9・15東富士での104訓練反対・長射程ミサイル配備反対の要請行動

2025年9月15日13時、「富士での104訓練の中止、長射程ミサイル配備計画の撤回を求める要請書」を御殿場市滝ヶ原の富士防衛事務所に申し入れた。富士防衛事務所は米軍のキャンプ富士横の空地にプレハブ事務所を置き、現地対応している。キャンプ富士の前には陸自の滝ケ原駐屯地がある。この日の要請抗議行動には熱海、三島、沼津、静岡、藤枝、焼津、浜松など県内各地から15人ほどが参加、104訓練の中止と長射程ミサイルの配備撤回を求めた。

この行動後、参加者有志が畑岡で監視行動を行う御殿場の平和委員会のメンバーを激励した。1週間前の9月7日には、静岡県平和運動センターなどの主催によるデモと要請がおこなわれ、30人が参加した。この行動にも静岡の三島の仲間が参加した。

防衛省の富士へのミサイル配備(国産スタンド・オフ・ミサイルの早期整備等)の通告は8月29日になされた。12式地対艦誘導弾能力開発型は健軍(熊本、2025年、26年度)と富士(27年度)、艦発射型を横須賀の「てるつき」(27年度)、空発射型を百里(茨城)のF2(27年度)、島嶼防衛用高速滑空弾を富士(25年度)、上富良野(北海道、26年度)、えびの(宮崎、26年度)に配備予定という。(t)

   

以下、9月15日の要請書

 

USA大統領様 日本国首相様 防衛大臣様    2025年9月15日

    富士を撃つな!実行委員会(みしま憲法9条の会、静岡・沖縄を語る会、人権平和・浜松)

           

富士での104訓練の中止、長射程ミサイル配備計画の撤回を求める要請書

 

2025年9月9日から9月18日にかけて東富士演習場で104訓練(沖縄県道104号線越え155ミリ榴弾砲 射撃分散訓練)がおこなわれています。今回の訓練は中隊レベル、約340人、車両約60両、榴弾砲6門といいます。わたしたちはこの訓練の中止を求めます。

1998年の東富士での最初の104訓練から、これまで20回ほどの訓練がなされています。訓練は沖縄の負担軽減を口実に行われていますが、実際には米軍による155ミリ榴弾砲訓練の日本全土への拡大です。また部隊移動には民間業者のバス、トレーラー、飛行機、貨物船を利用するなど、民間動員をともない、自治体が管理する港湾を軍事利用するものでした。このような民間業者や自治体港湾の軍事利用は中止すべきです。さらに実弾訓練では白リン弾を使用するようになっています。白リン弾はクラスター弾であり、化学兵器の類です。その使用も中止すべきです

2015年の安保法制定後、日本はアメリカとともにグローバルな共同作戦を行えるようになり、2022年の安保3文書の改定により、実際に戦争ができる態勢を準備しています。まさに「戦争ができる国」から「戦争をする国」への転換です。改定安保3文書では、敵基地攻撃能力(反撃能力)を認め、長射程ミサイルの配備や弾薬庫の増築、主要基地の地下化などを決め、軍事費も2023年度から5年間で40兆円を超えるなど拡大しています。

この動きのなか、2025年8月末、防衛省は陸自富士駐屯地に長射程ミサイルの一つである「島嶼防衛用」高速滑空弾を2025年末までに、12式地対艦誘導弾(能力向上式)を2027年度に配備するとしました。これらのミサイルは「台湾有事」を口実に中国を仮想敵とし、高速滑空弾は3000キロ先を、新たな12式誘導弾は1500キロ先をも射程とする計画といいます。「島嶼防衛用」は配備のための宣伝であり、他国攻撃用ミサイルの配備にほかなりません。富士に配備する高速滑空弾については教育と運用を並行するとしており、実戦での使用が想定されています。その配備は、まさに富士を戦争の拠点とするものであり、その撤回を求めます。

2015安保法制、2022安保3文書改定の動きは現行日本国憲法の戦争放棄、平和的生存権の理念に反するものです。長射程ミサイルの配備は憲法違反であり、「専守防衛」の原則にも反するものです。また日中平和友好条約の平和共存の理念にも反しています。戦争国家アメリカの軍事路線への追随、従属は中止すべきであり、日本は平和外交をすすめるべきです。

わたしたちは104訓練の中止を求め、富士への長射程ミサイル配備計画の撤回を求めます。

富士を撃つな!富士を戦争の拠点にするな!長射程ミサイルはいらない!

日本は軍縮をすすめよ!アメリカは基地を返還せよ!