8・22栗原俊雄浜松講演

 2020年8月22日、浜松市内で毎日文化サロンがもたれ、毎日新聞の栗原俊雄記者が「常夏記者がみた「未完の戦争」」の題で講演した。
 栗原さんは、75年前に終わった戦争は実は未完であると考えているとし、240万人の戦没者の遺骨のうち、100万体が未収用であり、その実態を硫黄島での4回の取材体験をもとに説明した。硫黄島では日本軍2万人が戦死したが、遺骨収容がすすむが、半数が未回収である。戦後、遺骨収集は進まず、木が遺体の養分を吸収して成長している。
 栗原さんは、このような未回収の遺骨の現実、すなわちこの国の冷酷と無責任の現実をふまえ、「戦争は未完である」とみなすべきとし、「戦争はむごく2度としてはいけないというまとめる8月報道でいいのか」、「戦争での尊い犠牲のうえに今日の平和と繁栄があるという主張には無批判に賛成できない」と講演参加者に、思いを語った。
 戦争を未回収の遺骨の側から見つめ、その戦争の責任の追及の大切さを示す講演だった。 (T)