名古屋三菱・朝鮮女子勤労挺身隊訴訟 金曜行動500回行動
2020年1月17日、名古屋三菱・朝鮮女子勤労挺身隊動員被害の解決をめざす金曜行動が500回めを迎えた。
朝、8時30分、東京霞が関の外務省前に「三菱重工は元挺身隊員280余名に未払い賃金を支払え、74年間放置したことに対しても謝罪と賠償せよ、韓国大法院判決に従い、原告に1200万円を支払え」などと記された横断幕を掲げ、60人余りが集まった。
集会では、はじめに名古屋三菱訴訟を支援する会が行動を提起し、三菱長崎と三菱広島の訴訟の会、不二越訴訟の会、日韓共同行動、真相究明ネットワーク、過去清算共同行動などが連帯の挨拶をおこなった。この日の行動には韓国の光州から市民の会の20人も参加し、原告の梁錦徳さんが「アベは謝罪せよ」と声をあげた。
参加者は日本政府による強制労働の否認と訴訟解決への妨害に抗議し、日本政府自身が責任をとり、問題解決に向けて協議すべきと訴えた。日本政府に対する要請書は、日本政府による強制動員の事実の認定と謝罪、その歴史の後世への継承、そして、個人請求権の存在をふまえ日本企業と被害者間の協議を妨害せず、その合意を尊重することを求めるものである。
10時30分には、丸の内の三菱重工業本社前に集まり、三菱は判決を履行せよ!謝罪・賠償せよ!とアピールした。長崎、広島、名古屋、東京などの支援者の発言の後。韓国のグウォンさんが「ニムの行進曲」、原田義雄さんが「フライデーレポート」を歌った。
この日、三菱は9年半ぶりに原告と会い、直接、要請書を受け取った。その席で、原告の梁さんは一刻も早い解決を求め、「何もしないなら、私の涙は川となり、その川に船を浮かべ、世界に怒りを発信する。生きているうちに謝罪と賠償を」と語った。支援の会も「企業は100年続く、判決をふまえ恥ずかしくない対応が求められる。協議を再開して解決を」と呼びかけた。
要請書は、名古屋、広島などの三菱訴訟の弁護団と支援する会の計8団体によるものであり、名古屋と広島の動員被害者の尊厳回復のために、判決をふまえて被害者側との協議を再開することを求めるものである。要請書では、三菱による大法院判決以後の判決否認と対話の拒否が日韓関係悪化の原因であり、日本政府による妨害に屈せずに人権回復をすすめることが大切である、人権回復という普遍的価値に反することを続ければ、三菱は市場で安定した地位を得られないとし、協議への参加を呼びかけた。
この日の夜には、金曜行動500回特別集会がもたれ、100人が参加した。集会では、名古屋三菱訴訟の弁護団と支援する会から、名古屋訴訟の経過、2007年からの金曜行動、韓国光州での勤労挺身隊ハルモニと共にする市民の会の結成と支援条例の制定、韓国大法院判決後の活動などが話された。三菱名古屋訴訟の経過をまとめた映像も紹介された。
続いて韓国の市民の会、強制動員と過去清算のための共同行動からの連帯の挨拶がなされた。最後に「心配しないであなた」などが歌われ、安倍政府による歴史の歪曲に屈せず、企業を和解協議に応じさせ、この問題解決に向けて力を合わせていくことを誓った。
(竹)