5・28嬉野京子講演「沖縄はいま、50年の取材から」

 

 2017528日、コミュニティカフェPaoで嬉野京子講演「沖縄はいま、50年の取材から」がもたれ、40人が参加した。

嬉野京子さんは、20代の頃、1960年代後半に沖縄を取材し、米軍統治下での事故や演習、沖縄の人々の運動を撮影し、1990年代後半からはアレンネルソンの活動を支援した。77歳のいまも沖縄に行って撮影し、2015年「戦場が見える島 沖縄 50年の取材から」を出版した。

嬉野さんは講演ではじめに、アレンネルソンについて話し、東京の自宅をアレンが活動拠点にしたこと、戦場で心を破壊されたアレンの苦闘の歴史などにふれた。

また、1965年に初めて沖縄を取材し、やんばるの米軍訓練場をみたこと、復帰行進に参加した際、6歳の子どもが米軍車両に轢き殺された事件の遭遇し、撮影したことなど話した。 

さらに1967年の伊江島の土地闘争を取材した際に、米軍基地内に連行され、「生殺与奪の権利を米軍が有する」と脅されたこと、米兵への暴行罪の冤罪を着せられたことなど話した。

そして、沖縄での、海兵隊の新基地反対運動での「てーげー」なしぶとい抵抗を紹介し、人間を殺人マシンと仕立てあげる現在のありようを批判した。

講演によって、ベトナム戦争の時代の1960年代の沖縄の民衆の状況、自己回復にむけてのベトナム帰還兵の苦闘、現在の沖縄での新基地反対運動について思いを馳せることができた。

米軍統治から復帰による日米の統治へ、いまも涙の歴史である。けれどもそこには人間愛があり、そこから新たな歴史にむけての闘いが始まっている。その歴史の形成の動きに、この地から呼応したい。