6.14「放射線副読本」(再改訂版)の回収を求める要請行動

2019年6月14日、浜松市教委に対し、「放射線副読本」(再改訂版)の回収を求める要請をおこなった。6人が参加。市教委は、政府の指示には従うという姿勢であり、独自に判断する意思を示さなかった。右向け右の体質である。事故の深刻さが隠され、放射線は安全ですの宣伝がなされる。リスクコミュニケーションの名で、真相が隠されている。



浜松市教育長様                       2019年6月14

 

                     原発再稼働反対!浜松金曜行動有志

 

「放射線副読本」(再改訂版)の回収を求める要請書

 

 201810月、政府は小学校・中学校・高校向けに「放射線副読本」(再改訂版)を配布し、浜松の学校でも配布された。この冊子には、以下のような問題点がある。

 

1 福島原発事故について、燃料棒が溶けたことは記すものの、1から4号機までの事故の実態、炉心溶融の経過、帰還困難地域の存在を示す具体的な説明はなく、深刻な事故であったことがわからない。汚染水の現状についての記載もない。

2 事故を起こした東京電力や原子力を推進してきた政府の責任、その事故による環境破壊、人権侵害については全く触れずに、福島へのいじめだけを被害とみなす記述である。

3 検査を受けた人はみな健康への影響が及ぶ数値ではないと記し、放射線による被害がないかのように記している。生活習慣でのリスクと原発事故での放射線被曝を同列に扱っている。被曝自体に健康へのリスクがあることを示さない。

4 飛散した放射性物質をチェルノブイリの7分の1と過小評価している。プルトニウムやストロンチウムも飛散し、その半減期は長く、人体に影響を与えることが記されていない。除染や線量低下を示すことで、福島の放射線量を他都市と同水準とみなし、また風評と表現することで、いまもなお深刻な汚染があることを隠している。

5 食品安全基準についてEUやアメリカの緊急時の基準と日本の今の基準を比べ、日本が世界で最も厳しい条件と記している。たとえば、飲料水ではEUは通常時セシウム8.7ベクレルであるが、緊急時の1000ベクレルを記載し、日本が10ベクレルであり、日本の方が厳しいとする。

6 避難する権利を認めることなく、汚染の実態を隠して安全を宣伝し、避難することを否定的にとらえる記述である。避難者が減ったと記しているが、子どもを持つ若い層の帰還が少ないことは記されていない。

 

以上のように、この冊子は、原発事故を過小評価し、事故による放射線被害はないかのような記述となっている。それは現実とはかけ離れたものであり、子どもたちに誤った認識を与えかねないものである。このような冊子については、回収を要請する。

 

                原発再稼働反対!浜松金曜行動有志