11・5浜松の戦争の拠点化の動きにNO! 浜松基地と浜松市に要請

 

2025年11月5日、浜松基地に「陸自との協同基地警備訓練の中止を求める要請」を6人の仲間でおこなった。そこで、ミサイル軍拡のなか、浜松基地周辺の「特別注視区域」、基地の地下司令部化、今年の自衛隊統合演習での浜松基地のミサイル防衛訓練と対艦攻撃訓練の拠点化、統合演習でのAWACSや高射教導群の出動を指摘、そのなかでの協働警備訓練の強化が市民の戦争反対の意思表示への威嚇につながると抗議した。

その後、浜松市の市民生活課に「浜松基地の戦争の拠点化に反対する意思を示すことを求める要請」をおこなった。要請団は「自治体を自衛隊の下請け機関にしてはならない」「PFASの汚染は浜松基地にあり、市は立ち入って調査すべき」「軍事基地と空襲の歴史に関する平和教育を強めるべき」「市はイスラエルとの友好を見直しガザでの殺戮を止める行動をすべき」「市の平和宣言の理念を実現する積極的な意思を示すべき」と訴えた。(t)

 

 防衛大臣様                          2025年11月5日                              

浜松基地司令様                     人権平和・浜松   NO!AWACSの会・浜松                               

 陸自との協同浜松基地警備訓練の中止を求める要請

 2025年10月、航空自衛隊浜松基地第1航空団監理部長による「基地警備訓練のお知らせ」が基地周辺の自治会で回覧されました。そこには陸上自衛隊との協同基地警備訓練を実施、訓練期間は11月5日から16日まで、空砲を使用した訓練を実施、射撃音が聞こえることが予想、陸自の車両が基地周辺を走行、ご迷惑をおかけしますが何卒ご理解のほど、などと記されていました。

わたしたちはこのような訓練を承認することはできません。その中止を要請します。

2015年の安保関連法制定、2022年の安保3文書の改定により、日米がグローバルに展開しての共同作戦計画の策定、中国を仮想敵とする戦争準備、ミサイル軍拡と大増税がすすんでいます。このなか、浜松基地周辺は「特別注視区域」とされ、浜松基地の地下司令部化がおこなわれています。今年の自衛隊統合演習では浜松基地がミサイル防衛訓練と対艦攻撃訓練の拠点とされ、「空飛ぶ司令塔」AWACSや高射教導群も演習に組み込まれて出動しました。それは、まさに浜松を戦争の拠点とする動きです。

このような動きのなかでの陸自部隊を基地に送り込んでの協同警備訓練は、戦争に反対する市民を標的にするものになります。近年、陸空協働の基地警備訓練が行われるようになり、昨年度は11月に浜松基地内での実施とし、空砲実施時間、車両移動日、問い合わせ先なども記されていましたが、今年の通知にはありません。2月には東富士演習場の市街地訓練場で浜松基地と富士教導団による基地警備訓練が実行されるなど、訓練が強化されるなかでの今回の訓練です。

米軍と共同して自衛隊が日本国憲法を無視して参戦、交戦すれば、主権者である市民が基地周辺でも戦争反対の声をあげるでしょう。警備訓練の名による自衛隊による発砲訓練や装甲車両による基地周辺の巡回は、自衛隊員は戦場に行くな!日本国憲法に違反するな!の声に対する武器による威嚇となっていきます。今回の訓練は治安訓練の一環となります。

戦争の実行は、戦争に反対する市民への弾圧からはじまり、他国民への殺戮へとすすみます。市民に銃口を向けることにつながる訓練は中止すべきです。日本国憲法9条の存在が自衛隊員の生命を守ってきました。陸自がイラクに派兵されても交戦しないで帰国できたのは、憲法9条があるからです。交戦していれば死傷者が出たはずです。空自のイラクへの輸送は違憲と判断され、憲法の力により早期撤収となりました。

