7・21小泉昭夫講演「FFAS環境汚染にどう立ち向かうのか?」

2024年7月21日、浜松市内で小泉昭夫講演「FFAS環境汚染にどう立ち向かうのか?」がもたれ、オンラインを含め90人が参加した。主催は浜松PFAS汚染を考える会。

 

小泉昭夫さんはつぎのように話した。

全国各地でPFAS汚染が問題となっていますが、汚染源は、米軍基地などでの泡消火材による土壌汚染や地下水汚染(PFOS、PFHXS)、産業利用や産業廃棄物による汚染(PFOA)です。国や自治体の不作為と人権無視が汚染を広げています。PFASとはPerfluoro alkyl substancesの略で炭素とフッ素の結合エネルギーが強く分解しにくい物質です。有機フッ素化合物の総称であり、耐熱性、撥水性、紫外線耐性が強く泡消火材やコーティングなどに利用されています。

人体への影響としては抗体反応の低下、脂質異常、成長低下、腎臓がんリスクの増加などが指摘され、欧米では規制が強まっています。WHOは発がん性物質として分類しています。しかし日本の内閣府は疫学データ、発がん性、免疫毒性、発育抑制などを無視し、規制は弱いままです。これはアメリカで、スーパーファンド法でPFASが有害物質として指定され、汚染者責任追及、飲料水規制、除染強化が進む動きに反するものです。

アメリカの軍事基地では、汚染が問題になり、対策が議論されています。アメリカでは汚染した軍による基地内外の汚染の除染が行われています。日本の米軍基地でも、三沢、横田、嘉手納などでPFAS汚染が確認されています。その除染が求められます。横田基地では消火訓練施設周辺での汚染が問題になっています。浜松基地周辺でも規制値を超えるFFASが確認されています。周辺の井戸でも規制値を超えています。浜松基地の消火訓練場周辺での汚染値が高いようです。

PFASの汚染は軍事基地や産業という社会的要因によるものであり、除染が課題です。医学的対応と社会的処方が必要です。汚染源を特定し、医療でのケアが求められます。軍事基地をなくす平和への取り組みも大切です。企業など汚染者はその社会的責任を取るべきです。(以上要約)

浜松でのPFAS汚染の拡大の原因は第1に浜松基地での消火訓練によるものである。基地からの水が新川、段子川、伊佐地川、東神田川に流れているが、そこで汚染が確認されている。基地周辺での汚染実態の把握が求められる。市は調査とともにその実態を公表すべきである。また人体への汚染状況も行政の負担によって調査すべきである。汚染源が自衛隊基地なのだから、国は被害救済と除染の費用を負担すべきである。  (t)