第6回満月まつり浜松コンサート報告 
2005・4・24

 2005年4月24日、鼠野町の龍泉寺で満月まつり浜松コンサートがひらかれた。17の団体・個人が出演し、参加者は130人ほどだった。今回のコンサートは辺野古での新基地建設阻止の活動に連帯してのものであり、沖縄ほか全国各地で同時開催された。

 今回のコンサートの特徴は、@6回目となり出演者が相互に知り合い、運営での共有的関係が生まれていること、A浜松周辺からのさまざまな出演者があり、自前で4時間の表現空間を持てるようになったこと、A高校生のときに文化祭や沖縄修学旅行でエイサーを学んだ青年や大学生グループなど20歳前後のエイサー同好者の参加が増えたこと、Bイラクからのメッセージの紹介、イラク写真の展示、首相への要請文などさまざまな平和への行動が組み込まれてきたこと、C禅宗と戦争責任・沖縄と浜松の基地・憲法改悪と表現の自由といったテーマで自己のありようを問いながらの話がおこなわれたこと、などである。


 参加した団体は遠州黒潮エイサー・琉人浜太鼓・磐田三線クラブ・OKANO・まどか・小栗・浜松学院大エイサー・合同エイサー・NO!NO!BANDKAMEIZUTA・地引浩・OSHOS・サンババンド・月桃三線団である。ほかに反空港・沖縄連帯・軍拡憲法改悪問題などでのスピーチがあった。

 エイサーでは仲順流(チュンジュンナガレ)・満名川・テンヨー・五穀豊穣・クダカ・わたりぞう立ちうとぅし・などがつぎつぎと演奏された。黒潮エイサーの家族での踊り、年とともに力強く意志的な造形力を表すようになった浜太鼓、大学で学び始めたエイサー隊などさまざまなエイサー表現があった。また、合同でのエイサーの踊りがこのコンサートの楽しみの場になった。踊る側も見る側もその踊りを楽しむことができた。

 コンサートでの歌の一部をあげれば、安里屋ユンタ(磐田三線クラブ)、ローズ(OKANO)童神(まどか)、星とタンポポ(小栗)、イムジン河(NONOBAND)、インザムード(KAME)、翼をください(IZUTA)、アメイジンググレイス(OSHOS)、サンバ、花(月桃三線団)などがあった。地引浩は解雇撤回やファルージャ虐殺をテーマに詩を朗読した。

 それぞれのスタイルでの演奏や歌があり、出演者のさまざまな思いが伝わってくるものだった。商業化されない素朴な表現は、満月夜の珊瑚の産卵に見合ったものだったと思う。

 人が楽器を弾き、声をだすということ、それは人間としてのかかわりの根源的な行為である。その原点を見つめながら、殺戮が正当化される時代に、この時代を変える想像力を持っての具体的な表現行為も求められる。目を閉じて自己の内面を見つめつつも、辺野古海上での体を張っての新基地阻止行動につながっていく平和への表現を地域から創りだしていきたいと思う。

                    NO!NO!BAND (T)

 

 


             要請書

              小泉純一郎様

 私たちは、今日、ここ浜松市龍泉寺に集い「第6回満月まつり・浜松」を開催しました。この満月まつりは本日同時に沖縄や日本全国、世界各地で開催されている「満月まつり」に連帯する催しです。

 沖縄では、名護市東海岸に建設されようとしている新しい基地に反対し、地元住民が昨年4月19日に座り込みを始めてから一年が過ぎました。雨の日も、風の日も、そして台風の日も座り込みは続けられ、この3月には座り込みの延べ人数が3万人に達しました。昨年8月13日米軍のヘリコプターが沖縄国際大学に墜落し、普天間基地周辺の住民を、沖縄県民を恐怖のどん底に突き落としました。小泉政権は、あろうことか、この住民の不安を利用し、辺野古への基地建設を促進しようとしました。しかし、地元住民はじめ日本全国、世界各地からの基地建設に反対している人達の抵抗にあい、いまだにボーリング調査の杭一本打ち込めない状況です。サンゴやジュゴンを殺してしまうような環境破壊の新基地建設を諦め、豊かな自然の沖縄にしてくださるよう要望します。

