9・24東富士演習場での多連装ロケットシステム(MLRS)射撃訓練計画に反対の要請

富士などへのミサイル配備の報道よりも前、東富士演習場での陸自による多連装ロケットシステムMLRSの射撃訓練の計画が判明した。

2025年8月27日に東富士演習場に関わる御殿場市、裾野市、小山町の2市1町が、防衛省南関東防衛局から協議の依頼があることを発表したのである。防衛省の説明書には、演習場内を通る国道469号を通行規制(通行止め)し、MLRSの演習弾を発射する。理由は北海道の矢臼別は遠く、より近くで訓練し、即応体制を高めたい。在日米軍も同様。期日は10月上旬の1日とし、「米軍についても、現在、高機動ロケット砲システム(HIMARS)による射撃訓練計画を検討中と承知している」と記されていた。

この文書は、この訓練を契機に、陸自のMLRSや米軍HIMARSの射撃訓練を東富士でも実行していこうとする意思を示すものである。在日米軍司令部のフェイスブックでの投稿(2025年7月1日)をみると、東富士でHIMARSの乾式射撃訓練を行ったことが記され、それは海兵隊大隊の殺傷力、抑止力、即応力の維持のために訓練が必要と記されている。すでに104訓練でも沖縄から関連車両としてHIMARSが持ち込まれ、演習場でロケット発射のない形で運用されてきた。今後はロケット実射もしたいのである。

9月10日に行われた協議では具体的な内容が示された。それによれば、MLRS訓練は10月7日に実施(8~10日を予備日)、陸自西部方面隊第2特科団(大分、湯布院駐屯地)のMLRS3門(演習弾6発)を使用、午前10時から30分、午後1時から30分を交通規制、射撃場所は新たに設定するというものだった。これに対し、御殿場市など2市1町、東富士演習場地域農民再建連盟などは文書も出して細かな質問をした。訓練の詳細や必要性、安全性、国道の通行規制に関する質問が多数出されたのである。再建連盟は国道一時封鎖の訓練は沖縄104訓練と同様であり、時代の流れに逆行しているのではなどと発言した。協議はまとまらず、26日に再度開くことになった(静岡新聞9月11日)。

防衛省側は本州最大の演習場である東富士でMLRSロケット発射訓練をおこない、それに続いて米軍もHIMARSの訓練を実施するという流れだ。すでに2021年の共同訓練では、矢臼別でMLRSとHIMARSの共同発射訓練が行われ、報道陣にも公開されている。このような訓練を東富士でも実行したいのだろう。

しかし、東富士演習場では米軍が1965年にリトルジョン(ロケット弾)を発射、さらに自衛隊のR30型ロケット弾試射があり、それらに対して反対運動が起きた。それによって東富士演習場では、防衛庁と再建連盟と間で1967年8月6日に「東富士ミサイル基地化否定の確約」が成立した。そこでミサイルを持ち込まないことを確認したのである。ここでのミサイルとは、確約の経過からも、ロケット弾を含む表現である。

2025年の富士での総合火力演習は島嶼防衛を口実にしての最大規模のものとなり、12式地対艦誘導弾能力開発型車両、島嶼防衛用高速滑空弾車両も登場した。現在のミサイル軍拡の動きをみれば、これまでの訓練とは様相を変え、東富士演習場でのミサイル、ロケット弾訓練もおこなわれるということになる。

だがこの動きは止めなければならない。まず県是である「キャンプ富士」の全面返還をすすめるべきである。そしてミサイル軍拡を止め、軍縮の方向、平和共存へと政策を転換すべきである。富士山は世界遺産である。軍事訓練を止めさせたい。富士を撃つな! 

この動きについては、9月24日に県知事あて、防衛大臣あて、御殿場市など2市1町に中止の要請書を提出した。   (t)


以下、9月24日の要請書

                              

静岡県知事様          2025年9月24日                        
        富士を撃つな!実行委員会(みしま憲法9条の会、静岡・沖縄を語る会、人権平和・浜松)

 

東富士演習場での多連装ロケットシステム(MLRS)射撃訓練計画に反対することを求める要請書

 

2025年8月27日、東富士演習場に関わる御殿場市、裾野市、小山町の2市1町は、防衛省南関東防衛局が東富士演習場で陸自多連装ロケットシステム(MLRS)の射撃訓練実施の協議を依頼していると発表しました。私たちはこの訓練の中止を求めています。

防衛省の説明書には、演習場内を通る国道469号を通行規制し、MLRSの演習弾を発射する。理由は北海道の矢臼別は遠く、より近くで訓練し、即応体制を高めたい。在日米軍も同様。期日は10月上旬の1日とし、「米軍についても、現在、高機動ロケット砲システム(HIMARS、ハイマース)による射撃訓練計画を検討中と承知している」とあります。

