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      平和世にむけて響くサンシン、尺八、ケーナの音

第4回満月まつり浜松コンサート(2003.9.14)

 03年9月14日、浜松市の竜泉寺で満月祭り浜松コンサートが持たれ、140人あまりが参加した。出演は、月桃三線団、NO!NO!BAND,地引浩、黒潮エイサー同好会、高校生エイサー、磐田三線クラブ、らんぽの会、オショーズ、フェルナンド・トリーコ、スピーディナッツなど。沖縄発の平和メッセージに共感し、多くの人々が参加した。

 満月まつりの空間は、生の鼓動に対面し、平和世への夢と希望を分かち合う場である。それは軍事組織や軍事的精神に隷従する世界への対抗での場でもある。
 三線の弦の音、尺八の低高音、ケーナやサンポーニャを息が抜けるときの音などを聞き、その音をつむぎだす人々の姿やまなざし。それらは、平和世への視座をどこにおくかを示しているようにも思われた。また、音を出し、歌い踊り、共振する行為の意味、その大切さをかんがえさせられた。
 03年、イラク戦争が引き起こされ、有事法・イラク派兵法が成立した。また、排外的な朝鮮報道と右翼テロがおこされ、海外での戦争参加へと大きく舵を取った。報道の波に浮遊し、危機が危機として感じられることなくこの社会の疎外は強まるばかりのように思われる。このような社会状況のなか、このようなコンサートが今後もつづくことを願う。
 さて、コンサートではらんぽの会による尺八のアンサンブルがあった。この虚無僧の笛は、臨済宗の普化(フケ)宗に由来するという。浜松にもかつてこの宗派の寺があり、この寺で生まれた尺八曲が今も伝承されている。今回は「献笛」として、鹿が互いに呼び合うイメージ曲、追悼曲(手向け)が演奏された。6名による尺八の笛の音は、生の意思への共感を練り上げていくように感じた。
 ボリビア出身のフェルナンド・トリーコさんのケーナなどの演奏は精神性に富んだものだった。静岡県内在住者のアンデスバンド(ロス・ビエントス・デル・オリエンテ)の渡辺さんのギターとともに、「風の歌」「小さい村」「一羽の鳩」「花祭り」「コンドルは飛んでいく」「パロメーラス(木)」などが演奏された。最後の曲では、ケーナから吹き出される息とその音が聴衆をとらえた。その演奏はアンデスの民の精神の自由を示すかのようであった。
 オショーズの薬師寺さんは「暑いとは 今日は言うまじ 原爆忌」という短詩を提示しながら、親族の長崎での被爆体験を語った。そしてハノーバーなどドイツのたびの体験を語りながら、報復の連鎖を断つ精神的のあり方への思いを述べた。オショー二人による「花」の絶唱は和製のゴスペルだった。
 会に参加した沖縄出身の山川文敏さんは、思い出の写真さえ残さなかった沖縄戦の時代について語り、「君が代日の丸」の強制の問題点を指摘し、平和世への熱い想いを語り、沖縄民謡を独唱した。
 エイサーには高校生のグループも参加した。若くしなやかな体とかれらがたたく太鼓の音にたいし、参加者から大きな拍手がよせられた。
ほかにも参加バンドの演奏がおこなわれた。コンサートの最後には「花」「豊年音頭」が演奏され、最後はカチャシーでもりあがった。
 戦争と派兵の時代のなか、音楽の中から生の方向性を見つめながら、この時代の方向に対して拮抗する表現を作りあげていくことへの想いをもった月夜だった。

       (NO!NO!BAND T生記。) 

 (わがバンドの演奏はさらに練習が必要であることを参加者に示すものでした。今回はイムジン河のNO!NO!バージョンを作ってみたのですが、三線とギターの調弦不足でした。反省。次回に期待してください。)


第4回満月まつり浜松コンサートの案内文から

   「戦さ世」から「平和世」へ

 「力が全てを決定する」、まさにそんな戦争の論理が世界を覆い尽くそうとしています。人類がその苦い歴史の中で学び、積み上げてきたはずの「平和への願い」「生命への畏敬の念」は風前の灯火のようです。でもわたしたちはあきらめません。一人一人が「戦争はイヤだ!」「命と平和が大切だ!」という声を上げ、ともに手を取り合えば必ず何かを変えることができると信じています。
 国や場所が違っても見上げるお月様は一つ。平和を愛する日本中の、世界中の人たちが、歌や踊りを楽しみながら「平和世」のために同じ満月の下に集いましょう。