 昨年11月、イラクのファルージャでは1万人もの何の罪もない一般住民が米軍によって虐殺されました。また、一昨年3月20日からのイラク住民の死者は10万人にも上ると伝えられています。劣化ウラン弾のためにイラクの人々が、そして米兵までも体調不良を訴えていると聞きます。この張本人であるアメリカを「後方支援」という名の誤魔化しで助けているのが日本の自衛隊です。「自衛隊は軍隊だ」と言ったのは外ならぬ小泉首相ではありませんか。軍隊と化した自衛隊が海外へ出ていくのは、明らかに憲法違反です。大量破壊兵器の出てこなかったこの戦争は、全く大義のない戦争ではありませんか。こんな戦争のために多くの人々が殺され、イラク全土は瓦礫の山となっています。「一人も殺さない前に、一人も殺される前に、劣化ウラン弾で汚染される前に」自衛隊を引き上げさせなさい。

 4月10日の各新聞は一面で、中国、韓国の反日デモを伝えていました。貴方の靖国神社への参拝が大きな原因の一つと考えられます。また、最近、中国、韓国をはじめ台湾、フィリピン等の人々により、強制連行・強制労働や従軍慰安婦等の日本の戦争責任を追及する裁判が起こされています。それに対する日本の態度はどうでしょう。先日、人権平和・浜松という団体が自主上映した海南友子監督の「苦い涙の大地から」という映画を見ました。日本軍が敗戦したとき、大陸に捨ててきた毒ガスのために肉体的、精神的にそして経済的に苦しんだ末、彼らが日本で裁判を起こします。一審で原告が勝つのですが、控訴したのはあなたと当時の外相川口順子でした。彼らがどれ程苦しんでいるのかあなた達にはわからないのですね(娯楽映画ばかり見ていないで、たまにはまともな映画も見なさい)。東アジアの人々と日本人の歴史に対する認識が完全にずれていると考えられます。このままでは、日本はアジアから孤立してしまいます。尖閣諸島、竹島、拉致等、非常にデリケートな問題が山積みされています。感情に流されず、歴史の真実を直視し、友好的に対話を持って外交を進めていくことを切に要望いたします。

 2005年4月24日 「第6回 満月まつり・浜松」参加者一同

 

