ブルーインパルス「曲技飛行」復活計画の中止を求める要請書
1999年11月1日
日本国政府首相様
浜松基地司令様
11月1日、空自浜松基地は
ブルーインパルスの「曲技飛行」(戦術研究訓練)は1982年の浜松航空祭での墜落事故以後中止されてきました。ブルーインパルスの展示飛行は1985年に再開され(1991年の松島での事故で一時中断)、「曲技飛行」については「住民感情に配慮」(基地側の表現)しておこなわれてきませんでした。
今回の再開にあたり基地側は「安全」といっています。しかし、住宅密集地の上空で危険な戦技訓練飛行をおこなわないことこそが最も安全であると私たちは考えます。
1998年・99年と浜松基地へと空飛ぶ司令塔AWACSが配備され基地の実戦拠点化がすすんでいます。広報館では子どもたちに戦闘服を着用させ戦争を肯定する展示がおこなわれています。空中給油機の浜松配備も報道されています。このような形で浜松が派兵や侵略の拠点となることを私たちは望んでいません。基地の縮小や撤去が市民のねがいです。
今回の「曲技飛行」復活計画は平和をねがう市民の思いをふみにじるものです。私たちは1982年の事故の際自衛隊側の刑事責任が一切問われなかったことを忘れてはいません。
以下早急に実行することを要請します。
一、
政府・防衛庁はブルーインパルス「曲技飛行」計画を中止させること
一、
浜松基地は「曲技飛行」計画を中止すること
一、
要請団体
NO!AWACSの会
AWACSはいらない女性の会
ピースサイクル浜松
浜岡原発いらないネット
あしたの会
週間「金曜日」読者 浜松有志
99/11/14(日) 11・14浜松基地抗議現地行動
よびかけNO!AWACSの会
11月14日航空自衛隊浜松基地で、航空祭(エア・フェスタ)が開催された。
今回の航空祭では17年ぶりにブルーインパルスの戦技曲技飛行が行われた。浜松基地は今年までに4機のAWACSの配備が完了した。
また国内初の防衛庁航空自衛隊の広報館が開館している。この広報館では、恐ろしいことに軍事を家族で楽しめるものと位置付けている。そして、子どもたちに戦闘服を着せたり、戦闘機のシュミレーションをさせたり、軍需品を展示したりしているのである。
この間、私たちは平和を求め、戦争をなくそうと訴えてきた。この広報館に対しても現在のような展示を止めるように再三要請を繰り返してきた。しかし、まったく戦争賛美と戦争宣伝をやめようとはしていない。
そして、今回のブルーインパルスの戦技飛行の展示復活である。政府の軍事宣伝、軍事賛美の進行は私たち市民には非常に大きな危機を感ぜざるを得ない。戦前、軍の宣伝活動は地元住民をまきこむことで基地の拡大・軍の強力化を進めて行ったというが、まさに現在がそのような状態になっているのではないだろうか。“新たな戦前”という言葉がぴったりとはまるような、平和からはかけ離れて行く時代を迎えてしまっているのではないのかという危機感が多くの人々の声から感じられる。
この多くの声を集め、今回の航空祭への抗議行動は、東海4県の平和を願う市民運動グループの共同行動で行われた。前日11月13日の岐阜・各務原基地での航空祭での抗議行動に続く連続行動として行われたものである。航空祭を見に行った14万人に対し、40名という数は決して多いものとはいえないが、その回りには多くの航空祭・軍事拡大に反対する市民がいることはマスコミ報道からみてもまちがいないことである。また、航空祭の現場にいながら疑問を持った人たちも決して少なくはないだろう。全ての軍事拡大の動きに反対する声をこれからもあげつづけることが、暴走する軍事大国化の歯止めになることを固く信じて、今後も運動しつづけて行きたいと思う。(s)
以下に、11月14日の浜松基地への要請文を掲載します。
申 入 書
浜松基地司令様
浜松基地内隊員様
1999年11月14日
