2・6「袴田巌 夢の間の世の中」浜松試写会開催
2016年2月6日、浜松市内で、金聖雄監督「袴田巌 夢の間の世の中」の試写会が開催され、80人の市民が参加した。上映後、金監督と袴田秀子さんの対談もあった。その後、有志で秀子さんの誕生祝の会がもたれた。
「袴田巌 夢の間の世の中」は、釈放された袴田さんの日常を描いたものである。釈放された時には無表情だった巌さんの顔が、人々との関係のなかで笑み、輝き、足どりも軽くなる。死刑囚とされるなか、生命を維持するために巌さんは歩き続けていた。無実を勝ちとろうとする意思が、その歩みをつくったのだ。
拘束された部屋の格子の窓からも、青空と月夜の光は見えただろう。太陽の光は赤、青、緑の空間をいろどり、生きる意志を与える。月の光は自身との対話の時を告げる。無実を叫び、自由な身体を求めて、巌さんは何度も自分に生き抜くことを言い聞かせたのだろう。獄からの手紙にあるような真理への熱い思いを、黙々と歩む巌さんの背中は物語る。
映像のなかの青い空は自由を、月の光は真理を示すようだった。巌さんの心にはいまも闇のくびきがかせられている。それを取り除くための多くの力の結集を、この映画は呼びかける。ゆっくりとした映像の流れのなかで、日常のなかで忘れている自由と尊厳について考える時をもった。
「袴田巌 夢の間の世の中」は、3月19日から4月1日の間、13時50分からシネマイーラで上映される。 (T)