6・18浜松大空襲と平和憲法を心に刻む集会
2025年6月18日、浜松市内で浜松大空襲と平和憲法を心に刻む集会がもたれ、25人ほどが参加した。集会では、竹内康人「浜松・戦争の拠点と空襲の歴史」、水戸潔「現在の戦争準備を問う」の題で問題提起がなされ、議論が交わされた。
浜松には陸軍爆撃隊が約100年前に置かれ、侵略戦争によりアジア各地に派兵され、爆撃を繰り返した。工業の軍需化もすすみ、日本楽器ではプロペラが生産され、中島飛行機のエンジン工場も建設された。浜松は陸軍基地と軍需工場の拠点となり、米軍の激しい空襲にあった。6月18日には市街地をねらっての大空襲があった。死者は1700人を超えた。空襲で使用された燃焼弾はM47やE46などであり、投下量は900トンを超えた。
戦後は、浜松の基地跡は航空自衛隊の基地となった。グローバル戦争のなかで、20世紀末には空中警戒管制機(AWACS)が配備され、21世紀にはいるとPAC3の配備もあった。浜松基地からはイラク戦争にも派兵された。さらに戦争ができる国から戦争をする国への転換のなかで、土地規制法により浜松基地が「特別注視区域」とされ、2025年度予算では浜松基地司令部の地下工事がおこなわれることになった。
2015年の戦争法制定を経て、安保3文書が改訂され、戦争の準備が着実に進んでいる。主権者として戦争をさせない!憲法9条を壊すな!の声を上げ、戦争を止めることが求められる。(T)
6・18浜松大空襲と平和憲法を心に刻む集会
6月18日、浜松市民協働センタ―において集会が持たれ参加した。竹内康人氏と水戸潔氏が講演を聞いた。
〇竹内氏講演要旨
浜松大空襲は大規模なもので5回の空襲があり死者は3500人を超えた。特に6月18日には14496発、911.7トンの爆弾が投下された。浜松市には当時、日本楽器や中島飛行機製作所など多くの兵器工場があった。また、重慶なども爆撃した航空基地があったため標的になった。また、毒ガス攻撃研究もされており中国の毒ガス戦にも参加していた。
「戦争のできる国から戦争をする国」に転換した。2015年の戦争法(安保関連法)、2022年の安保改定3文書に大きな意味がある。自衛隊は自国が攻撃されていなくても同盟国が第三国から攻撃され、存立危機事態とみなせば、集団的自衛権を行使して第三国を攻撃できるようになった。
「戦後80年」と言われているが、戦争責任未清算・植民地主義継続80年と言うべきだ。空襲被害者の尊厳回復のないままの80年であり、政治的無責任が続いている。他方、民衆の側では「戦争止めよう!沖縄・西日本ネットワーク」が今年結成され、反戦平和を広める運動が新たに動き始めた。
〇水戸氏講演要旨
2014年、安倍内閣は閣議決定によって「集団的自衛権の行使」の解釈を変更した。これはそれまでの政府が憲法9条や専守防衛の考えに照らし合わせ「行使できない」としてきた集団的自衛権を「行使できる」と変更した。2015年9月19日、戦争法が強行採決された。9・19を忘れないため毎月19日浜松駅前でスタンディングが続いている。2024年、岸田内閣は2010年代GDP比約1.6%であった防衛予算を2%に引き上げようとした。石破内閣では自衛隊の装備近代化が進められ、AI兵器やドローンの活用が検討されている。「戦争とは人を殺すことである(内村鑑三、戦争論)」という。AI等の兵器利用は「戦争は人を殺す」という感覚から人間を遠ざける。
両氏の長い研鑽に基づく講演から多くのことを学ぶことができた。世界では戦争、紛争が続き、日本では沖縄、奄美、九州まで基地強化が進んでいる。しかし、それに抗う多くの仲間が反戦平和を訴え行動している。大きなうねりになることを願う。そして、私も行動していかねばならないと思った。最後に「資料の正確さ」ということが大変印象に残った。自治体が使用している統計的数字は必ずしも正確ではなく、報道もそれを検証もしないで使っている。鵜呑みにしてはいけない。自分で検証していくことの大切さを改めて感じた。(池)