刻み、後世に語り伝えるべきです。

 

 私たちは、「平和都市」として、自治体による平和のための外交努力と、平和行政の取り組みが必要だと考えます。浜松は、「宣言」に沿った平和行政・平和教育を推進していただきたいと思います。市民が安全で安心な生活ができるよう80万人市民の先頭に立って市長が平和行政を展開するよう、以下の要請を行います。

 

 

1 浜松市長は、中部電力浜岡原子力発電所の全機廃炉を要請してください。

2 浜松市長は、浜松城公園などの汚染された芝生をすぐに撤去してください。

3 浜松市長は、航空自衛隊浜松基地の撤去を国に対して要請してください。

4 浜松市長は、AWACSとPAC3の廃棄を市民とともに訴えてください。

5 浜松市長は、空襲死亡者の氏名を刻んだ追悼碑を建ててください。

 

 

 

2013年7月25日

日本国首相様 防衛大臣様    

浜松基地司令様                        

 ◎ピースサイクル浜松
                                    ◎NO!AWACSの会浜松
                  要   請   書

                           

  私たちピースサイクルは、自転車を使って全国を走る平和運動です。毎年6月から8月にかけ沖縄をスタートし、8月6日のヒロシマ、8月9日のナガサキに向けて、自転車で全国の人とつながり、反戦・反核、平和、人権、環境保護をアピールしています。

 防衛省は2012年4月に、朝鮮の衛星ロケット発射を口実に沖縄やその周辺へと自衛隊が大展開するという行動をおこないました。また、2013年4月、防衛省は浜松基地に配備されている8基のPAC3のうち4基を沖縄の那覇基地と知念分屯基地に移転し配備しました。この移転配備の理由を、早期の迎撃態勢の構築と本土からの輸送では時間がかかるためとしています。わたしたちはPAC3の浜松配備に反対し、その撤去を求めてきました。今回の沖縄への移転配備に対しても、強く抗議するとともにその撤去を求めます。

ミサイル防衛(MD)はアメリカによるグローバル戦争推進のための道具であり、PAC3はこのミサイル防衛によって地上に配備されたミサイルです。アメリカは宇宙を軍事化し、予防先制攻撃とミサイル防衛によってグローバル戦争をすすめ、日常を戦時としています。アメリカの軍事衛星からの情報によって軍事作戦が展開されるようになり、この戦争システムに日本も韓国も組み込まれています。日本では米軍横田基地に米日共同作戦司令部ができました。浜松基地へのAWACSやPAC3ミサイル配備は、このグローバル戦争の拡大の一環でした。

いま求められていることは、朝鮮半島での戦争ではありません。軍事的な緊張関係を緩和し、外交による話し合いを強め、軍備の縮小をすすめ、核とミサイルを撤去することが求められています。特に朝鮮戦争以来、60年以上も休戦のままであるという状態を改め、平和的な協定・条約をとり結ぶことがもとめられます。

米政府は一方的に米海兵隊普天間基地所属のCH46輸送ヘリの交代機としてMV22オスプレイの配備を通告し、日本政府はそれを追認しました。昨年7月にアメリカから12機のオスプレイを積んだ自動車運搬船グリーンリッジは、抗議のなかで岩国に到着しました。また、追加配備の12機が7月28日頃岩国に到着する予定です。オスプレイの配備は日本をさらに派兵の拠点とするものです。

 オスプレイは開発段階から事故を繰り返し、空軍の同型機CV22オスプレイも墜落事故を起こしている欠陥機です。このような航空機が私たちの住む上空を飛行することは断じて許されません。搬入・配備に強く抗議し、中止を要請します。

浜松基地は、98年のAWACSの配備以降、早朝や深夜の離発着訓練など、基地周辺の騒音被害や事故の危険性は増大し、住民の不安と怒りは渦巻いています。AWACSやPAC3の配備は米国によるグローバル戦争とミサイル防衛に日本を組み込むものであり、集団的な自衛権の行使につながるものです。

 私たちは平和を願うものとして、このように浜松が再び戦争と派兵の拠点となっていることを憂慮し、浜松が生命を大切にする地域となり、平和の拠点となっていくことを願います。私たちはここに平和への思いをもって以下を要請します。

                記

1 AWACSを撤去すること

2 PAC3を撤去すること

3 夜間飛行訓練を中止し、静かな夜を市民に返すこと

4 市民運動への監視を中止すること

5 防衛省は人権侵害・隠ぺい体質を改めること