9月10日に行われた御殿場市など2市1町、東富士演習場地域農民再建連盟と防衛省との協議では、MLRS訓練を10月7日に実施(8~10日を予備日)。陸自西部方面隊第2特科団(大分、湯布院駐屯地)のMLRS3門(演習弾6発)を使用。午前10時から30分、午後1時から30分を通行規制。射撃場所は新たに設定という内容が示されました。これに対し、市や再建連盟は訓練の詳細や必要性、安全性、国道の通行規制に関して質問し、その結果、協議はまとまらず、26日に再度開くことになったといいます。

防衛省側は本州最大の演習場である東富士でMLRSロケット発射訓練をおこない、それに続いて米軍もHIMARSの訓練を実施することを狙っているとみられます。すでに2021年の共同訓練では、北海道の矢臼別でMLRSとHIMARSの共同発射訓練が行われています。東富士では2025年、アメリカ海兵隊がHIMARSの乾式射撃訓練を行い、海兵隊大隊の殺傷力、抑止力、即応力の維持のために訓練が必要と語っています(7月1日米軍のフェイスブック)。東富士での104訓練でも、沖縄海兵隊は関連車両としてHIMARSを持ち込み、運用してきました。今後はロケット実射もしたいのです。

2025年の富士での総合火力演習は島嶼防衛を口実にしての最大規模のものとなり、12式地対艦誘導弾能力開発型車両、島嶼防衛用高速滑空弾車両も登場しました。これらの長射程ミサイルは富士駐屯地に配備される予定です。私たちはこの配備の中止も求めます。

現在のミサイル軍拡の動きをみれば、これまでの訓練とは様相を変え、東富士演習場でミサイル、ロケット弾訓練もおこなわれるという動きです。

しかし、東富士演習場では、1965年に米軍がリトルジョン(ロケット弾)を発射、さらに自衛隊がR30型ロケット弾の試射をする中で、ミサイル基地化反対運動が起きました。それを受けて、防衛庁と再建連盟と間で1967年8月6日、「東富士ミサイル基地化否定の確約」が成立しています。ミサイルを持ち込まないことが確認されているのです。今回の国道封鎖MLRS訓練はこれに反しています。

私たちは、静岡県の県是である「キャンプ富士」の全面返還をすすめるべきと考えます。ミサイル軍拡を止め、軍縮の方向に、平和共存へと政策を転換すべきです。富士山は世界遺産であり、そこでの軍事訓練は中止すべきです。

静岡県知事は東富士演習場の国道封鎖によるMLRS訓練の中止を求めてください。また、長射程ミサイルの富士駐屯地への配備の中止を求めてください!富士山は世界遺産であり、平和の象徴となるべきです。富士を戦争の拠点にしてはなりません。
 

    2025年9月24日

日本国首相様

防衛大臣様                                   富士を撃つな!実行委員会

                       (みしま憲法9条の会、静岡・沖縄を語る会、人権平和・浜松)

東富士演習場での多連装ロケットシステム(MLRS)射撃訓練計画の中止を求める要請書

2025年8月27日、東富士演習場に関わる御殿場市、裾野市、小山町の2市1町は、防衛省南関東防衛局が東富士演習場で陸自多連装ロケットシステム(MLRS)の射撃訓練実施の協議を依頼していると発表しました。私たちはこの訓練の中止を求めます。

防衛省の説明書には、演習場内を通る国道469号を通行規制し、MLRSの演習弾を発射する。理由は北海道の矢臼別は遠く、より近くで訓練し、即応体制を高めたい。在日米軍も同様。期日は10月上旬の1日とし、「米軍についても、現在、高機動ロケット砲システム(HIMARS、ハイマース)による射撃訓練計画を検討中と承知している」とあります。

9月10日に行われた御殿場市など2市1町、東富士演習場地域農民再建連盟と防衛省との協議では、MLRS訓練を10月7日に実施(8~10日を予備日)。陸自西部方面隊第2特科団(大分、湯布院駐屯地)のMLRS3門(演習弾6発)を使用。午前10時から30分、午後1時から30分を通行規制。射撃場所は新たに設定という内容が示されました。これに対し、市や再建連盟は訓練の詳細や必要性、安全性、国道の通行規制に関して質問し、その結果、協議はまとまらず、26日に再度開くことになったといいます。

防衛省側は本州最大の演習場である東富士でMLRSロケット発射訓練をおこない、それに続いて米軍もHIMARSの訓練を実施することを狙っているとみられます。すでに2021年の共同訓練では、北海道の矢臼別でMLRSとHIMARSの共同発射訓練が行われています。東富士では2025年、アメリカ海兵隊がHIMARSの乾式射撃訓練を行い、海兵隊大隊の殺傷力、抑止力、即応力の維持のために訓練が必要と語っています(7月1日米軍のフェイスブック)。東富士での104訓練でも、沖縄海兵隊は関連車両としてHIMARSを持ち込み、運用してきました。今後はロケット実射もしたいのです。

2025年の富士での総合火力演習は島嶼防衛を口実にしての最大規模のものとなり、12式地対艦誘導弾能力開発型車両、島嶼防衛用高速滑空弾車両も登場しました。これらの長射程ミサイルは富士駐屯地に配備される予定です。私たちはこの配備の中止も求めます。

