2・11思想と信教の自由を守る静岡県西部集会・鶴田敦子講演
2019年2月11日、鶴田敦子さんを講師に集会がもたれ、90人が参加した。鶴田さんは「歴史の進歩に逆行する道徳の教科化」の題で話した。
鶴田さんははじめに、明治政府が神社局で政教一体の国家神道をすすめ、宗教局で形式的な政教分離をとった歴史について話し、戦前の教育では国体に反しない限りでの自由があったことを示した。また、戦後、紀元節が建国記念の日として復活したのは戦後政治のリーダーが戦前と決別していなかったためと語った。続いて、現在道徳の教科化がすすみ、幼稚園で忍耐力や自己抑制が重視されていることを示した。さらに高校での「公共」では、権利保障と権利行使をみることなく、公助などが強調されている実態を批判した。そして、道徳の教科化によって、国家が個人の内面に介入してその自由を侵害していく状況が問題であるとした。
鶴田さんは、この道徳の教科化と日本会議との関係について指摘し、日本の感性を育む教育を語り、教育基本法を改悪し、教育への不当な支配がすすんでいる状況を批判した。そして、新自由主義と復古的保守主義の共通点が、人を人として見ないという点にあることを指摘し、人間は企業や国家のための材料ではなく、個人として尊重されるべきであるとし、自らの世界を読み取り、歴史をつづっていく学習権が大切にされるべきとした。
集会後、浜松駅まで、「思想と信教、自由を守れ}「元号いらない」「即位の儀式に税金使うな」「天皇賛美は人権侵害」などのコールをあげながら、歩いた。デモには30人ほどが参加した。