集会基調文


1.              NO!AWACS・AWACSそのものに反対!

 浜松でAWACSが話題となったのは1994年初めのことでした。AWACS=エーワックス=空中警戒管制機という語に出会い、私たちはAWACSとは何かを問いはじめました。

 AWACSは空飛ぶ司令塔とよばれ、日本から遠く離れた洋上で情報収集と管制指揮をとることができる軍用機であり、1570億円もします。19948月末、このAWACS4機の浜松基地配備が浜松市に通告されました。

 湾岸戦争では米軍AWACSの指揮下でイラクの軍用機が撃墜されています。AWACSは制空権を確保し、空中から指令を出すことができる能力を持つため現代戦の中枢機とされています。浜松はAWACS配備により実戦中枢拠点となるのです。

 私たちはこのAWACSそのものに反対する視点を強めてきました。

 「AWACSが浜松にこなければ、他に行くのならばいい」「浜松が攻撃されるのはこまる」という被害の視点をこえ、私たちは、「AWACSは海外に派兵され、私たちのみえないところで多くの人を攻撃するセンターになりえる」とし、加害の視点を提示しました。このかん私たちはAWACSそのものに反対し、「NO!AWACS・浜松を再び派兵拠点にするな!」と活動をすすめてきました。

 AWACSは平和主義を基調とする日本国憲法に反しています。AWACSは政府の行為による戦争を最前線で担い、武力行使の指揮をおこなう、交戦能力のたかい「戦力」です。その存在は平和を求める人間の思いや良心をふみにじるものです。このようなAWACSを使用することは憲法違反です。

 私たちはNO!AWACSの会をつくり、全国署名の展開、市や基地への申し入れ、デモ・集会の開催、ポスター・ステッカーの作成、チラシ・パンフレットの発行などをとおして、「AWACSも基地もいらない」と行動をとおして訴えてきました。AWACSが配備された983月には全国集会をもち、10数都府県200人の仲間とともに抗議行動をおこないました。

2.              NO!新ガイドライン・日米海外共同作戦体制反対!

 1996年安保再定義、97年新ガイドライン策定の動きのなかでAWACSが海外を含めての日米共同作戦の中枢として使われることがあきらかになりました。

 私たちは新ガイドラインをAWACS導入の論理としてとらえます。この新ガイドラインのもとでの周辺事態法などの「有事立法」は、AWACSを海外に出すための法律であるとみます。新ガイドラインとAWACSや「おおすみ」などの配備は日米が海外で共同作戦をおこなうことの宣言にほかなりません。空中給油機の浜松配備の動きも報道されています。

 政府・自衛隊はAWACS・空中給油機などを使ってPKF・PKOや「邦人救出」の名による海外派兵を拡大し、多国籍軍への参加もねらっています。

 新ガイドラインは自治体や民間も動員して戦争に参加させるというものです。私たちは、自治体に対し、戦争協力に反対するよう要請してきました。

 AWACSという軍用機のなかに新ガイドラインが組込まれています。情報交換において、米国製システムを装備するAWACSは当初から米軍にリンクしているのです。浜松基地では米軍人がAWACSの訓練を指導しています。

 AWACSは海外での日米共同作戦を象徴する軍用機なのです。

 私たちは新ガイドラインのワク組みのなかでAWACSをとらえ、新ガイドラインに反対する視点を確立することがAWACSに反対する活動をすすめるうえで重要であることを訴えてきました。

 新ガイドラインによる自治体への動員がねらわれるなかで、自治体が平和をもとめる市民とともに国家と対立する時代がはじまっています。自治体は市民の平和に生きる権利をまもり、平和的自治権を確立すべきです。

3. 過去と現在を貫く戦争責任の自覚

 1945年の浜松大空襲により浜松市3500人以上が死を強いられました。当時、浜松は侵略にむけての爆撃と教育の拠点であり、毒ガスを空から撒く訓練もおこなわれていました。浜松の工場は軍需生産を担うなど、浜松はアジア侵略への派兵拠点であり、浜松からの爆撃によってアジアの多くの人々が死を強いられています。浜松周辺には軍需生産を担うため中国人・朝鮮人が強制連行されました。私たちはそれらの人々に思いを馳せ、侵略戦争の責任を自覚し追及します。

 湾岸戦争で米軍やサウジのAWACSが共同してイラク攻撃を支えたように、浜松のAWACSは沖縄嘉手納の米AWACSと共同してアジアの人々への攻撃を支える力をもちます。防衛庁はAWACSに「武装はない」とキベンを弄してAWACSを美化していますが、AWACSは海外で武装した戦力を管制指揮することができる空飛ぶ司令塔なのです。

 私たちは浜松が再び派兵拠点となることを拒否します。

 AWACSが配備されるなか、浜松市98年、映画「プライド」を推薦し、平和式典では特攻と天皇を賛美する映画を上映するなど、戦争を肯定する動きに加担しています。また自衛隊浜松基地では関連業社に女性を供出させてパーティーをひらこうとしていました。

 私たちはこのような動きを社会の軍事化の一環としてとらえ、抗議行動を行ってきました。

 私たちは過去・現在を貫く戦争責任を自覚し、その追及をすすめます。軍隊や戦争を肯定する動きに反対します。

 AWACSのハイテクの眼は人間の生のあたたかさをとらえることはできません。私たちはこの生のあたたかさの視点をふまえ、生の尊厳を拠点にAWACSにNO!をつきつけます。

4.              廃軍・反軍の思想と運動を

 1960年代ベトナム反戦運動のなかでただの市民が戦車を止め、兵士が派兵や治安弾圧に対し抗命権をかかげて抵抗しました。80年代には反核運動のたかまりのなか、ヨーロッパで廃軍の運動が広まりました。90年代には沖縄の基地撤去を求める動きのなかで反軍隊・反基地の視点が女性たちのなかから強くうちだされてきました。