   浜松コンサート呼びかけ

  戦さ世」から「平和世」へ

 
力が全てを決定する」、まさにそんな戦争の論理が世界を覆い尽くそうとしています。人類がその苦い歴史の中で学び、積み上げてきたはずの「平和への願い」「生命への畏敬の念」は風前の灯火のようです。でも、わたしたちはあきらめません。一人一人が「戦争はイヤだ!」「命と平和が大切だ!」という声をあげ、ともに手を取り合えば必ず何か変えることができると信じています。
 国や場所が違っても見上げるお月様は一つ。平和を愛する日本中の、世界中の人たちが、歌や踊りを楽しみながら「平和世」のために同じ満月の下に集いましょう。
    「満月まつり」
 サンゴは満月の夜に産卵すると言われています。そのサンゴ礁でできている沖縄にとって満月の夜は生命の生まれる平和の象徴です。「満月まつり」は、戦争に繋がる状況・動きに抗して、命と平和を慈しむ民衆の思いを歌や踊りで表そうと始められました。発信元は沖縄と韓国。いずれも米軍基地をかかえる所です。
 第1回「満月まつり」はこの沖縄の名護市辺野古・瀬嵩の浜で行なわれ(’99.12.23)、米軍ヘリポート移設反対をうたって多くの人たちが参加しました。以来毎年開催する中で賛同する仲間も日本・世界に広がり、毎回数十箇所で同時開催されています。浜松も第2回から参加。今まで5回の開催の中で、全国の仲間と手をつなぎ、平和を求めるメッセージを歌や踊りに託して発信してきました。そして今年は4月24日に開催されます。
 日本全土の0.6%を占めるにすぎない沖縄に在日米軍基地の75%が集中し、それに伴う基地被害が頻発しています。昨年8月13日には沖縄国際大学に米軍ヘリが墜落炎上。さらに米軍はその直後から大学関係者・警察・消防すら現場から排除し、沖縄が米軍支配下の危険な島であることを自ら証明しました。1年前の4月19日、日本政府は米軍の沖縄・普天間飛行場を辺野古に移し海上ヘリ基地建設工事のためのボーリング調査を始めようとしました。しかしこれに反対する住民が身体を張って阻止。以来一日も欠かすことなく座り込みを続け、調査をストップさせています。
 その沖縄で訓練を受けた米兵が今イラクに行き、ファルージャの住民を虐殺した主力部隊となっています。その米軍を支援しているのが日本です。浜松からもすでに延べ30名の航空自衛隊員がイラクに行き、自衛隊輸送機が「復興支援」物資と共に武装した米兵を運んでいます。日本国内でもこれに呼応するような急激な動きがあります。有事法制、教育基本法・憲法の改悪・・・
 こんな状況だからこそ私たちは多くの人と一緒に「満月まつり」を開き、命と平和への思いを分かち合い、周りの人たちにひろめていければと思います。皆さんの参加をお待ちしています。




2005年 満月まつり(第7回)同時開催のお願い

沖縄からのよびかけ

 私たちの願いは、戦争も差別も飢餓もない平和・人権・環境が輝く21世紀の共生世界です。
 ところが、私たちにとって今の世界は厳しい現実であります。
 しかし、我ったぁ沖縄人は決してあきらめない!アジアの人々に二度と銃を向けない!世界の人々の生命を奪う新基地をジュゴンの生息する沖縄の海につくらせない!米軍のイラク占領をゆるさない!自衛隊は撤退せよ!平和憲法9条ガンバレ!という沖縄人の命どぅ宝の思いを世界の人々と共有する沖縄発信の沖韓民衆連帯を軸とする国際連帯平和月見会=満月まつりを今年(7回目)も名護市東海岸<辺野古ぬ浜>にて4月24日(旧暦3月16日)のいざよい満月の夜に開催します。
 特に今年の満月祭りは辺野古ボーリング調査阻止座り込み行動1周年を内外にアピールし新基地建設の白紙撤回をかちとるためであり、世界にある米軍基地の再編強化と日本の「戦争国家」化を阻止する闘い、さらに世界の自然環境を保護する闘いと結合した催しで沖縄・日本・世界の未来を切り開く重要な催しのひとつであると思います。
 昨年は私たち沖縄満月まつり実行委員会の呼びかけに応えて海外7ヶ国、県内(沖縄)6ヶ所、県外(日本)50ヶ所の地で同時開催されました。
 海を隔てたそれぞれの土地で太古の昔から闇夜を照らし続けてきたひとつの満月に平和を願う人々がたくさんいるということに思いをはせ、沖縄・日本そして世界の各地で同じ日に同じ満月に照らされ、まーるい地球、まーるい満月、まーるい心で21世紀の共生世界を誓い合う集いをあなたの地域でも開催して下さるよう心から呼びかけいたします。


                           記
@全ての生命に共生の光を照らす4月24日(旧暦8月16日)のいざよいの満月に向かって 平和月見会(満月まつり)を開催する。
A規模は一人でも100人でも恋人同士でも家族だけでも一緒に歌ったり、踊ったり、討論し たり、もちろん月を見るだけだけでもけっこうです。場所も自由にそれぞれの地域で創意工 夫してくださ い。



2005年  満月まつり実行委員会
共同代表/東恩納琢磨・村山友子・まよなかしんや