72716回強制動員真相究明全国研究集会

2024727日、東京で第16回強制動員真相究明全国研究集会が開催され、オンラインを含め100人ほどが参加した。

集会は、強制動員真相究明ネットワークの20年、韓国徴用工裁判の現状と課題、強制労働の歴史否定を問う、朝鮮人遺骨問題の現状と課題のテーマで行われ、最後に全体討論がなされた。

集会では、韓国での被害者運動、過去清算共同行動、日鉄大阪訴訟、広島の三菱訴訟、名古屋の三菱訴訟、富山の不二越訴訟、群馬の追悼碑撤去問題、佐渡鉱山の世界遺産登録、長野県での強制労働調査、山口の長生炭鉱遺骨、相模湖の強制労働調査、東京の高麗博物館での展示、沖縄での追悼碑など全国各地から報告があった。

強制動員真相究明ネットワーク結成は2005年であり、それから20年が経つ。調査・研究の進展、裁判での強制動員慰謝料請求権の確定、遺骨調査や追悼碑の建設など、事実調査、被害者の尊厳回復、記憶・追悼の活動はすすんでいる。

集会でも提起されたように国際法は支配地の民衆にとっては暴力となる。日本政府はいまも、韓国併合条約とその下での戦時動員を合法、正当化している。それは植民地主義が継続していることを示す。そのような日本社会を変革することが求められる。

課題として、真相の究明、被害の尊厳回復、記憶と追悼の諸領域に数多くの課題があるが、今回の集会を起点にさらなる活動の強化が求められる。

韓国からの報告に199411月に衆議院議員会館前でのリレーハンストの写真があった。白衣には、奪われた人権を回復するために闘う!歴史的犯罪を認め謝罪せよ!謝罪と補償を実施せよ!施しの対象者ではない!1995年までに解決すべきすべての問題を終結させろ!と記され、戦争犠牲者の生死確認、遺骨の発掘と送還、遺家族の現地慰霊実施、強制連行の資料公開などと記されていた。それから30年が経つが、問題は未解決なままである。このまま放置するわけにはいかない。このような思いを再度受け止め、問題解決に向かう時である。

参加した学生は「なぜ群馬の森の追悼碑が破壊されたのか調べている。長年の努力があっても解決できないという状態が分かった」、「アーカイブを構築し、証言者と史料を照合できるようになるといい」、「強制連行の歴史を消さないようにと活動する人がたくさんいることを知った。消してはいけない!」などと感想を述べた。