静岡新聞論壇問題2005・10〜11
@要望書
2005年11月22日 「女性国際戦犯法廷」と「静岡新聞・論壇」問題を考える会
編集局長 様
2005年11月5日付、「女性国際戦犯法廷」と「静岡新聞・論壇」問題を考える会(以下、「考える会」と略す)が貴社あてに出した要望書に対する文書回答を要求します。
11月5日提出した要望書における要求項目@に関しては、11月15日付静岡新聞朝刊に掲載された「社告」をもって、解決されました。
しかし貴社は11月14日付代表 あての私信にて、要求項目A、Bについては拒否されました。
「考える会」で、貴社からの私信回答について協議した結果、以下の通り再度要求します。
再要求T 「訂正記事掲載」について
「社告」という限定された文章では、「女性国際戦犯法廷」の客観的、正当な評価に基づく訂正記事にはなりえないということ、また問題となった10月3日付「論壇」記事を「事実誤認」であるとして、執筆社の屋山氏当人が訂正することも不可能でること、であるなら「考える会」が出した「反論記事」掲載の要求は、当然認められてしかるべきであると考えます。
石川編集局長自ら「私信回答」で言明されているとおり、新聞紙上には「多様な」立場からの意見が登場するのが当然であれば、「論壇」記事への反論記事を「読者の声」欄に掲載することはその第一歩として、必要であり、可能であると思います。
再度、当会、あるいはVAWW-NETIジャパンによる「訂正記事」掲載を要求します。
再要求U 「研修会」実施について
貴社からの「私信回答」文には「憲法班」を中心に、戦後処理問題を学習するように説いているとあります。残念ながら、「考える会」では、その成果を疑わしく思わざるを得ません。
第一に「戦後処理」と「戦後補償」は、全く本質が異なる概念であるにも関わらず、編集局長ご自身がこの概念を無自覚に使用されていること。
第二に11月20日付貴社朝刊「どう見る憲法9条・自民改憲草案」では各界識者4氏のトップとして、中曽根元首相のインタビュー記事が掲載されています。
中曽根氏は戦時中、主計将校として慰安所設営に関与していた人物です。中曽根氏自身が「わたしは、苦心して慰安所をつくってやったことがある」と回想してさえいます。
貴社はこの事実をご存知でしょうか。
これらの事実から、再び戦後補償問題に関わる被害当事者、また支援県民の名誉を著しく損害されかねないと、「考える会」では強く危惧しています。
二度と今回のような問題を生じさせないためにも、再度「研修会」の実施を要求します。
至急「考える会」あてに文書での回答をお願いします。
もし以上のA要求を再度拒否されるならば、納得のいく御説明を要求します。
A静岡新聞社の謝罪文
◇おわび 十月三日の屋山太郎氏の論壇「朝日の主張、説得力欠ける」の文中、「過激派のNGO主催の模擬裁判」とありましたが、関係NGOを含む主催者の国際実行委員会は過激派とは何ら関係がありません。また「慰安婦」問題を扱った「女性国際戦犯法廷」について「弁護士もいない目茶苦茶なもの」とありましたが、この法廷では弁護士に代えアミカス・キュリエ(法廷助言者)という欧米で確立した裁判手続きを採用していました。主催者や証言に立った方々、関係者にご迷惑をかけたことを心からおわびします。
静岡新聞社