6・17 空自浜松基地への美保基地からの教育隊移転の中止、
     美保基地への空中給油機配備の中止、
     在日米軍基地強化の中止などを浜松基地に要請                                


2017年6月17日、浜松基地に6人で以下の要請をおこなった。市民の戦争準備反対の声が、自衛官の海外派兵を止める力になり、その命を守ることにつながると基地渉外担当者に説明した。


2017
617 

日本国首相様                       
                            NO!AWACS
の会浜松
浜松基地司令様 
                            人権平和・浜松
防衛大臣様                      ピースサイクル浜松                                           

空自浜松基地への美保基地からの教育隊移転の中止、美保基地への空中給油機配備の中止、在日米軍基地強化の中止などを求める要請書                                 

2017年5月、防衛省は浜松市に航空自衛隊美保基地(鳥取県)の第41教育飛行隊(T400. 10機、隊員百数十人)を2020年に浜松基地へと移転すると申し入れました。浜松基地ではひと月に2100回ほどの離着陸がありますが、それに600回の離着陸が増加するといいます。

いま米軍は、沖縄にオスプレイを配備し、辺野古・高江での新基地の建設を強行しています。それを支える形で、陸上自衛隊は宮古、石垣、与那国などの島々に部隊の配置をすすめています。

また2017年、米軍は岩国基地(山口県)へとF35Bステルス戦闘機16機を配備し、さらに岩国へと厚木基地の空母艦載機(空母ロナルドレーガンのFA18など)61機の配備を計画しています。岩国基地は東アジアで最大の米軍航空基地へと強化されようとしています。これらの軍用機の飛行を延長させるために、岩国基地にはすでに普天間から空中給油機が配備されています。

このような米軍基地の強化にともない、航空自衛隊は小牧基地(愛知県)の空中給油機に加えて、美保基地に新型の空中給油機(KC46A)を2020年から3機配備することにしました。配備の理由は南西防衛の強化とされています。配備する予定の新型の空中給油機は米国で製造中であり、米軍のF35、FA18、オスプレイなどにも給油ができるように設計されています。

美保基地への新型空中給油機の配備にともない、美保基地にある教育飛行隊が押し出されるかたちで浜松基地に移転されるというわけです。

米軍による東アジアでの戦闘能力の強化がすすめられ、日本の自衛隊は、改定された日米の軍事協力の指針(新ガイドライン)にみられるように、米軍との共同行動をいっそうすすめています。美保基地への空中給油機は日米が共同しての軍事行動に使われます。美保基地は岩国基地の機能を支え、米軍の戦争を共に担う出撃拠点となるわけです。

浜松基地には1998年・99年と空飛ぶ司令塔とよばれる空中警戒管制機(AWACS)が4機配備され、警戒航空隊司令部がおかれました。AWACSの情報から戦争がはじまるといわれるように、浜松基地は戦争の拠点となっています。さらに2008年には、米軍のミサイル防衛計画(MD)に組み込まれ、浜松基地に新型ミサイル(PAC3)が配備されました。米軍による宇宙の軍事化とグローバルな戦争政策に浜松基地も組み込まれてきたのです。

今回の浜松基地への美保基地からの部隊の移転は、米軍による東アジアでの軍拡とそれを支援する空自の空中給油機の配備にあります。それは、戦争の準備の一環です。わたしたちは、このような戦争の準備とそれによる基地の強化に反対します。

浜松基地周辺の市街地化はすすみ、これ以上の騒音の増加は、市民の生活権を侵害するものになります。基地機能の拡張ではなく、その縮小にむけて政策がなされるべきでしょう。

そもそも、日本国憲法第9条には、陸海空軍その他の戦力はこれを保持しない、国の交戦権はこれを認めないとしています。空中給油機やAWACSの撤去だけでなく、自衛隊自体も軍事的組織から災害救援組織に改編すべきです。

わたしたちは、憲法第9条の理念をふまえ、東アジアの軍事によらない平和を求め、沖縄・岩国での基地の強化や美保基地への空中給油機の配備などの軍拡に反対し、美保基地から浜松基地への教育隊の移転に反対します。

要請項目

日本政府首相、防衛大臣は、空自浜松基地への美保基地からの教育隊移転を中止すること。また、美保基地への空中給油機配備を中止し、沖縄や岩国など在日米軍基地の強化を中止すること。

浜松基地司令は、浜松基地への美保からの教育隊の移転に反対の意志を表明すること。