自衛隊員のみなさん
浜松基地は新ガイドライン安保のもとで実戦拠点として整備されてきました。AWACSは4機配備され、さらに空中給油機の導入もねらわれています。浜松広報館では子どもに戦闘服を着用させ子どもを戦場に動員しようとしています。基地祭では17年ぶりにブルーインパルスの戦技曲技飛行をおこなおうとしています。
日米が共同して海外で作戦をとる体制がつくられるなかでのこのような浜松での軍拡・軍隊の宣伝や戦技の公開に私たち市民は“新たな戦前”“浜松の派兵拠点化”を感じています。私たちは過去、アジアを空爆する侵略基地をもち、それゆえ大きな空襲を経験しています。自衛隊のみなさんは最近の動きに不安を感じているのではないかと思います。
日本政府は市民の安全よりも軍隊の強化をすすめ、アジアでの外交による平和努力をおこたり、過去の戦争責任をはたそうとしていません。憲法第9条があるから自衛隊員の生命も守られてきたのですが、政府は改憲を狙っています。自衛隊員の生命は戦中と同様に軽視されています。市街地の上空で危険な戦技の展示をおこなうことは市民の生命や安全よりも軍隊・戦闘を重視しする姿勢を象徴しています。
自衛隊員のみなさん、戦争で利益を上げる一部の支配者の語る美辞麗句で海外派兵され、人々を殺すことになる仕事にはNO!の声をあげましょう。ともに反戦平和への道を歩みましょう。以下、要請します。
一、AWACSの飛行を即時中止せよ
一、空中給油機の導入を中止せよ
一、ブルーインパルスの戦技曲技飛行を中止せよ
一、広報館は子どもたちに戦闘服を着用させるな
一、海外派兵を拒否しよう
一、自衛官は民衆に銃をむけるな
一、自衛官は平和を求める市民と共に歩もう
ピースアクション・東海ネットワーク
NO!AWACSの会(浜松)
不戦へのネットワーク(愛知)
戦争をしない・戦争協力もしない三重ネットワーク(三重)
岐阜ピースアクション(岐阜)
浜松市民ねっとの要請書 99年11月8日
北脇保之 浜松市長 様 要請書
航空自衛隊浜松基地にブルーインパルス「曲技飛行」計画の中止を求めてください
航空自衛隊浜松基地は、11月14日の基地航空祭においてブルーインパルスの「曲技飛行」を17年ぶりに再開をするようです。私たちはこの「曲技飛行」計画の中止を強く求めます。
1982年の浜松航空祭における墜落事故は私どもの脳裏に今なお明瞭に焼き付いています。当時たまたま付近にいて、ブルインパルスの飛行に遭遇し、「墜落しなければいいが」と思っているうち、黒い煙が立ち上がりました。でもそのときは墜落したとは思いもよりませんでした。救急車の音などにより墜落したことを知り、その衝撃は今でも忘れることはありません。
世界の航空ショーや民間旅客機の事故などをテレビなどで見るにつけ、浜松の自衛隊基地周辺を通行するたびに不安にかられます。曲技飛行は飛行機のノーマルな運転ではありません。曲技飛行は、航空機の性能とパイロットの技術と精神の極限的レベルでの飛行です。一歩間違えば惨事になることは、誰でも分かることで、現実に惨事をこの浜松で起こしています。浜松市街で見物人が多数見ている頭上で、アクロバットをやるなぞ信じられません。浜松市民の市民生活を守るために市長になった北脇さんが、アクロバット飛行の危険性が分からないはずがありません。
国がやることとはいえ、地方の時代と久しく言われてきた今、自治体の立場からものをいうことは何もおかしいことではありません。むしろ国政の活性化のためにも、地方が積極的に発言を求められていると思います。この間の市長の市民との直接対話集会に見られるように、これまでの市長とは少し違ったものを見受けられ、期待もあります。
ぜひ市民の立場に立って、航空自衛隊浜松基地に曲技飛行の中止を要請してください。
記
1. 浜松市は「曲技飛行」の中止を航空自衛隊浜松基地に要請すること。