10・11三菱重工前で540回目の金曜行動、

韓国の音楽集団(ランブルアンサンブル)が演奏で解決を呼びかけ

2024年10月11日、東京の三菱重工業本社前で540回目の金曜行動が取り組まれた。戦時に三菱重工業は朝鮮人の少女を勤労挺身隊の名で強制動員した。それに対し2018年、韓国大法院は三菱重工業に元勤労挺身隊員の慰謝料請求権を認めた。しかし三菱重工業は応じていない。金曜行動は名古屋三菱朝鮮女子勤労挺身隊訴訟を支援する会により、謝罪と賠償を求めて、2007年から行われてきた。




 今回の行動には、韓国の光州の音楽集団「ランブルアンサンブル」(木の合奏団)が参加、街頭で演奏した。ランブルアンサンブルはヴァイオリン4人、チェロ、フルート、クラリネットがそれぞれ一人の7人の女性で編成、団長はヴァイオリンの金修延さんである。演奏曲はアリラン、ガブリエルのオーボエ、千の風になって、シンドラーのリスト、蛍の光、マイウェイ、金曜行動であった。ヴァイオリンの旋律にフルート、クラリネットがからみ、チェロの低音が曲を支える。金曜行動と題する演奏は困難な状況を克服してきた人びとの姿を表現するような曲調だった。

人として生まれ、楽器を手にし、その合奏を行うという関係を持ちえた人びとが、強制動員という戦争犯罪に居直る企業の門前に集まり、人類愛を願い、良心を求め、戦争被害の回復を祈って演奏した。よく知られた歌詞を持つ曲のメロディからは、死者の魂よ、安らかに。良心を呼び起こそう。私たちは困難な道でも歩み続ける。負けはしない。さあ、歩こう。灯よ、ともれ。そのようなメッセージを感じた。

ランブルアンサンブルとともに来日した日帝強制動員市民の会の李国彦さんは三菱本社前で力強く語った。「私たちの行動は万人の人びとに支えられている。1944年に幼くして動員された被害者は過酷な労働を強いられ、それから80年三菱は反省せずに放置し、2018年判決も履行していない。当該が死ねば終ると思っているかもしれないが、人びとは集まる。判決に従い、三菱は賠償すべきである。そうしなければ、三菱の財産は差し押さえられるだろう。いま、三菱の良心が問われている。」と。

ランブルアンサンブルのメンバーは今年の2月に光州で開催された名古屋の市民劇団による「鳳仙花Ⅲ」を観劇した。そこで動員被害者のハルモニ(おばあちゃん)の尊厳の回復を目指す活動を日本の市民団体が支援し、17年間に及び金曜行動を行っていることを知った。それにより、「私たちの小さな羽ばたきによって関心をもっと呼び起こすことができれば」と自費で金曜行動に参加し、音楽で活動への支持と連帯を表現しようとしたのだった。

今回の行動には広島、大阪、富山などの支援者を含む50人ほどが参加し、楽団と共に新たな出立への連帯と決意をわかちあった。(T)