3・2松本典子講演「労働者協同組合とは何か」
2025年3月2日、磐田市内で松本典子さんの講演「労働者協同組合とは何か 連帯経済を生み出す新しい働き方の可能性」がもたれ、50人ほどが参加した。主催は労働者協同組合いわたツナガル居場所ネットワーク。松本さんは磐田市在住、駒澤大学の教員であり、労働者協同組合いわたツナガル居場所ネットワークのメンバーでもある。松本さんは次のように話した。
大学では非営利組織論などを研究し、労働者協同組合の研究も始めた。25年2月に「労働者協同組合とは何か」を出版した。労働とは本来、使用価値や有用効果を生み出すためのものだが、資本主義の賃労働は利潤追求が目的である。賃労働や商品経済が当たり前になっていて疑うことが難しい。でも人間らしい生活、人間らしい労働を取りもどしたい。労働者協同組合には人間力を回復する機能があると言われている。
労働者協同組合は資本主義に対抗する自治的組織であり、地域の基盤を支えるものである。それは労働者全員で共同経営するものとなる。協同組合の例としては、スペインのバスクにはモンドラゴン協同組合がある。そこは95の協同組合、8万人の労働者、14の研究開発センターなどで構成され、37か国に生産工場を持ち、大学まである。
日本にはワーカーズコープがあり、1986年に労働者協同組合連合会に発展した。現在1万5000人の就労者数である。ワーカーズコレクティブについてみれば、1982年に横浜で最初の組織が設立された。もともと生活クラブ運動から形成されたものであり、全国組織への加盟団体の組合員は約6000人である。
日本では2020年12月に労働者協同組合法が制定され、2022年10月に施行された。それは就労の機会を創出し多様な事業が行なわれることで、持続可能な活力ある地域社会の実現をめざすものである。労働者協同組合は派遣業以外のあらゆる事業が可能であり、出資ができ、発起人は3人以上である。非営利であり、出資配当は禁止され、労働法制が適用される。労働者協同組合は社会的有用物を生産し、人間らしい労働を目指し、共有財産(コモン)を増やすものである。しかし、資本、販路、経営能力などの欠如があり、経営は難しい。専門的知識を深め、経営能力も高め、協同労働や相互扶助ができるような組織にしていくことが求められる。
講演は、このような内容であった。講演後の討論にはツナガル居場所ネットワークのメンバーや磐田市長も参加した。 (竹)