5・3浜松憲法集会 太田啓子「私たち主権者の行動が憲法にいのちを吹き込む」
2025年5月3日、浜松市内で憲法記念日の集いがもたれ、100人ほどが参加した。集会では、太田啓子弁護士が「私たち主権者の行動が憲法にいのちを吹き込む」の題で講演した。太田さんは次のように話した。
憲法カフェをやってきました。出前の市民の勉強会です。憲法とは何かへの理解が足りないと思います。護憲や改憲の議論をするにあたり、「知憲」が必要です。憲法とは主権者が国家権力に対して命令するものです。憲法の尊重義務は第99条に記されていますが、天皇や大臣、裁判官などの公務員に憲法尊重擁護の義務を課しています。
憲法違反の法律は無効です。個人の人権を保障しない法律は変えることができます。刑法での尊属殺重罰規定は変更されました。2024年の福岡高裁は憲法13条の個人の尊重・幸福追求権を根拠に同性婚差別を違憲としました。
憲法第24条は両性の合意による婚姻、両性の平等を記していますが、2005年の自民党の改憲案では家制度の視点から個人の尊厳と両性の平等が削除されていました。第9条についても戦争ができる国づくりの動きの中で改憲が狙われてきました。個人の尊重を大切にすれば、政府は戦争ができなくなります。
NHKドラマ「虎に翼」は、法の下の平等を示す第14条の読み上げから始まりました。ここでも、朝鮮の留学生差別、性的少数者差別、弁護士・裁判官登用などでの女性差別、婚外子差別などが描かれていました。番組では寅子さんに「おかしいと声をあげた人の声は決して消えない。その声がいつか誰かの力になる日に日がきっとくる。私の声だって、みんなの声だって、決して消えることはないわ」(第68回)と語らせています。集団的自衛権行使の閣議決定は邪道であり、安保法制は憲法違反です。寅子の言うように、声をあげ、おかしな法律をつくらせないこと、適切な人を政治家にする、私たちの不断の努力で自由と権利を保持することが大切です。
主権者の行動が憲法に命を吹き込みます。憲法も筋トレが必要です。 (t)