派遣業増加と労働者相談の増加

 2021年11月27日、遠州連帯ユニオンの第18回定期大会が開催された。労働相談では派遣業者のもとでの外国人労働者からの相談が多い。静岡県内の派遣業者は1100社に及ぶという。新自由主義のもとでの規制緩和により、労働者の保護の規制も緩和され、2004年に製造業への派遣が認可されて、約15年。現状は改善されずに悪化するばかりだ。以下は、外国人派遣労働の実態の一部だ。


● 労災にあって退職を強制された。労災申請を行い認定されたが、会社側は国が認め手も、会社の把握している事実とは違うと言って話し合いを拒否する。
● 雇用期間を超えて働いていたが、新規雇用契約を求めると解雇された。労働委員会に斡旋を申し立てたところ、会社は1か月分の解決金を出した。
● 雇用契約もなく働き、妊娠したら解雇された。社会保険も切られ、雇い止めとされた。
● 育児休業を終えて、復職しようとしたら、派遣先がないと言われて、退職を迫られた。
● 切迫流産で入院したが、派遣元の会社が限度額適用申請の書類手続きをしないので、組合で書類を用意した。
● 仕事中に転倒し、左足を痛めたが、救急車も呼ばれずに、派遣元がアパートまで運び、治療はされず、放置された。働けないので生活保護の状態。
● 1か月の雇用契約で派遣され、2週間の使用期間を理由に解雇された。会社側は労働委員会のあっせんを受け入れない。
● 妊娠を会社の報告したら、重い仕事がある職場に異動させられ、その後、自宅待機となり、解雇。
● 治療のため1週間の休みを求めた。休んだ後に派遣元から別の職場に連れて行かれ、拒否すると2か月、放置された。
● 退職金を毎月の給与に含み前払いするといわれたが、支給賃金は変わらない。
● 社内で同性愛を噂され、労基署に相談、しかし改善されず、居住地周辺でも噂を流され、退職せざるを得なかった。
● 雇用契約も就業規則もない会社であり、突然、後任がいるからと解雇を通告された。

 このような、実態が改善されることなく、さらに、技能実習の名で多くの労働者が労働者としてみなされず、低賃金労働を強制されようとしている。労働相談で示される外国人の派遣労働の実態は支配者の語る「美しい国」「お持てなし」の国の本当の姿を示している。