   「満月まつり」

 同じ米軍基地を抱える沖縄と韓国が発信元。
 サンゴは満月の夜に産卵すると言われています。そのサンゴ礁でできている沖縄にとって満月の夜は生命の生まれる平和の象徴です。第1回「満月まつり」はこの沖縄の名護市瀬嵩の浜で行われ('00.7.16)、ヘリポート移設反対をうたって多くの人たちが参加しました(韓国・神戸・東京などでも同じ開催)。第2回は20世紀最後の月食の夜('00.7.16)。
 第3回('01.4.8)は韓国・ハワイ等海外を含む約60箇所で開催。第4回('02.11.17)はアメリカへのテロ事件・そのアメリカのアフガニスタンへの攻撃・自衛隊の派遣、韓国では米軍装甲車による二少女轢殺時間と民衆の反米闘争の高まりという緊張の中で開催。そして今回が第5回です。言うまでもなく、米英のイラク攻撃と日本政府の支持・有事立法・「反北朝鮮」キャンペーン・イラク新法(占領米軍支援のための自衛隊派兵法)等々。転げ落ちるように戦争への道を突き進む中で開かれます。

    浜松「満月まつり」コンサート
 浜松では第1回('01.4.8 龍泉寺)。第2回('02.6.23 龍泉寺)=沖縄「慰霊の日」。第3回('02.11.17 中郡町・甘露寺)と開催。いずれも100数十名が集まり、ピアノ・ギター弾き語り・歌・アフリカンドラム・アンデスの楽器・沖縄三線・エイサー・詩の朗読・市民運動のアピール・尺八など多彩な内容。





To all the peace-loving people;

We would like to invite you to "The Full-Moon Festival", in which various people express their wish for peace by music, poems, dances, speeches、and so on. As coral is said to lay eggs at the full-moon night, the full moon is the symbol of life and peace for the people of Okinawa, whose land is made from the coral reef. We would like to invite you to the full-moon festival in Hamamatsu to share our wish for peace.

NOT WAR BUT PEACE!-LIFE IS THE MOST PRECIOUS THING

It seems as if we human beings are abandoning the wish for peace and the feeling of awe for life, both of which we have acquired through our bitter history of war and destruction.

However, we never give up! We do believe we can change this situation if each individual will stand up and say, hand in hand, "Not war but peace!"

The moon above us is only one; whoever we are, wherever we are. Let all the peace-loving people of Japan and of the world get together under the full moon, and enjoy the feast for peace with music, dance, poem, etc.

THE HISTORY OF THE FULL-MOON FESTIVAL

The first "Full-Moon Festival", Dec. 23 '99, was called by the people of Okinawa and Korea, where huge U.S.bases are located, causing various kinds of incidents and accidents such as car accidents, injury cases, rapes and murders. In Okinawa, there is a plan to move the U.S. heliport from Futenma to Henoko, Nago. Many people gathered at the festival to protest the plan, because it's not only a move but the reinforcement of U.S.base and the destruction of fishing and the environment.

The second one was held on the night of the last lunar eclipse of 20th century. The third (Apr. 8 '01) was held in more than 60 places including Okinawa, Korea, Hawaii, and many places in Japan, one of which was Hamamatsu (the first one in Hamamatsu).

The fourth (Nov.17 '02) was held under a tense situation; the terrorism on America, the attack on Afghanistan by America, the dispatch of the Self-Defense Force of Japan, in Korea two girls being run over and killed by the armored car of U.S. army, and the Korean people's protest against America.

And the 14th of September '03 is the fifth, which will be held under tenser situation; the attacking Iraq by America and England supported by Japanese government, the passing of the emergency bill in Japan, the "anti-North Korea" campaign, the new Iraq bill (which really is the supporting of U.S.invasion of Iraq bill), etc. It's nearly just before the war.

THE FULL-MOON FESTIVAL IN HAMAMATSU

After we first held our first Full-Moon Festival on Aprl.8 '01 at Ryusen-ji, we held the second on June 23 '02 at Ryusen-ji, the third on Nov. 17 '02 at Kanro-ji; each of them had more than 100 peace-loving audience and performers. The followings are some of the performs:

* Okinawan music (sanshin, folk songs, and eisa, dancing with drums)

* The Andes music

* Country & Western

* Guitar and songs

* Shakuhachi, the Japanese bamboo flute

* Piano

* Poems

* Speeches on various topics (atomic power plant, airport, pollution, labor, etc.)

* Fee: free

* Staffs: invited

* Promoted by "The Full-Moon Festival, Hamamatsu" (representative: Yakushiji)

* The festival will be held in Korea, Okinawa, and many places in Japan.