226「強制労働は終わってはいない!いまこそ解決を」集会

2016226日、東京で「強制労働は終わってはいない!いまこそ解決を」集会がもたれた。集会では3人の国会議員があいさつし、集会基調が提起された。

集会基調では、昨年の1228「慰安婦合意」は被害者が受け入れられないものであり、最終解決にはならないものと指摘した。また20125月の韓国大法院判決が、植民地支配に直結した不法行為による損害賠償権が請求権協定の適用対象に含まれていたと解することは困難としたことをあげ、韓国での強制労働被害裁判では、原告の請求を認める判決を出していることを示した。そして、被害者の闘いが続いているなか、ドイツの記憶・責任・未来財団の経験に学び、日韓間でも、強制労働の解決のための財団をつくり、被害者が納得する形で問題を解決することが求められるとした。

慰安婦問題については、渡辺美奈さんが国連の女性差別撤廃委員会の動きをふまえて報告した。同委員会では日本政府に、「合意」内容の法的地位と実施の方向、中国やフィリピンなどの慰安婦への対応、国連勧告にある謝罪、補償、加害の訴追や教育などの実施、被害者を中心にした被害回復の取り組み、亡くなった被害者の相続人への対応などの質問をだした。それに対し日本政府は、強制連行を示す文書がない、性奴隷ではない、慰安婦数20万人の根拠がないなど発言し、質問にまともに答えなかった。

集会では、五味洋治(記者)、李国彦(ハルモニと共にする会)、張完翼(韓国弁護士)さんらをパネラーにシンポジウムがもたれた。

五味洋治さんは、首相の支持者のなかに、「慰安婦を性奴隷とし、強制があったとの誤解が解けていない、日本人の名誉回復ができていない」とする批判があり、そのような声を受け、日本政府が1228「慰安婦合意」後の国際会議で、慰安婦に強制性はなく、性奴隷ではなかったと発言をしていることを指摘した。

李国彦さんは、昨年の1223憲法裁判所判断を、未払いの供託金の究極的な補償責任が日本政府にあるものとしたとみるべきとし、反人道的な不法行為である強制労働問題についての法的な責任はいまも問われていると訴えた。

張完翼さんは、韓国の強制動員委員会は昨年12月に終わったが、委員会の調査史料は記録院に移され、歴史館には博物類が移管され、少数の人にしか史料がみられない状態となったとした。また、2014年に設立された強制動員被害者支援財団は、財団に関する訴訟で最終的に20161月、財団側が勝訴し、活動が始まった。歴史館の運営も委託され、財団への拠出も始まることになる。今後、「慰安婦」の財団もでき、2つがどのような関係になるのかは不明である。2月、原爆被害者支援法案も通過したが、被爆2世に対する実態調査はしないものである。今後の強制動員関連訴訟の大法院判決によっては強制執行も問題になる。

このような問題提起を受け、短い時間ではあったが、質疑がなされた。最後に、被害者が納得する形での解決にむけて、活動をすすめることが呼びかけられた。      (竹)