11・24「今こそ過去に誠実に向き合うとき 強制動員被害者に人権回復を」集会
2019年11月24日、東京で「今こそ過去に誠実に向き合うとき 強制動員被害者に人権回復を」と題する集会が、もたれ、130人が参加した。
集会では、吉澤文寿、川上詩朗、大口昭彦、高橋信の各氏が、徴用工問題の解決にむけての問題提起をおこない、討論がなされた。
集会では以下の意見が出された。
政治が解決しようとしない人権の回復をおこなうのが、司法の役割である。韓国大法院判決により日本企業による強制動員が反人道的不法行為であることが認定された。しかし、日本政府は「旧朝鮮半島出身労働者の問題」として強制性を否定している。安倍政府の介入に問題があり、それが嫌韓を煽っている。日本政府と企業にこそ責任がある。謝罪、賠償、次世代への継承は欠かせない。企業側は実現可能な解決策、会社の発展につながるといった案ならば、和解に応じる可能性がある。
外務省は請求権交渉で自分の都合のいい文書のみをHPで公開している。経済協力による資金とは韓国に現金を支払うものではなく、現金は日本企業に支払われた。日韓市民による日韓条約文書公開運動による成果を確認すべきだ。日韓請求権協定での解決には、慰謝料請求権は含まれていない。
被害者が受け入れる内容であり、かつ国際人権法の保障基準を満たすものでなければ、真の解決ではない。裁判を受ける権利は否定できない。国家間の問題ではなく、被害者視点でこの問題をとらえ直すべきである。
日韓関係が本当に最悪なのかを問うべきである。判決を韓国の民主化の運動の成果としてみるべきである。過去の清算をすすめ、日本人の良心を示すときだ。日韓市民の共同行動が必要である。
このように集会では、現状の分析と今後の活動にむけての視点や課題が示された。集会資料の吉澤論文(「日韓・日朝関係をどう解きほぐすか」・「世界」2019年11月号)にあるように、村山内閣は過去の植民地支配の認識を「合法・不当」としたが、安倍政権はその認識を「合法・正当」へと変えた。
過去の清算のためには、日本政府と日本社会が植民地支配と強制動員を「不法・不当」と認識することが欠かせない。 (t)