1215 静岡県原子力県民講座開催反対行動

 

20131215日、静岡県による「原子力県民講座」が浜松で開催された。三島で開催された県民講座の内容は静岡県のHPで公開されているが、その内容は福島原発事故の実態や放射能汚染の問題点を明らかにするものではない。当日は、浜岡原発を考える静岡ネットワークのメンバーとともに、会場前で宣伝行動をおこない、以下の要請書を渡して抗議した。シンポでは、進行のありかた、講演内容についてきちんと抗議した。

静岡県知事様                       2013年12月15日

静岡県危機管理部長様              静岡県原子力県民講座開催反対行動

 抗議要請書 

静岡県は、原子力県民講座を始めた。その内容は原発事故と放射能被害を過小評価し、原発の再稼働に向けて、県民の意思を動員しようとするものである。

福島原発震災は浜岡原発震災を予告するものであり、政府自身が浜岡原発の停止を要請するに至った。今や、自治体の長をはじめ、県民の多数が原発の再稼働に反対している。しかし、中電は再稼働をあきらめてはいない。危機管理部原子力安全対策課による県民講座はその中電の意向に沿ったものである。

わたしたちはこのような講座の中止を県民として求める。時代は変わった。静岡県は原発に反対する専門家を読んで、県民講座を開くべきである。あるいは、公開討論会を開催すべきである。今回のような原発事故と放射能被害を過小評価する講演会の開催は、県税の無駄づかいであり、原発の停止という危機管理を放棄することにつながる愚行である。危機管理とは原発を廃炉にすることからはじまるのだ。  

                          (連絡先人権平和・浜松)

参考
浜松で県が原子力県民講座 市民団体らが抗議

20131216日中日新聞

静岡県は十五日、東京電力福島第一原発事故の教訓や放射線の影響を学ぶ市民向けの「原子力県民講座」を浜松市地域情報センターで開いた。中部電力が浜岡原発(御前崎市)の再稼働を目指す中、原子力に関する「理解促進」や「情報提供」が目的というが、講師や進行役の顔ぶれから市民団体が「再稼働を後押しする講座だ」などと会場周辺で抗議行動を展開した。

 講師二人のうち名古屋大大学院の山本章夫教授(原子力工学)は原発関連の企業、団体から〇九年度以降少なくとも数千万円の寄付や研究費を受け、静岡大大学院の奥野健二教授(放射化学)は「原子力の開発・利用と知識の普及・啓発」を掲げる団体の静岡支部長を務める。進行役のNPO法人代表の土屋智子さんは電力各社で設立した電力中央研究所の研究員だった。

 講座は三月の静岡市、十月の三島市に続き三回目で、約七十人が集まった。山本教授が事故や新規制基準、奥野教授が放射線を解説した後、会場からの質問に答えたが、再稼働の是非に直接言及することはなかった。

 森町の男性(84)は講座の後、「原発の安全対策など浜岡の再稼働を前提にしたような内容で違和感を覚えた。倫理的観点から原発問題を考える講座も必要」と話していた。

 人選をめぐる疑念の声に対し、県原子力安全対策課の杉浦邦彦課長は取材に「分かりやすく説明してもらえる人を選んだ」と述べた。今後も内容を変えて原子力県民講座を続ける方針という。