2・10「水道民営化は誰のため」集会

 2019年2月10日、浜松市内で「水道民営化は誰のため」集会がもたれ、尾林芳匡弁護士が「水道の民営化を考える」という題で講演した。集会は浜松市の水道民営化を考える市民ネットワークが主催し、90人が参加した。
 尾林弁護士は、自治体での外注化の問題、PFIの失敗例を挙げ、水道民営化のねらい、2018年水道法改正の問題点などを示した。そして、浜松での下水道コンセッション契約書の問題点をあげ、公共サービスの充実を呼びかけた。
 

講演のなかで、印象に残ったものを以下、あげる。
●浜松市では先行して下水道でコンセッションが始まった。公共の下水道を利用し、物的・人的経費がどれくらいか、利益配当や役員報酬がどれくらいか、関連企業にどれくらいの仕事が入ったのか、資料を示すべき。情報公開すべきことがらである。
●多国籍企業は、関連会社にさまざまな名目で経費をつくり、課税逃れをする。のれんをかして、下請けに丸投げをする。浜松ではどうか。
●儲かるから、コンセッションをおこなう。生存に必要な水の設備更新が自治体でできないのなら国が責任をもてばいい。民営にすることはない。
●公共事業が落ち込むなかで、上下水道への投資については需要がある。そこに企業は目を付けて収益のターゲットにしている。これが本質である。
●水道法改正では新潟県議会では反対の意見書が通過し、TVも特集した。住民も目覚めた。
●浜松市の下水道の契約書をみると、任意事業ができる、委託請負ができる、故意や過失を理由に市に負担させる、セルフモニタリングの検証、議会のコントロールができない、運営権の担保設定がなされる、情報への秘密保持義務、反対運動や訴訟の際の市の負担、経営状態の開示なき料金値上げの危険などの問題がある。
●市民運動がこのような問題のある契約書を見直させる。下水道という公共サービスでの秘密をなくし、情報公開させる必要がある。
●公共サービスの充実には、専門性、人権保障、実質的平等性、民主性、安定性が必要である。
 
 集会後、浜松駅まで、水道民営化反対を呼びかけ、40人ほどでデモをおこなった。