T400防衛省説明会「第41教育飛行隊の移動について」(小池会館)

 

2018年3月1日、浜松市小池町の小池会館で防衛省によるT400部隊移転の説明会があった。小池町は基地滑走路東方の約5キロの地点である。
 出席は住民側が約30名。防衛省・浜松市側が10数名。約30分の防衛省側からの資料を使った「移動」の説明、およびこの間起きた自衛隊へり墜落事故(浜松・佐賀)についての説明の後質疑。約10名の住民が発言。そのほとんどが「移動」に反対の内容で、賛成意見は一つも出なかった。
 以下、主な質問・意見の概略と担当者の回答。

住民:部隊の移動は既に決まったことか?防:説明会を通じて理解していただきたい。
浜松市市民生活課:説明会での意見を取りまとめ(今年5月頃市長が)防衛省に申し入れる。

・住:訓練回数、騒音が増えるので移動は反対。

・住:訓練域は遠州灘沖というが、基地と遠州灘との往復だけでなく、住宅地である上島の上でUターンすることもある。市の上空も訓練域になっている。防衛省:訓練機の飛行ルート(パターン)によってはそのようなこともある。

・住:美保基地、岩国基地の機能の変更に伴う今回の移動ではないのか?浜松が戦争の枠組みの中に組み込まれていくのではないか?
防:教育のメッカである浜松で「より質の高い教育」ができるようにするための移動。所謂「玉突き」ではない。

・住:移動に反対。住民の意見を把握するために、世帯毎の意見のすいあげや住民投票などもできるのではないか?なお、この「説明会」の案内(回覧)には「やや大きい」「やや静か」などわざとぼかした表現を使っているのではないか? 
防:特に情報を隠したりはしていない。

・住:住民の声を反映させるメカニズムをつくってほしい。
市:ご意見として伺っておく。説明会で出た意見を集約して市長に報告する。議会で議決する性質のものではないだろう。

・住:浜松基地の航空機の離着陸回数は現行2100回ということだが、浜松基地ではAWACSや救援機もある。それらの離着陸回数は?
防:それらすべてを含めて2100回。

・住:訓練は夜間も行うのか?
防:現在は夜間もやっている。41教育飛行隊の夜間訓練については検討中。


 防衛省の説明の特徴は、部隊が移動してくれば離着陸回数が3割増えるができるだけその回数を少なくするよう「検討」する。離着陸時の騒音はそんなにひどいものではなく「犬の鳴き声」程度。訓練機は安全。有事だけでなく災害救援など平時にも任務にあたるので訓練は必要。浜松は最適な場所、というもの。

このような説明に納得できる住民はいないだろう。「賛成」の声を挙げた住民はいなかった。市の職員は、説明会で出た意見を市長に報告し、市長は今年の5月(?)に防衛省に申し入れる、としている。2年後の「移動計画」に向けて今が重要な時だ。説明会への抗議行動とともに市への働きかけが求められている。(I)