7・25 ピースサイクル浜松基地などで要請
7月25日、ピースサイクル浜松は、浜松市と浜松基地に要請行動をおこなった。
浜松市に対しては、原発や基地、安保法について浜松市が反対の意思表示をするように求めた。
対応した市民生活課長による浜松市の回答は、原発の再稼働は国の責任でその必要性を判断、汚染芝生は安全基準以下である、AWACSやPAC3は国の運用の問題であり、国の責任、安保法は国民の安全のために必要であるなど、要請にこたえる意思は全くないものだった。市民生活課長の姿勢に、市民生活と安全を守るという地方自治への思いが感じられなかった。
2015年安保法によって自衛隊法が変えられた。自衛隊法第3条には、防衛に加え、我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態や国際連合を中心とした国際平和のための取組への寄与その他の国際協力の推進が加えられた。「専守防衛」の時代は過去のものだが、浜松市の回答は、旧来の認識のままだった。原発についても自治体や住民の意思を電力会社は無視できない状況なのに、再稼働は国が判断するものと言って知らぬ顔である。
浜松基地に対しては、AWACSやPAC3の撤去、夜間訓練の中止・市民運動への監視の中止、安保法の廃止など要請した。
安保法によって自衛隊が海外で集団的自衛権を行使していくことができるようになった。憲法改悪もすすめられようとしている。これまで以上に、戦争反対!第9条を守ろう!戦争に行くな!海外派兵させない!撃つな!殺すな!自衛官の命を守れ!の活動が求められている。
2016年7月25日
日本国首相様 防衛大臣様
浜松基地司令様
私たちピースサイクルは、戦争と核のない平和な世界を願って、全国各地から平和を訴え、その願いを自転車で伝える平和運動です。毎年6月から8月にかけ沖縄をスタートし、8月6日のヒロシマ、8月9日のナガサキに向けて、自転車で全国の人とつながり、反戦・反核、平和、人権、環境保護をアピールしています。
先の戦争の反省から国際紛争の解決の手段としての戦争を否定し、そのための軍隊を保持しないと規定した平和憲法思想は優れた平和主義と言えます。
自衛隊は、世界的に見れば明らかに強力な軍隊であり、日本は巨大な軍事国家と言えます。また、平和憲法違反の組織です。日本の侵略戦争で多大なる人命と被害を被ったアジア諸国と平和を願う世界が容認しているのは、平和憲法が担保されているからです。日本国民の大多数の思いも平和主義に徹する自衛隊の存在と東日本を襲ったような大規模災害での復旧支援活動です。日本の自衛隊は憲法9条に違反している組織であることを改めて指摘します。
戦後、戦争による自衛隊員の死者は一人もいません。平和憲法のもとで自衛隊員の生命と家族の生活が守られてきました。私たちは、自衛隊員が戦争に行き人を殺したり、自衛隊員が戦争で殺されたりしないことを切に願っています。
3月29日、安倍政権は戦争法(安保法)を施行しました。それにより、日本は攻撃をうけていなくても武力を行使し、戦争をおこなえるようになりました。存立危機事態であるとみなせば、集団的自衛権を行使できます。また、重要影響事態の名で、米軍の戦闘を世界規模で展開し、戦闘現場近くで行動するようになります。さらに国際平和支援という名で、世界中で他国の軍を支援し、PKOでは駆けつけ警護や治安維持に参加し、武器使用の名で抗戦するようになります。まさに戦争法であり、それが施行されてしまいました。
同じ日の新聞では、安全保障関連法の施行で海外の危険な地域に自衛隊を派遣する現実味が増した。若手自衛官は「命令されれば『職業軍人』として海外に行く。服務宣誓しているのだから当然」と言い切った後で、不安を明かした。「敵から撃たれる時のことを想像すると冷静にいられるか…。銃を撃つときも覚悟が必要になる。公には言えないが、はっきり言って怖い」。家族からは「本当に死んでしまうことがあるのでは」と大きな不安を抱える。などと報道されました。
戦争法は、あらたな日本軍が、海外で人を殺し、自らも殺されるという道を選ぶという法です。そのような戦争への道を選んではいけません。わたしたちは、この法を、いますぐ廃止することを求めます。
冷戦以後、アメリカはグローバルな戦争を展開する中で、日米安保を拡大し、「日米防衛協力の指針」(ガイドライン)を改定して、日米共同作戦体制の実行をねらってきました。この動きの中で航空自衛隊浜松基地にはAWACS ・PAC3など、この日米共同作戦を担う戦力が配備されてきました。わたしたちは、これらの戦力が集団的自衛権の行使と一体のものであることを指摘し、アラスカなどでおこなわれる共同訓練が集団的自衛権行使の訓練であるとし、抗議してきました。
