2・14佐野通夫静岡講演「消えた「日の丸」事件」

ソン・キジョン（孫基禎）さんは《日本の》金メダリストか!?

2021年２月14日（日）、静岡市のあざれあ会館において【戦後講座】戦後76年／２・14「『天皇誕生日』を考える」集会がおこなわれた。「祝日法」によって天皇の誕生日を「国民こぞって祝」うことを強制されたのは２月23日であるが静岡県はこの日をつとに「富士山の日」と定め宮廷歌人山部赤人よろしく皇室の権威を霊峰富士になぞらえる準備をしていた。代替わりを誰よりも楽しみにしていた者に静岡県知事川勝平太がいるのだ。

主催者挨拶のあと、植民地教育の専門家・佐野通夫さんの講演がおこなわれた。以下は、その要旨である。

　1926年ベルリン・オリンピックのマラソン競技で植民地朝鮮のソン・キジョンさんが優勝したが、それを報じた東亜日報の写真からはソンさんの胸の「日の丸」が消えていた。東亜日報は無期限発行停止処分、関係者５人は40日以上拘束され拷問された。ソンさんは空港でサーベルを持った警官たちに迎えられ以後「再び陸上をやらないこと、人の集まりに顔を出さないこと」を誓わされた。

戦後、韓国政府はソンさんの国籍を韓国に戻すよう何度も要求するがＪＯＣは未だにこれを拒否し続けている。東京オリンピックに貫かれているこの植民地主義は未だ克服されることなく、韓国徴用工裁判や軍隊慰安婦裁判に引き継がれている。

教育問題として顕著なのは、朝鮮学校の補助金問題や幼保・高校無償化除外問題である。政府は在日朝鮮人の学習権、平等権、人格権を無視して、子どもたちを政治的・外交的な制裁の対象としているが、国連の人権擁護委員会の勧告にもみられるように、これは明らかな人権侵害であり、差別である。天皇制国家の「植民地主義」を克服するさらなる闘いが必要である‼　　　　　　　　　（天皇制を考える会：静岡　Y　）