わたくしの名前      里 檀

わたしは神に捧げる『手』を印す

水と炎の悪魔には

消されることがないように

聖なる岩屋の暗がりに

幾千幾万の昼と夜

経りてもそれに手を置けば

祈りがおまえに届くだろう


《狩に充分な獲物よあれかし

穏やかに季節はめぐり来てよ

半身傍らにあり、

ちいさきは邪気なく野に転び

年経た者は笑みて我れを見守る

世界に諍いなくてあれ

ともに生きる、

なにものの上にも災いなくてあれ》

  
 
   
わたしは神に捧げる『手』を印す

大地を還流し『手』を印す

わたしの子供、わたしの孫、

またその子々供々よ、すべて祈りの中にあれ

辛きものは尋ね来よ

幾千幾万の昼と夜

経りてもこれに手を置けば

祈りがおまえを癒すだろう

時の初めに生きたわたくしの名前は

『 触れた手で想いを語り、伝える者 』