9・6ナンミャケー・カイン「ミャンマーの実態からみる人権と平和」
2025年9月6日、浜松市内で、ナンミャケー・カインさんのミャンマーの現状に関する講演会があった。主催はこまたす推進プロジェクトであり、20人ほどが参加した。
ナンミャケー・カインさんは30年以上前に来日し、現在、京都精華大学の教員であり、WART(一コマ漫画でミャンマーの現状を示す活動)を支援し、「2月1日ミャンマー最後の戦争が始まった」などの翻訳書もある。ナンミャケー・カインさんは次のように話した。
ミャンマーのタウンジー出身で来日し、大阪で日本語を学び、立命館大学で学位をとり、いまは京都と横浜で暮らしています。私はWARTの活動を支援しています。ミャンマーは多民族国家であり、私には複数の民族の血が流れています。少数民族は27.8%ですが、弾圧されてきました。
ミャンマーは1948年に独立しますが、1962年、1988年、2021年と軍によるクーデターがありました。2021年2月1日のミンアウンフラインらの軍部クーデターに対し、いま、人びとが抵抗しています。金物を鳴らすというのも抵抗の表現です。軍の弾圧に対し、市民不服従運動(CDM)が起きました。医者や公務員、教員やアナウンサーがこの運動に参加しました。2021年2月22日にはヤンゴンで大規模なデモが起きました。武装しての国民防衛隊(PDF)も結成されています。465万人が国内外に避難しています。少なくとも7000人以上が殺されています。
2025年3月には大地震が起きましたが、軍による空爆などの攻撃は続いています。抵抗する人々は戦禍のなか学校も運営し子どもたちを支援しています。私が関わった出版物には、北海道大学でのミャンマーに関する講演の記録をまとめた「ミャンマーの民主化を求めて」、人びとの抵抗を描いた「2月1日ミャンマー最後の戦争が始まった」、一コマ漫画の「WART CARTOON」などがあります。
生きる権利は、究極の大切な権利であり、奪ってはならないものです。人権と平和がなぜ必要か、皆さん、ぜひ考えてください。
この後の討論では、ミャンマー出身の大学生が、「むかつく内戦を素早く終わらせたい。連邦民主共和制という規律ある自由が必要」と訴えた。
「WART CARTOON」、「ミャンマーの民主化を求めて」、「2月1日ミャンマー最後の戦争が始まった」(ともに寿郎社)がいい。ミャンマー証言詩集「いくら新芽を摘んでも春は止まらない」(港の人刊)もミャンマーの民衆の想いを知ることができる。軍政によって殺された詩人ケッティーの詩などの翻訳も収録されている。ケッティーの詩「彼らは頭を撃つ。彼らは革命が心臓に宿ることを知らないのだ」はミャンマーの革命歌として歌い継がれている。 (T)