10・27 東富士演習場・米軍ロケット砲システム(HIMARS)射撃訓練の実施に抗議
2025年10月、国道469号を封鎖して政府・防衛省は東富士演習場で陸自ロケット砲(MLRS)の射撃訓練を、米軍はロケット砲(HIMARS)ロケット弾(ミサイル〕の射撃訓練をおこなった。さらに政府、防衛省は25年度末までに富士駐屯地に高速滑空弾、27年度には12式地対艦ミサイル能力開発型など長射程ミサイルを配備しようとしている。
この動きに対し、10月27日の米軍ハイマース実射訓練の際、国道469号線の封鎖地点〔須山〕で抗議行動を行なった。呼びかけは御殿場の平和委員会であり、三島の市民団体をはじめ、県内各地から60人が参加した。参加者は、富士を戦争の拠点にするな、ロケット砲訓練を止めろ、富士を撃つな、ミサイルを配備するな、東富士をミサイル基地にするなと声をあげた。
この日の富士は曇り空、米軍は裾野方面に陣地を作り、午前に8発、午後に4発の計12発を実射した。ロケット弾の炎が煙の稜線を描いて頭上を飛翔し、発射音がその後に響く。数発が連続して発射された。米軍は北海道の矢臼別に続いて東富士を、ハイマースの実射場にしようと狙っていたとみられる。このような訓練を日常化させてはならない。


午前の訓練の終了後、 富士を撃つな!実行委員会 (みしま憲法9条の会、静岡・沖縄を語る会、人権平和・浜松)は以下の要請書を南関東防衛局の職員に手渡した。 (T)
富士を撃つな!実行委員会
(みしま憲法9条の会、静岡・沖縄を語る会、人権平和・浜松)
東富士演習場での米軍ロケット砲システム(HIMARS)射撃訓練実施に抗議し、
富士駐屯地への長射程ミサイル配備の中止を求める要請書
政府、防衛省は東富士演習場で国道469号を封鎖し、2025年10月7日に陸自ロケット砲(MLRS)の射撃訓練を、10月27日には米軍はロケット砲(HIMARS)の射撃訓練を実施しました。また、政府、防衛省は8月29日、富士駐屯地への25年度の高速滑空弾、27年度の12式地対艦ミサイル能力開発型など長射程ミサイルの配備を公表しました。
これらの動きは東富士をミサイル基地化し、戦争の拠点にする動きです。私たちはこれらの訓練の実施に強く抗議し、二度と行なわないことを求めます。また、富士駐屯地への長射程ミサイル配備の中止を求めます。
東富士農民再建連盟と防衛施設庁とは1967年8月に「東富士演習場またはその周辺にミサイルは持ち込まない」と確約してます。この確約は米軍のリトルジョンミサイルや陸自のR30型ロケットの発射のなかで結ばれたものであり、ミサイルだけでなくロケットの発射もできないという主旨です。今回の射撃訓練はこの確約を無視したものです。
米軍東富士演習場の返還を地元の市町村や東富士農民再建連盟は求めてきました。しかし米軍は基地を返還するのではなく、104訓練など使用を拡大し、HIMARSなどの実射訓練を今後も行なおうとしています。それは米軍基地の返還の動きに逆行するものです。
また日米の軍事協力の拡大は日本ヘの長射程ミサイルの配備となっています。それは日本による他国領域への先制攻撃の準備であり、富士を戦争の拠点とする動きとなっています。しかしこの配備は、日本国憲法の戦争放棄の理念に反するものです。政府は東富士のミサイル基地化をすすめるのではなく、基地の返還をすすめるべきです。
富士山は世界遺産であり、平和の象徴です。アメリカはキャンプ富士を即時返還し、日米は富士山麓での軍事訓練を中止すべきです。富士の裾野にミサイルなど軍事基地はいりません。日本政府は、日本国憲法の平和的生存権の理念をふまえ、平和外交をすすめ、中国などとの平和共存をすすめるべきです。