9・26袴田巌さんに再審無罪判決!
2024年9月26日、静岡地裁は警察による「証拠の捏造を認め、袴田巌さんの無罪判決を出した。午前の傍聴券交付には500人ほどの人々が並んだ。傍聴席はマスコミが30,市民は40席しかない。
地裁前では、巌さんを激励する集会がもたれ、静岡・清水市民の会、静岡県弁護士会、日弁連、プロボクシング協会、元冤罪被害者、各地の冤罪被害者を支援する会、東京の袴田巌さんを救う会、浜松の支援団体、国民救援会などが発言した。
巌さん本人がここに来られないという悲しさ、残酷さを分かち合いたい。58年の闘いに終止符をうつとともに再審法改正の出発点とすべきである(日弁連)。再審無罪の決定とともに証拠の捏造が示されるべきであり、控訴を断念させるまで闘いを続けよう(清水静岡市民の会)。無罪を勝ち取ることを最後まで信じ、声をあげ続ける。フリーハカマタNOW!(プロボクシング協会)。冤罪が確定しても検事や刑事は謝らない、人間の気持ちがあるのか。人の痛みが分からないのだろうか(冤罪被害者)。無罪判決の喜びをえて、今後の闘いに生かしたい(冤罪支援者)。巌さんに続いて、私たちもがんばる。30歳で逮捕されから58年、47年も拘束され、再審決定から10年が過ぎた、裁判官自ら謝罪すべきだ(国民救援会)。40年の支援活動の中で巌さんの手記を出版した。真の自由を得る日まで支援する(東京・救う会)。この10年、巌さんには老いが進行した。釈放当時は一日8時間も歩いたが、この2年はドライブで過ごした。夕食のみの外出の日もあり、階段の昇降もしなくなった。蝕まれた心は今も回復していない(浜松・見守り隊)。
午後、500人近い人々の見送りのなか、弁護団とひで子さんが入廷し、14時に無罪判決が出された。2時間の判決文の読み上げののち、ひで子さんと弁護団は退廷、地裁前に「袴田巌さんに無罪判決!」「証拠ねつ造を認める」の幕が掲げられた。ひで子さんは抱きしめられ、花束を渡され、小川弁護士と共に支援者に勝訴を報告した。判決は衣類に赤みは残らないとし、5点の衣類も自白調書も端切れも捏造と判断するものだった。袴田さんを犯人とする証拠は完全に覆されたのだった。
判決後、弁護団は検察に控訴しないように申し入れた。また日弁連は控訴断念と再審法改正を訴えて市内をデモ行進した。
記者会見が「検察官は無罪判決に控訴しないでください」の幕の前でもたれた。小川弁護士は、裁判所が最初に無罪を告げ、警察と検察による捏造を認定したことを紹介した。ひで子さんは「「被告人は無罪」と聞き、その言葉が神々しく聞こえ、涙が止まらなかった。」「巌には顔色を見ながら、「無罪になったよ」と言いたい」と語った。
再審判決は5点の衣類の血痕を捜査機関がつけたものと認定した。それは警察による犯罪行為であり、巌さんが言うように「でっちあげ」だったのである。検察が犯人とする証拠はすべて否定された。警察と検察はこの裁判での主張の誤りを認め、謝罪すべきである。検察の控訴を許さず、完全無罪を勝ち取ろう!また再審法改正を進め、冤罪(権力犯罪)をなくす仕組みを作ろう! (T)