第8回 日本軍「慰安婦」問題の解決のためのアジア連帯会議決議
2007年5月19日から21日まで「アジア連帯15年、今後の課題と連帯のために」 をテーマにソウルにて開催された第8回日本軍「慰安婦」問題の解決のための
アジア連帯会議には、南北朝鮮、日本、中国、台湾、フィリピン、インドネシア、オランダに加え、アメリカ、ドイツ、オーストラリアから参加した。
1991年、長い沈黙を破った日本軍「慰安婦」被害者の勇気ある証言以来、私た
ちは生存者たちの苦痛を分かち合い心身の傷を癒すために努力しながら、国連をはじめとする国際機関による日本政府への謝罪や賠償などの勧告や、2000年の日本軍性奴隷制を裁く女性国際戦犯法廷において「天皇有罪」を勝ち取った
が、これらは日本軍「慰安婦」問題の解決を通して、女性の人権と平和、正義を実現するべく努めてきたアジアと国際社会の連帯活動の成果であった。
一方、日本政府が法的責任を回避するために設置した「女性のためのアジア平和国民基金」(国民基金)を2007年3月末で解散したが、日本軍「慰安婦」問題の解決策ではなかったことが確認された。日本政府は、日本軍「慰安婦」犯罪に対する公式謝罪と賠償及び真相究明と再発防止を通じて、人類の普遍的価値の実現に寄与するどころか、安倍首相をはじめ、政治家たちは日本軍性奴隷犯罪に対し国家責任を回避する発言を繰り返している。更に、侵略戦争と植民地支配の教訓を反故にし、日本国憲法9条の改悪を試み、戦争国家への回帰を進めている。
しかし、米国下院議会の121号決議案の採択の動き、カナダやオーストラリアの議会での決議案採択に向けた努力、国際人権団体の連帯の広がりなどから見られるように、これは生存者や加害・被害該当国家の市民だけの問題ではなく、普遍的かつ未来志向的な課題であるとの認識が広がり深まっている。
そこで私たちは、希望の中で連帯の力を一層固く確信しつつ、以下のように決議する。
1.私たちはアメリカをはじめ各国の議会で進められている日本軍「慰安婦」関連の決議案を支持・支援し、その採択のためのあらゆる行動に取り組む。
2..私たちは、1993年の「河野談話」の見直しに反対し、真相究明及び国家賠償のための立法措置を通じて、政策的実行と責任を伴った公式謝罪と賠償、真相究明と再発防止措置をとることを強く要求する。
3.私たちは日本政府に国連人権機関の勧告を実行することを要求し、国連人権理事会が日本軍性奴隷問題を引き続き扱っていくよう監視し要求する。
4.私たちは各国の日本軍「慰安婦」問題を中心とする平和、女性博物館など
のネットワーク活動を通して民間レベルでの歴史記録や記憶の継承、市民教育に努める。
5.日本軍「慰安婦」問題の解決のためのアジア連帯会議の15年の精神と活動・成果を引継ぎこれを国際連帯会議へと拡大発展させる。
2007年5月21日 第8回日本軍「慰安婦」問題アジア連帯会議参加者一同