東富士「104訓練」に抗議、監視・要請

  横田や沖縄のオスプレイが静岡県に頻繁に飛来するようになった。今年は木更津へのオスプレイ配備というゆゆしき事態ももちあがった。静岡沖縄を語る会では、地位協定の問題は沖縄だけの問題ではないという強い危機意識をもって人々に働きかけ、本年3月18日静岡県議会において「日米地位協定見直し意見書」を全会一致で採択するという快挙を実現した。

104訓練」への監視行動参加もそのような危機意識のもとにおこなわれた。日米安保のもと米軍に都合のいい地位協定はあるが、勝手にはさせない。演習場内地権者、入会権利者など約4500人で組織する「東富士演習場地域農民再建連盟」が結んだ使用協定をしっかり守らせる必要がある。砲弾の種類や数を経験によって培われた方法によって明らかにし、記録してゆく。これは榴弾砲、これは白リン弾、といった具合に…。米軍に混じって時折発せられる戦車砲の音が、また凄まじい! 現場は戦場さながらの雰囲気で、命が縮まる思いがした。戦争のリアルを体感する意味でも、一度は体験するといいと思った。わたしたちはごく部分的にしか応援にゆけなかったが、現地の人たちは期間中ローテーションを組みながら、24時間体制で監視を続けた。

東富士演習場での17巡目の今回の「104訓練」は、1019日から連続10日間、28日までおこなわれた。今年は新型コロナウイルス感染拡大により4-6月期の北富士、7-9月期の矢臼別での「104訓練」が延期、中止したにもかかわらず、地元も懸念している中、強行された。それもこれまでの最大規模兵員500名、車両120両、榴弾砲12門というものだった。砲撃総数は1845(うち、白燐弾91)で、近年6回で一番多いが、実際はそれ以上の弾数を予定していたようだ。

今回、車両の移動の中にHIMARS(高機動ロケット砲システム)のような事前の説明もない火器が2台含まれていた。今後の「104訓練」が変わる兆しなのか? 警戒を強める必要がある。また、自衛隊は監視場所の前の畑岡射場で戦車砲と機関銃の訓練を連日行い、同じ着弾地に榴弾砲を撃ち、夜間は照明弾も撃っていた。これまで米軍と自衛隊は射撃訓練の時間をずらしていたが、今回は同時に訓練が行われた。まるで「日米共同訓練」のようだ。さらに、自衛隊の榴弾砲射撃訓練は演習通報では迫撃砲となっていた。その後訂正もないので協定違反だ。これらは厳重に正されねばならない! 監視行動がなければ、米軍はやりたい放題であろう。これら監視行動が、協定違反への抑止力となっていることは明らかだ。今後とも現地監視行動を応援してゆきたい。

東富士演習場を主管しているのは自衛隊富士学校とのことだった。私たちは別途、「東富士での『104訓練』中止を求める要請書」を「富士を撃つな!実行委員会」との連名で須走にある富士学校あて提出した。
                                                                            静岡・沖縄を語る会(Y)

USA大統領様                    20201019

日本国首相様

防衛大臣様                   富士を撃つな!実行委員会

                        静岡・沖縄を語る会

 

   東富士での沖縄104訓練の中止を求める要請書

 

 20201019日から30日にかけて、米軍は東富士演習場で沖縄県道104号線越え実弾射撃訓練の本土分散訓練(104訓練)を始めました。この訓練は今回で17回めとなり、人員約500人、車両約120台、155ミリ榴弾砲12門の大隊規模のものです。わたしたちはこの訓練の中止を強く求めます。

 米軍は沖縄や岩国など各地で、軍事基地強化をすすめ、辺野古では新基地建設を強行してします。オスプレイを米軍横田基地にも配備し、自衛隊への配備もすすめています。これまで、沖縄での負担軽減を口実に104訓練をすすめてきました。しかしそれは、日本全土の訓練場化をねらうものであり、米軍のグローバルな展開のための訓練の一環でした。