現在のミサイル軍拡の動きをみれば、これまでの訓練とは様相を変え、東富士演習場でミサイル、ロケット弾訓練もおこなわれるという動きです。

しかし、東富士演習場では、1965年に米軍がリトルジョン(ロケット弾)を発射、さらに自衛隊がR30型ロケット弾の試射をする中で、ミサイル基地化反対運動が起きました。それを受けて、防衛庁と再建連盟と間で1967年8月6日、「東富士ミサイル基地化否定の確約」が成立しています。ミサイルを持ち込まないことが確認されているのです。今回の国道封鎖MLRS訓練はこれに反しています。

私たちは、静岡県の県是である「キャンプ富士」の全面返還をすすめるべきと考えます。ミサイル軍拡を止め、軍縮の方向に、平和共存へと政策を転換すべきです。富士山は世界遺産であり、そこでの軍事訓練は中止すべきです。東富士演習場の国道封鎖によるMLRS訓練の中止を!長射程ミサイルの富士駐屯地への配備の中止を!富士を撃つな!富士を戦争の拠点にするな!


御殿場市長様                                        2025年9月24日

裾野市長様                                   富士を撃つな!実行委員会

小山町長様                (みしま憲法9条の会、静岡・沖縄を語る会、人権平和・浜松)                                                                   

東富士演習場での多連装ロケットシステム(MLRS)射撃訓練計画に反対することを求める要請書

2025年8月27日、御殿場市、裾野市、小山町の2市1町は、防衛省南関東防衛局が東富士演習場で陸自多連装ロケットシステム(MLRS)の射撃訓練実施の協議を依頼していると発表しました。私たちはこの訓練の中止を求め、2市1町が計画に反対する意思を明示することを求めます。

防衛省の説明書には、演習場内を通る国道469号を通行規制し、MLRSの演習弾を発射する。理由は北海道の矢臼別は遠く、より近くで訓練し、即応体制を高めたい。在日米軍も同様。期日は10月上旬の1日とし、「米軍についても、現在、高機動ロケット砲システム(HIMARS、ハイマース)による射撃訓練計画を検討中と承知している」とあります。

9月10日に行われた御殿場市など2市1町、東富士演習場地域農民再建連盟と防衛省との協議では、MLRS訓練を10月7日に実施(8~10日を予備日)。陸自西部方面隊第2特科団(大分、湯布院駐屯地)のMLRS3門(演習弾6発)を使用。午前10時から30分、午後1時から30分を通行規制。射撃場所は新たに設定という内容が示されました。これに対し、市や再建連盟は訓練の詳細や必要性、安全性、国道の通行規制に関して質問し、その結果、協議はまとまらず、26日に再度開くことになったといいます。26日にはぜひ反対の意思を示してください。

防衛省側は本州最大の演習場である東富士でMLRSロケット発射訓練をおこない、それに続いて米軍もHIMARSの訓練を実施することを狙っているとみられます。すでに2021年の共同訓練では、北海道の矢臼別でMLRSとHIMARSの共同発射訓練が行われています。東富士では2025年、アメリカ海兵隊がHIMARSの乾式射撃訓練を行い、海兵隊大隊の殺傷力、抑止力、即応力の維持のために訓練が必要と語っています(7月1日米軍のフェイスブック)。東富士での104訓練でも、沖縄海兵隊は関連車両としてHIMARSを持ち込み、運用してきました。今後はロケット実射もしたいのです。

2025年の富士での総合火力演習は島嶼防衛を口実に最大規模のものとなり、12式地対艦誘導弾能力開発型車両、島嶼防衛用高速滑空弾車両も登場しました。これらの長射程ミサイルは富士駐屯地に配備される予定です。私たちはこの配備の中止も求めています。配備は東富士をミサイル基地化するものであり、2市1町が反対の意思を示すことを求めます。

現在のミサイル軍拡の動きをみれば、これまでの訓練とは様相を変え、東富士演習場でミサイル、ロケット弾訓練もおこなわれるという動きです。しかし、東富士演習場では、1965年に米軍がリトルジョン(ロケット弾)を発射、さらに自衛隊がR30型ロケット弾の試射をする中で、ミサイル基地化反対運動が起きました。それを受けて、防衛庁と再建連盟と間で1967年8月6日、「東富士ミサイル基地化否定の確約」が成立しています。ミサイルを持ち込まないことが確認されているのです。今回の国道封鎖MLRS訓練はこれに反しています。国道封鎖ロケット弾訓練の通知は軍事組織の横暴です。

私たちは、静岡県の県是である「キャンプ富士」の全面返還をすすめるべきと考えます。ミサイル軍拡を止め、軍縮の方向に、平和共存へと政策を転換すべきです。富士山は世界遺産であり、そこでの軍事訓練は中止すべきであると考えます

2市1町は東富士演習場の国道封鎖によるMLRS訓練を拒否してください。また、長射程ミサイルの富士駐屯地への配備の中止を求めてください!富士山は世界遺産であり、平和の象徴となるべきです。富士を戦争の拠点にしてはなりません。