浜松基地は、98年のAWACSの配備以降、早朝や深夜の離発着訓練などをおこない、基地周辺の騒音被害や事故の危険性は増大し、住民の不安と怒りは渦巻いています。
私たちは平和を願うものとして、浜松が再び戦争と派兵の拠点となっていることを憂慮し、浜松が生命を大切にする地域となり、平和の拠点となっていくことを願います。私たちはここに平和への思いをもって以下を要請します。
記
1 AWACSを撤去すること
2 PAC3を撤去すること
3 夜間飛行訓練を中止し、静かな夜を市民に返すこと
4 市民運動への監視を中止すること
5 防衛省は人権侵害・隠ぺい体質を改めること
6 オスプレイの浜松基地への着陸・配備をおこなわないこと
7 安全保障関連法を廃止すること。
2016年7月25日
浜松市長 鈴木康友 様
◎ ピースサイクル浜松
◎NO!AWACSの会浜松
平和行政の確立を求める要請書
私たちピースサイクル全国ネットワークは、自転車で全国の人とつながり、反戦・反核、平和、人権、環境保護を訴えている平和運動です。平和や脱原発の想いなどを市民や市民団体、自治体等からピースメッセージとしてお預かりし、到着地のヒロシマ、ナガサキへ届けています。そのために、地域での交流会や自治体訪問などを重ね、原発や基地等への申し入れ行動も行っています。
福島第一原発の事故はいまなお収束せず、大気や海を汚染しています。汚染水問題、除染作業の遅れと被ばく問題、子どもを中心とした癌多発の疑い、大事故を起こした東電の刑事責任など、事態はいっそう深刻なものになっています。福島のこどもたちは被ばくの危険の高い環境に放置されています。また、汚染された土地への帰還もすすめられています。
浜松城公園などに移植された芝生の放射能汚染が問題になりましたが、浜松市の放射能の調査でも数値に変化はありません。市は汚染された芝生はすぐに撤去すべきです。
大地震で浜岡原発が崩壊すれば、県西部の掛川、袋井、磐田、浜松の市民は被ばくし、居住地を失うとみられます。道路は寸断され、避難もできないでしょう。2016年7月8日、浜岡原発から半径31キロ圏のUPZにある周辺七市町と静岡県、中電の三者は安全協定に調印しましたが、浜松市も中電と交渉すべきです。
中部電力浜岡原子力発電所は防波壁を建設した後、運転の再開をねらっています。浜岡原発に残されている使用済み燃料は移送すべきです。浜松市長は中部電力に浜岡原発全機廃炉の方針を打ち出すよう要請すべきです。
安倍政権は、2015年9月に強行成立させた安保関連法=戦争法の下で、戦争のできる国家づくりをすすめ、憲法改悪に向けて大きく舵を切ろうとしています。集団的自衛権の行使とは、日本が攻撃されていないのに、同盟国が攻撃されたら一緒に戦争をするというものです。アメリカが行った戦争の多くは、ベトナム戦争、イラク戦争のような侵略戦争であり、アメリカの無法な戦争に日本の若者を駆り立てることになります。浜松市長は市民の平和と安全のために安全保障関連法の廃止を要請すべきです。
航空自衛隊浜松基地では、98年のAWACSの配備、さらにPAC3(新型ペトリオットミサイル)配備など、アメリカの軍事力と一体化するような基地の増強が続いています。浜松市は、浜松基地を「教育訓練基地」であると言い続けていますが、すでに浜松基地は警戒航空隊やPAC3を持つ最前線の実戦基地になっています。市長は、AWACSやPAC3の廃棄、航空自衛隊浜松基地の撤去を国に対して要請すべきです。
浜松市は、2011年7月1日「浜松市平和都市宣言」を行いました。私たちが長年要請し続けてきたことがやっと実現しましたが、この間、何を行ったのか市民に見えてきません。宣言の中で「昭和20年の大空襲により、多くの市民の尊い命を失いました」とありますが、大空襲の原因は浜松に軍需工場と軍事基地が存在していたからです。平和都市を語るのであるのならば、市長は軍事基地をなくすために行動すべきです。また、空襲で亡くなった人々の名前を碑に刻み、後世に語り伝えるべきです。
私たちは、「平和都市」として、自治体による平和のための外交努力と、平和行政の取り組みが必要だと考えます。浜松市は、「平和都市宣言」に沿った平和行政・平和教育を推進すべきです。市民が安全で安心な生活ができるよう80万人市民の先頭に立って平和行政を展開するよう、以下の要請を行います。
記
1 浜松市長は、平和都市宣言の趣旨にのっとり、平和行政・平和教育をすすめること
2 浜松市長は、中部電力浜岡原子力発電所の全機廃炉を要請すること
3 浜松市長は、浜松城公園などの汚染された芝生をすぐに撤去すること
4 浜松市長は、航空自衛隊浜松基地の撤去を国に対して要請すること
5 浜松市長は、AWACSとPAC3の廃棄を市民とともに訴えること
6 浜松市長は、安全保障関連法に反対し、その廃止を国に要請すること
7 浜松市長は、空襲死亡者の氏名を刻んだ追悼碑を建てること