陸自10万人実働訓練と浜松基地での陸自防護訓練の中止を求める要請行動
2021年9月に入り、浜松基地で陸自の基地防衛演習がなされ、28年ぶりの陸自の10万人を動員しての軍事訓練の一環であること側勝った。その訓練は台湾有事を想定してのものであり、陸海空を統合し、米軍の支援もうけ、民間の輸送をも動員するものだった。浜松基地には機動戦闘車(戦車)も配備するというものであり、平和を求める市民を敵と想定するものとなる。以下の要請を出した際にも、基地内に入り込む市民を拘束する訓練がなされていた。
10・3基地への要請 防護ネットと盾を持っての訓練
日本国首相様 防衛大臣様 2021年10月3日
空自浜松基地司令様 隊員の皆様 人権平和・浜松
NO!AWACSの会・浜松
陸自10万人実働訓練と浜松基地での陸自防護訓練の中止を求める要請書
陸上自衛隊の全部隊による10万人を動員しての大規模な実動訓練が9月半ばから11月下旬にかけて行われています。それに伴い、施設防護の名目で、空自浜松基地に陸自隊員400人が集結し、戦車3両を含む車両80台、中型ヘリ1台を利用し、基地周辺を車両で巡回しつつ、銃や化学物質を使っての訓練を始めようとしています。この浜松基地での訓練は10月3日から11日とのことです。わたしたちはこのような訓練の中止を求めます。
日本政府は2014年の集団的自衛権の閣議決定による容認、2015年の日米防衛協力指針の再改定と安保法の制定などにみられるように、米軍と共にグローバルに展開し、米軍を後方支援するという態勢を強化してきました。また、中国を仮想敵とみなし、台湾有事を想定し、南西諸島での軍備拡大をすすめてきました。
今回の陸自の2か月間の全国展開による実動訓練は、再改定された日米防衛協力指針と安保法の下でおこなわれるものです。この訓練と同時に、台湾でも軍事訓練がなされ、両訓練は米軍と協働する中でおこなわれます。この実働訓練は台湾有事を想定したものです。
このような全国動員による訓練は28年ぶりのものであり、全国160か所の軍事基地でなされ、陸海空を統合し、予備自衛官も動員し、民間の輸送も利用するものです。浜松基地では施設防護の訓練をすると言いますが、戦時になれば、戦争に反対したり、中国との友好を語る市民の行動が、監視の対象となります。陸自の銃口と化学物質はそのような市民に向けられることになります。防護訓練とは市民に銃口を向けることになる治安訓練なのです。
わたしたちはこのような実戦を想定しての実働訓練は必要ないと考えます。それよりもコロナ対策用に、これらの人員を配置すべきです。
日本国憲法には平和的生存権が記され、憲法9条には戦力不保持と交戦権否認が記されています。また、憲法11条には基本的人権が明記され、13条には個人の尊重が記されています。今回の訓練はこのような憲法の理念に反するものです。
台湾有事を想定し、それにともない基地防護を行うという実動訓練は、戦争準備であり、そのための治安訓練であると考えます。それは、市民の平和的生存、戦争放棄、国際協調の理想に反するものであり、基本的人権を侵害するものになります。基地防衛の名により、戦車やヘリを配備し、ガスなどの化学物質で脅迫し、市民に銃口を向けることなどあってはなりません。
アフガンの情勢にみられるように、アメリカはアジア人同士を殺し合わせて、アジアでの支配を試みてきました。台湾有事では南西諸島での戦闘を想定し、アメリカに直接的な被害が及ばないような戦略をとっています。しかし、そのようなアメリカの戦略に付き合う必要はありません。日本は独自の平和外交に徹するべきなのです。
以上のような見地から、わたしたちは主権者市民として今回の陸自10万人実働訓練と浜松基地での陸自防護訓練の中止を求めます。浜松を再び戦争の拠点としてはなりません。
自衛隊員の皆さん、施設防護の名で、あなたは市民に銃口を向けるのですか。私たちは憲法9条と戦争に反対する人権・平和の活動が皆さんの生命を守っていると考えます。