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プラタナスの下で 地引 浩 このプラタナスの下に わたしたちは立つ 戦争に焼かれた樹の下で 木枯らしに吹かれながら 小さなキャンドルを灯し始める このプラタナスの下に わたしたちは集う 戦争を観てきた樹の下で イラクの子らを想いながら 小さなキャンドルをささげよう このプラタナスの下で わたしたちは歌う 戦争を生きのびた樹の下で アメリカは攻撃をやめろと 小さなキャンドルを灯し続ける このプラタナスの下で わたしたちは誓う 戦争から甦った樹の下で 基地もエーワックスもなくすと 小さなキャンドルの灯とともに (２００３．１．２４) |
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くちぶえ
地引 浩
くちぶえを吹いた
しばらくぶりでね
くちぶえを吹いた
かすれた音だね
くちぶえを吹いた
気分がいいよね
はなうたを歌うよ
歩きながらね
はなうたを歌うよ
しょっちゅうだけどね
はなうたを歌うよ
他人にないしょにね
くちぶえを吹いた
くちびるをなめてね
くちぶえを吹いた
へたくそだけどね
くちぶえを吹いた
心の中が見えるね
（２００３． １． ３）
いつか きっと
地引 浩
だれもが いつか
きっと わかるだろう
軍隊が なんのためにあるのかを
そのときでは遅すぎる
基地をなくそう 軍隊をなくそう
だれもが いつか
きっと 言うだろう
ＡＷＡＣＳは 侵略のためだったと
そのときでは遅すぎる
基地をなくそう 軍隊をなくそう
だれもが いつか
きっと 思うだろう
戦争立法を 止めておけばよかったと
そのときでは遅すぎる
基地をなくそう 軍隊をなくそう
プラタナスに
地引 浩
聞いてごらん あの爆音のことを
この街から 飛んでいった
爆撃機のことを
あのプラタナスは知っているから
聞いてごらん あの爆撃機のことを
中国の街を 焼き尽くした
飛行隊のことを
あのプラタナスは知っているから
聞いてごらん ほんとうかどうか
この街にも あったという
毒ガス部隊のことを
あのプラタナスは知っているから
聞いてごらん あの兵士たちのことを
この街に 帰れなかった
若者たちのことを
あのプラタナスは知っているから
聞いてごらん あの娘たちのことを
空襲で 死んでいった
女学生たちのことを
あのプラタナスは知っているから
聞いてごらん あの地獄のことを
この街が 焼け果てた
戦争の日のことを
あのプラタナスも焼けたのだから
聞いてごらん あの爆音のことを
この街を 基地にする
エーワックスのことを
あのプラタナスは知っているから
（２００３．２．１１）
友よ さあ
地引
浩
友よ さあ語ろう
沈黙するのは似合わない
基地なんかいらない
軍隊は出て行け と
むしろ旗立ててきた
あのお母らのように
穏やかに
友よ さあ歩もう
諦めるのは早すぎる
君が代なんて歌わない
日の丸強制反対 と
良心 貫く
あの教員らのように
晴れやかに
友よ さあ歌おう
言い訳なんか捨てよう
軍隊なんて人殺し
アメリカーは出ていけさ
肝っ玉 太っとい
オキナワのおばあらのように
にぎやかに
友よ さあ行こう
嘆いても始まらない
人道援助ウソッパチ
自衛隊は帰って と
イラクに向かった
あの若者らのように
軽やかに
（２００４． ５．１０
ど う し て ？
１０．３ 浜松基地航空祭の日
地引 浩
あなたは乗ってみたい と言う
あなたはカッコイイ！ と言う
戦闘機ってけっこう大きいんだ と言う
それが何のためのものなのか
そんなことは考えなくていい と言う
どうしてそんなことを聞くの？
自由でしょ わたしの と言う
あなたはさわってみたい と言う
あなたはサイコウ！ と言う
Ｆ１５ってイラクに行ったの と聞く
それがイラクで何をしたのか
そんなことは知らなくていい と言う
どうしてそんなことを聞くの？
関係ないでしょ わたしに と言う
あなたは見せたかった と言う
子供も来たのに と言う
アクロバット飛行がなくてザンネン！ と言う
それを何のためにするのか
そんなことはどうでもいい と言う
どうしてそんなことを聞くの？
勝手でしょ わたしの と言う
ぼくらは侵略やめろ と叫ぶ
ぼくらは横断幕を 掲げる
イラクの人々を殺すな！ と訴える
戦争が何のためだったのか
もう みんな知っているはず と話す
自衛隊をイラクから戻そう
責任だよ ぼくらの と語る
（２００４．１０．１０）