2009104 第10回満月まつり浜松コンサート

2009104日、「新たな戦争の時代に改めて問い直す命の大切さ、平和への想い」をテーマに、第10回満月まつり浜松コンサートが浜松市の竜泉寺で開催され、100人が参加した。沖縄のひとびとがよびかけた満月まつりは各地で同時開催され、10年になる。

浜松のコンサートでは遠州黒潮エイサー、NO!NO!BAND、紅芋娘、詩の朗読・地引浩・生駒・里檀、サムルノリ、遠州琉風舞エイサー団、月桃三線団、めでたバンド、ゆかり、OSHOS、アークオブ・ソウル、グラスフォーなどが次々に演奏や朗読をおこない、人権裁判(浜松基地自衛官自殺、磐田の教員自殺、郵便局での人権侵害)のアピールもおこなわれた。コンサートは月桃三線団を中心に「花」とカチャーシーで終わった。

  

  

    

2001年に浜松でコンサートをはじめてから10年近くなるが、その期間はアフガン・イラクなどグローバルな戦争の拡大と日本の自衛隊の海外派兵が常態化したときでもあった。そのなかでそのような現実を批判し、もうひとつの現実を獲得するための運動もすすめられてきた。

満月夜の産卵を基礎的なイメージとして分かち合いながら、楽器を弾き、歌を詠い、詩を読み、ともに生きる時空を目指すことは、そのような戦争国家の現実に対抗する文化的作業だった。その空間のなかでの花や月やサンゴの歌は、軍楽的虚飾とは異なる、生存そのものからの根源的な表現である。
 浜松のコンサートは浜松・磐田在住のメンバーを主に構成されている。
1時から5時までの4時間はすぐに過ぎた。そこでは生命と平和にむけてのさまざまな表現が示された。それらの表現の中で、共振しあえる空間が形成されていると思う。                
            
 この10月、イラクでの空自のC130の輸送活動が米兵中心であったことが、情報公開で明らかになった。それは、戦争と派兵を批判する側の主張が正しかったことを証明するものである。サンゴとジュゴンの海を守れ、軍事基地を建設するな、という想いを現実のものとしたい。
                                                         
(T)

第10回浜松コンサート案内・プログラム


Thoughts on the 2009 Hamamatsu Mangetsu Matsuri
 
As a foreigner living in Japan, it is not often that I find myself sitting in a room of 100 or so Japanese people, and know, despite the linguistic and cultural differences, that we share deep connections about our visions of the world, and what the world could and should be.
The day was a tapestry, weaving together acknowledgement of personal and historical pain and sorrow with the preservation and celebration of indigenous cultures.
We have to dream the world we want to live in.
We have to be the peace we want to see in the world.
I saw and shared some of these dreams and this peace on that day.                   (K)
 (訳)
2009年浜松満月まつり に寄せて
 
日本在住の外国人が、100人余の日本人と一つ部屋に座る体験をすることはそうあることではない。さらには、言葉の違い・文化の違いを乗り越えて、世界の見方や、世界はどうなりうるのか、世界はどう在るべきかなどについて、深い繋がりを共有することは稀である。
 この日、個人の痛みや悲しみ・歴史の痛みや悲しみを知ろうとする縦糸が、少数民族文化を保存しそれを祝福する横糸とともにタペストリーを織ったのであった。
 私たちは、自分たちが住みたいと願う世界を夢見ねばならないのだ。
 私たちは、自分たちがこの世で見たいと願う平和そのものにならなければならないのだ。
 私はこの日、このような夢・このような平和を目にし、そして参加者と分かち合ったのであった。(K)