浜松市の「スーパーシティ法」 区域指定応募に抗議!


浜松市長 鈴木康友様
2021 年 4 月16日

抗 議 声 明

2021 年 4 月 16 日、浜松市は「改正国家戦略特別区域法(スーパーシティ法)」に基づく 区域指定(既存都市型)に応募しました。私たちは、これまで、スーパーシティ構想がもた らす地方自治への影響についての懸念を表明し、浜松市に対して複数回の「公開質問状」や 「要請書」を通して市民への丁寧な説明と、拙速な応募を控えるよう求めてきました。
また、浜松市がこれまで進めてきた「デジタル・スマートシティ構想」は「特別区域に指 定されること」で、「スーパーシティ構想」に衣替えするのではないか という私たちの指 摘に対し、浜松市は回答をはぐらかし続けてきました。
そして、2021 年 1 月 6 日、何ら説明のないまま突然、事業者候補の募集が開始され、そ の後開催されたシンポジウム(2 月 23 日)で、初めて「スーパーシティ」という言葉が使 われました。でも、市民全体に知らせたのは、3月初旬に配布された「広報はままつ」3 月 号で4ページの簡単な説明だけでした。
「スーパーシティの特別区域指定」応募は、地方自治体にとって重大な行政方針の決定にも かかわらず、紙面には特区としての規制緩和や「官民データ連携基盤」、「区域会議」など 重要事項の説明は、ほとんどありませんでした。しかも、それは「スーパーシティについて」 の意見公募の締め切り(3 月 12 日)の直前のことでもありました。
昨年の 5 月 27 日に参議院で可決成立した「改正国家戦略特別区域法」は 15 項目の付帯 決議がつけられ、そのなかで市民への情報公開を徹底して、公平性や透明性を確保するよう 求めています。浜松市のスーパーシティの区域指定に向けた一連の経過は「改正国家戦略特 別区域法」の審議経過や付帯決議を尊重したものとは、到底言えません。
現在、国会では「デジタル改革関連 5 法案」が衆議院で可決され、参議院で審議されてい ます。この法案が成立することで、この国は「デジタル監視社会」へと急速に変貌する入口 に立ちます。また私たちの浜松市は、スーパーシティ「国家戦略特区」に指定されることで、 「デジタル監視社会」の実験場となります。
国と自治体が個人情報を持つ時、デジタル技術が国民生活に利便性をもたらすには、個人 情報がどう管理・利活用されているのかを知り、意思に反する利活用を拒否する権利や、プ ライバシー権の保障が必要です。しかし、「デジタル改革関連 5 法案」には、このような最 も大切な個人情報保護の基本方針が欠落しています。
私たちは、モルモットではありません。私たちは「デジタル監視社会」推進のモルモット になることを拒否します。私たちは、生きている人間です。浜松市で生活する一人ひとりの 市民として、私たちは尊厳ある暮らしを求め、それを尊重しない浜松市に対し、今後も怒り をもって声をあげ続けます。

スーパーシティを考える会