この104訓練をおこなうことで、米軍は民間輸送機関を動員し、夜間訓練を増加させ、訓練規模を拡大し、日米の軍事的共同をすすめてきたのです。今回は1010日から14日にかけてハワイアン航空のチャーター便で横田基地に移動し、御殿場へと兵員を輸送しています。榴弾砲の訓練時間は朝7時から夜10時までとされ、その音は市民の生活に影響を与え、環境を汚染するものです。

また、日米は日米の防衛協力指針(ガイドライン)を改訂し、日米のグローバルな軍事展開をねらっています。そのなかで、日本政府は戦争法を制定し、日本国憲法9条を改悪することで、米軍との軍事的共同をすすめています。さらに、小型空母を建造し、F35を大量配備し、攻撃用ミサイルの購入をすすめるなど「敵基地攻撃」のできる軍備を増強しています。

今年度はコロナ禍のため104訓練を中止してきましたが、東富士での訓練は今年初めてのものになります。米軍は日本による検疫なしで、入国しています。そのような米軍による感染拡大も起きています。コロナ禍は防衛の名の軍拡ではなく、国際協力による防疫こそ必要なものであることを教えています。南北首脳会談、米朝首脳会談にみられるように、戦争を終わらせ、平和を創造する取り組みもすすんでいます。日本各地でも軍拡と憲法改悪に対抗する動きがあります。

わたしたちもそのような平和を求める動きとともに、「富士を撃つな!」「安倍9条改憲反対!」「東アジアの平和を!」の声をあげ、東富士での沖縄104訓練の中止を要請します。

 

 

 

静岡県知事様                     20201019

                                                         富士を撃つな!実行委員会

静岡・沖縄を語る会

 

県知事が東富士での沖縄104訓練に反対の意思表示をおこなうことを求める要請書

 

20201019日から30日にかけて、米軍は東富士演習場で沖縄県道104号線越え実弾射撃訓練の本土分散訓練(104訓練)を始めました。この訓練は今回で17回めとなり、人員約500人、車両約120台、155ミリ榴弾砲12門の大隊規模のものです。わたしたちはこの訓練の中止を強く求めます。

 米軍は沖縄や岩国など各地で、軍事基地強化をすすめ、辺野古では新基地建設を強行してします。オスプレイを米軍横田基地にも配備し、自衛隊への配備もすすめています。これまで、沖縄での負担軽減を口実に104訓練をすすめてきました。しかしそれは、日本全土の訓練場化をすすめるものであり、米軍のグローバルな展開のための訓練の一環でした。

この104訓練をおこなうことで、米軍は民間輸送機関を動員し、夜間訓練を増加させ、訓練規模を拡大し、日米の軍事的共同をすすめてきたのです。今回は1010日から14日にかけてハワイアン航空のチャーター便で横田に移動し、御殿場へと兵員を輸送しています。榴弾砲の訓練時間は7時から夜10時までとされ、その音は市民の生活に影響を与え、環境を汚染するものです。

また、日米は日米の防衛協力指針(ガイドライン)を改訂し、日米のグローバルな軍事展開をねらっています。そのなかで、日本政府は戦争法を制定し、日本国憲法9条を改悪することで、米軍との軍事的共同をすすめています。さらに小型空母を建造し、F35を大量配備し、攻撃用ミサイルの購入をすすめるなど「敵基地攻撃」のできる軍備を増強しています。

今年度はコロナ禍のため104訓練は中止されてきましたが、東富士での訓練は今年初めてのものになります。米軍は日本による検疫なしで、入国しています。そのような米軍による感染拡大も起きています。コロナ禍は防衛の名の軍拡ではなく、国際協力による防疫こそ必要なものであることを教えています。

静岡県は「キャンプ富士」の全面返還を求めてきました。富士山は世界遺産です。オスプレイの飛行や104訓練などの米海兵隊によるグローバルな戦争の訓練は中止すべきです。

20164月、県知事はオスプレイへの体験搭乗を断りました。その判断を支持します。さらに県知事は、東富士での沖縄104訓練に反対の意思表示をおこなうべきです。

以上、要請します。