12.14 永田浩三講演『メディアと私たち』・磐田

 

 2019年12月14日、磐田市豊田町で「いわた平和のつどい」がもたれ、永田浩三さんが『メディアと私たち』の題で講演した。永田さんはNHKで「クローズアップ現代」や「NHKスペシャル」のプロデューサーだったが、安倍晋三らの「ETV2001」(女性国際戦犯法廷番組)への介入を受けてNHKを退職。その後、武蔵大学教授となり、地域で「表現の不自由展」を開催してきた。

 永田さんははじめに、母が広島の爆心800メートルで被爆したこと、安倍と同じの1954年生まれであることを紹介し、現場にたつことや眠ったままの資料を探し出すことの重要性を示した。

講演では、第4次安倍政権の問題点として、即位の礼での安倍の万歳や大騒ぎ、法相や産業相の辞任、日韓関係の悪化とメディアの韓国ヘイト、桜をみる会の私物化などをあげた。また、NHKへの安倍政権の介入や報道内容の問題点について、かんぽ不正問題、朝鮮情勢などをあげて具体的に示し、経営と編集の分離の視点の重要性を話した。さらに安倍晋三が1993年に国会議員となった後の教科書攻撃や放送などメディアへの介入の動きを話した。

 永田さんはこのような状況でメディアがどのように闘うのかについても話し、「ペンタゴンペーパーズ」(アメリカ)や「共犯者」(韓国)などの抵抗の事例を挙げた。そして、「表現の不自由展・その後」の中止と再会をめぐる経過を話し、「平和の少女像」の前での会話や気づきについて語った。最後に、芸術とは少数派の小さな声であり、カナリアのような存在であるが、それが一本のマッチとなり、その明かりが周辺の闇の深さを教えてくれるものと評価し、歴史が民衆の力で動くことをふまえ、市民の支援と連帯を呼びかけた。 (T)