自衛隊員の皆さん、憲法の平和的生存の理念に立ち、戦争を放棄する、武力による威嚇と行使をしない、交戦しないという条文に沿って行動すべきです。戦争に反対する市民は皆さんの銃口の照準ではなく、戦争に反対する声こそが、政府による戦争の惨禍、自衛隊員の参戦とそこでの死傷を防いでいるのです。

※基地の渉外によれば「陸自の車両が基地周辺を走行」とは東富士から東名で基地に移動する際の走行とのこと。

 参考
空自浜松基地のXヘの投稿
2021年11月

https://x.com/JASDFhamamatsu/status/1460080112360034307


2022年11月

https://x.com/JASDFhamamatsu/status/1594963225673535488

 

2025年2月

https://x.com/JASDFhamamatsu/status/1894627414552256954

 

 浜松市長様                              2025年11月5日  

人権平和・浜松 

NO!AWACSの会・浜松                                                                   

  航空自衛隊浜松基地の戦争の拠点化に反対する意思を示すことを求める要請書

 浜松市は戦争での空襲体験をふまえ平和都市宣言を出しました。そこで、多文化共生、国際交流、世界との友好、戦争などの脅威をなくす、平和な世界を築く、世界平和への貢献を誓いました。しかし、現在の日本の動き、浜松基地の戦争の拠点化の動き(特別注視区域指定、基地司令部の地下化、基地警備の強化、統合演習でのミサイル防衛・対艦攻撃での拠点化など)はこの宣言の精神に反するもののとなっています。よって以下の質問に文書で回答するとともに、浜松の戦争の拠点化に反対の意思を示すことを要請します。

 1 自衛隊の動向への判断を「専管事項」として回避せず、地方自治の精神から自治体独自の平和外交、平和教育を推進すべきではないでしょうか。

 2 2015年安保法、2022年安保3文書改定後の軍拡のなかで、浜松基地の地下司令部化が進んでいます。この地下工事について浜松市は実態を把握しているのでしょうか。またこの工事で周辺住民の安全は保障されるのでしょうか。

3 重要土地等調査法により静岡県では御前崎のレーダー施設と浜松基地が特別注視区域とされました。それを浜松市はいつどのように知り、広報したのでしょうか。市民を監視することになっていませんか。特別注視区域となったことで、どのような変化を把握していますか。

 4 10月の自衛隊統合演習では浜松基地がミサイル防衛・対艦攻撃での拠点となり、AWACSや高射教導群が出動しました。ミサイル防衛は予防先制攻撃と一体のものです。浜松基地の警戒航空団は実戦対応の部隊であり、防衛省の広報資料でも「対艦攻撃」とあります。このような浜松基地の実戦基地化としての運用をどう考えますか。

 5 浜松基地ではきょう11月5日から富士の陸上自衛隊と協同して基地警備訓練をはじめました。空砲ですが銃を使用し、周辺道路で装甲車両を走らせます。基地警備訓練というものの周辺住民への威嚇行為となっています。発砲や装甲車両の周辺道路使用をどう考えますか。住民への威嚇行為を止めるべきではないでしょうか。

6 10月に米軍のオスプレイが浜松基地に故障飛来しましたが、情報を得ていますか。広報していますか。

7 浜松が大空襲を受けた原因は浜松に陸軍爆撃隊などの軍事基地や軍需工場があったことによります。浜松の陸軍部隊の中国でのアジアでの空爆による加害についてどう認識していますか。行政として大空襲被害で亡くなった人びとの氏名を収集し追悼すべきではないですか。市として政府が空襲被害者ヘの補償を行なうように動くべきではないでしょうか。

8 軍拡のなかで近年、排外主義やヘイトが強まっています。友好平和、国際交流、多文化共生のために浜松市はヘイトを防止する積極的対策を立てるべきではないでしょうか。

 9 平和都市宣言実現への具体的実践はありますか。現在の浜松基地の戦争の拠点化に反対する意思を示すことが宣言でいう平和創造・平和貢献の道となるのではないでしょうか。