 「どう宝」「ぐりさ」、それは生命の尊厳と民衆の連帯を基調とする廃軍へのメッセージです。軍隊と基地はそれらが存在することによって人間の尊厳をおかしているとみるべきです。

 新ガイドライン策定とAWACS配備のなかで、私たちは廃軍の立場を確認し、基地の撤去をもとめ、社会の軍事化に抵抗します。

 AWACSは現代の軍拡の最前線にあります。私たちはこのAWACSに対し非暴力直接行動でNO!を訴えます。

 民衆の反戦の意志表示のたかまりが、兵士の派兵拒否を生みます。浜松基地では安保反対の声のたかまりのなか、50年代末F86Fへの乗務拒否、60年代末治安訓練拒否の抵抗が生まれています。

 私たちは浜松の地で平和を目指す10人の行動の核と200人のネットワーク化をめざしてきました。全国各地で平和にむけての運動の核を形成し、この社会の軍事化への抵抗線をつくりあげましょう。

 

5.              全国ネットワークの形成を!

 この間、私たちはAWACSの問題点を全国署名・全国集会をとおして訴えてきました。全国各地では平和にむけてのとりくみがさまざまな形ですすめられています。それらのさまざまな活動を結び、関係づくりをすすめていきましょう。AWACSや「おおすみ」などの新軍備は各地でその姿をあらわすことになります。新ガイドラインによる自治体・民間動員はさらに強められるでしょう。しかし私たちには反戦・平和への熱い想いがあります。その想いは政治権力によって消すことはけっしてできないものです。

 20世紀は大量殺戮と環境破壊の時代でもありました。もうすぐ21世紀です。

 参加された皆さん!ともに平和にむけてのあらたな時代の精神をひらきましょう。その運動と思想を重ねあわせましょう。

私たちは、私たちや私たちの子供たちが戦争に動員されることを拒否します。

新ガイドラインによる戦争に協力・加担する労働にNO!の声をあげます。

人間の尊厳を確認し、抵抗線をつなげ戦争国家への道に抗しましょう。

今がはじまりです。

 

 NO!新ガイドライン・NO!AWACS全国集会

1999228日 

NO!新ガイドライン、NO!AWACS全国集会

  市民の皆さん!
  AWACSが浜松基地に4機も配備されようとしています。AWACSは空飛ぶ指令塔と呼ばれ、
 海外で警戒と戦争の指揮をとることができる軍用機です。1機570億円もします。
 AWACSは現代の戦争の中枢を担うものであり,アメリカのイラク攻撃はAWACSの管制下
 で行われています。浜松はAWACSの配備により実戦の中枢拠点となっていきます。また
 、浜松基地内には軍隊と戦争を賛美する広報展示館も作られています。
  97年9月、アメリカの戦争に日本を協力させるための新ガイドライン(日米防衛協
 力のための指針)が結ばれました。この新ガイドラインの特徴は日本の周辺で日米共
 同作戦をすすめるというものです。そのための「周辺事態法」などの法律〈有時立法〉
 もつくられようとしています。
  日本が再び海外で戦争を行うことができるAWSCSや「おおすみ」などの配備がすすみ、
 そのための法律の制定も進められているのです。
  市民のみなさん!
 かつて浜松は爆撃と教育の基地を持ち、ヤマハやスズキなどは軍需生産を担っていま
 した。浜松の爆撃隊は中国などアジア各地の爆撃に参加し、多くの人々を殺してきま
 した。三方原では毒ガスを空から撒く訓練もしていました。1945年の浜松大空襲で
 は3500人以上の市民が命を失いました。
  浜松市は市民を戦争に追いこむことになるAWACSや新ガイドラインに反対の意志を示
 していません。それどころか、98年には映画「プライド」の推薦、8.15での特
 攻賛美映画の上映など軍隊と戦争を美化する動きに加担しています。
 浜松の一部商工団体はAWACS見学会を企画したり、エアーフェスタと呼ばれる基地祭
 に参加し、軍事と専業の一体化に手を貸しています。また、浜松基地が関連企業に
 独身女性の提供を求めてパーティーを企画していたことも判明しています。 
 私たちは浜松が平和な町になってほしいと思います。そのためにはAWACSも新ガイド
 ラインもいらないと思います。周辺事態法ができるとアメリカの戦争に自治体や民間
 までもが動員されることになります。自治体職員・看護婦・運輸労働者等様々な人々
 が戦争業務に動員されることになります。飛行場や港はアメリカ軍が自由に使えるよ
 うになります。
  浜松のAWACSはアメリカぐんにんいつも情報を提供することになっています。これら
 の戦争協力は平和主義を掲げる憲法に違反しています。
  市民のみなさん!
  このような戦争への道に「NO!」の声をあげましょう。2月28日全国から平和に向
 けて活動をしている市民が浜松に集まり、取り組みを報告し、戦争反対をアピールし
 ます。
  市民のみなさん。この全国集会にぜひ参加してください。戦争に反対し、
 NO!AWACS・NO!新ガイドラインの声を浜松から全国に広げましょう。

 2月28日は、午前10:30に浜松オートレース場近くのバス停に集合し、
 浜松基地に向かい、抗議の申し入れ行動を行います。
 この行動にも、みなさんぜひご参加をお願いします。

全国集会のスケジュール
日時:2月28日(日)13:00〜
場所:浜松市福祉文化会館 2Fホール
講演:纐纈 厚 氏
全国からの報告・アピール

集会終了後:市街デモ