●植民地歴史博物館での「強制動員被害者運動記録写真展」

 2024524日から721日にかけて植民地歴史博物館で「強制動員被害者運動記録写真展」が開催された。

 太平洋戦争被害者補償推進協議会が2001年に結成されて23年が経つ。この協議会の事務所は民族問題研究所に置かれるようになり、研究所が活動を支えてきた。推進協は強制動員の真相究明特別法の制定、日韓会談文書の公開請求、軍人軍属裁判の提訴、靖国合祀取消訴訟などに取り組んだ。また韓国内での日本製鉄、三菱重工業や不二越の強制動員訴訟にも取り組み、韓国大法院での勝訴という成果を得た。その活動に連帯する日本の市民がいた。

 展示会場にはこのような推進協の活動を示す写真が並んでいる。小さな写真であるが、そこには動員被害者の闘いとそれを支える日韓の市民の姿が映っている。

 主な展示写真は以下である。1994年衆議院前ハンスト、1997年金学順葬儀、1995年三菱重工広島訴訟、1997年日本製鉄訴訟、1998年郭貴勲被爆健康手帳訴訟、2002年真相究明特別法制定デモ、2003年黄錦周の叫び、2005年日韓会談文書公開要求、2005年「あんにょん、サヨナラ」映画作成、2005年韓国での日本製鉄訴訟、2006年靖国反対キャンドル行動、2006年強制動員被害者遺族の証言集会、2010年強制併合100年市民共同宣言集会、2011年合同追悼祭、2015年ドイツでのキャンペーン、2018年韓国大法院判決、2023年佐渡での遺族集会、2024年強制動員企業への抗議要請。

尊厳回復を求めた被害者ひとり一人の顔、ひとつ一つの活動の姿が見るものに歴史を語りかける。そこには、過ちを認めずに謝罪しない日本政府、獲得した被害者の権利を奪う韓国政府への抗議の声があり、被害者の尊厳回復への熱い想いと問題解決に向けた市民の共同への呼びかけがあった。(T)